次世代公園の可能性とクリエイターの関係
I-LABO Vol.4 まちづくり(パークマネジメント)×クリエイティブ(デザイン)

第4回を迎えた「I-LABO クリエイターのためのイノベーション創出研究会」。各分野の専門家から各領域の現状や課題を聞き、クリエイターが持つ創造力や課題解決力を活かし、イノベーションの可能性を探る本企画。今回のゲストスピーカーは、「パークマネジメント」の専門家である株式会社新産業文化創出研究所の廣常啓一氏。公民連携により民間参入が進みつつある、公園という公共空間へのクリエイター参入の可能性を検討するため、最新情報を伺うと共に参加者と意見を交わらせた。

廣常啓一氏

これからの公園の役割と可能性

私たちの生活にとって身近な存在である公園。憩いの場として親しまれているが、遊戯による周辺住民との騒音トラブルや芝生への立ち入りが禁止されるなど、さまざまな問題が取り沙汰され、公園という空間に規制がかかることが増えてきた。その一方で、大阪市でも大阪城公園の「JO-TERRACE OSAKA」や天王寺公園の「てんしば」など、公園を活用した新たな賑わいの創出も行われている。そんな公園に関する、さまざまな政策提言や課題解決を「パークマネジメント」という手法でアプローチする廣常氏。自身が携わった仕事や国内外の事例の紹介、さらに新たな試みを実現するための、公民を巻き込んだ合意形成の手法などの話題提供が行われた。

廣常氏による話題提供

パークマネジメントとは?

「パークマネジメント」という言葉は、最近言われるようになってきた言葉のひとつですが、私は公園を活用した「まちづくり」だと考えています。公園とは産業革命時代のイギリスで、高密化した都市の公衆衛生や環境対策、防災安全対策などの地域課題解決のために国の主導で生まれました。しかし、現在の日本では公園と地域課題解決の関係が薄れ、公園を整備し、維持管理することが目的になりつつあり、課題解決やまちづくりに結び付いていないという問題が起こっています。公園にまつわる環境が変化し、将来の課題や潜在的ニーズが読みにくくなってきた現在、新たなシーズやアイデア、ビジネスモデルを作って対応しなければなりません。課題の可視化や課題解決策の立案など、生活環境の一部としての公園をどのように運営していくか、持続的な経営をどうするのか。さまざまな業界や学問に「パークマネジメント」という横串を入れて連携し、プロトタイプパーク作りやビジネスマッチングを行う。そして、地域とも連携していこうと活動しています。

公園を取り巻く環境の変化と課題

高齢化社会を迎えると就業者が減り、企業も成長市場や雇用者を求めて外へ出て行く。すると税収は減少していきますが、肥大化した行政サービスは無くなりません。子どもが少なくなることで、高齢者の公園利用も多くなってきています。また、周辺住民とのトラブルにより、禁止だらけで使ってはいけない公園という問題も出てきています。音がうるさいというクレームにより無音でラジオ体操をしたり、キャッチボールができなくなったり、ペットの立ち入りが禁止になったり。これらは、公園利用者を制限し、街の賑わいや地域課題解決を押し止めているのではないでしょうか? 公園活用は公園を取り巻く多様な主体が地域で協議し、地域にあった活用や周辺住民などへの配慮、持続的な公園経営に伴うローカルの自主ルールを作り、整備や活用を考えていく時代となりました。

このように、公園を取り巻く環境や課題も変化しています。大阪城公園の「JO-TERRACE OSAKA」の例など、大きな公園は民間が参入して新たな活用が行われていますが、収益が見込めない小さな公園では、地域コミュニティが公園の維持管理に参加するように誘導しなければ、埋もれたり管理されない公園が出てくる。このように、小規模な公園にも地域住民がパークマネジメントに参画する必要性があります。

公園の案内板

法改正によって生まれた次世代公園

長年の活動によって、公園に関する法律改正が行われました。簡単に言うと、公園をどんどん活用しましょうというものです。都市公園法の改正の一例としては、公園の中に営利目的の事業を設置できるようになり、その収益を公園整備や運営に還元していく試みを行えるようになりました。有名な事例としては、東京の「南池袋公園」があります。地下にメトロと変電所が入り、毎年4億円程度のお金が公園に還元されています。公園の整備の資金や運営の技術は他にも様々考えられます。例えば、「六本木ヒルズ」は、ビルに設置した発電設備が東日本大震災の際に活躍しました。違う考え方としては、公園の地下に発電所や蓄電池があり、周辺地域のスマート化に活用するという考え方もあります。IoTや情報通信技術を導入して、バイタルセンサーで高齢者を見守ったり、LED照明や音響設備などを導入し、コンサートなどで貸し出すことで収益を得ることもできます。また、オーストラリアでは仕事後に公園のBBQ場で食事を楽しんだりしています。日本にはないこのようなライフスタイルをオーストラリアが日本へ売り込み、逆に日本からは火災対策を可能とする火の出ない電化BBQと自立発電可能な太陽光パネルの技術を輸出する。このように、ライフスタイルに関連したパークインダストリーの輸出入も促進しています。

大阪での公園活用のパークマネジメントの先進事例を2つ紹介します。まず1つは、「大阪城パークマネジメント」が上がります。人気を集めている「JO-TERRACE OSAKA」をはじめ、迎賓館を結婚式場に、第四師団司令部を「MIRAIZA OSAKA-JO」として改修、大阪城トライアスロンなどのイベントも開催して収益を得ています。行政は指定管理者から、年間2億6000万円の納付金と収益の7%を歩合で受け取る仕組みになっています。もう1つは「天王寺公園エントランス開発」。20年間のエントランス部分の設置許可を出すことで、店舗出店が可能になり「てんしば」が生まれました。管理者は公園整備費12億円の一部を負担し、大阪市に毎年3000万円を支払うことになっています。その他にも「万博記念公園」や「りんくうタウン公園用地 クールジャパンフロント」などの例もあります。

公園整備のために周辺の民間がお金を出し合い、上った収益の一部を公園の再整備に充てるような手法のことをBID(Business Improvement District)といいます。海外ではニューヨークの「ブライアントパーク地区」の事例が有名です。元々は麻薬の温床といわれた公園で、周辺オフィスビルの地価が下がり、テナントも出て行く状況でした。そこで周辺の事業者がお金を出し合って公園を整備することで地価が上昇。不動産の運用益から公園整備料を払うようになっています。同じニューヨークの「タイムズスクエア」でも、条例を設けて周辺ビルへの看板設置などの収益が還元される仕組みを取り入れています。

参加者とのディスカッション

イベント参加者

A氏(Webシステム開発)

海外の公園は「広場」のイメージで、自然に人が集まり文化が生まれる場所と感じています。日本の場合は、行政が主導の「公園」というイメージなのですが、このような違いはなぜ生まれているのでしょうか?

廣常啓一氏

廣常氏

海外の「広場」は、公園でもあり集会場でもあるんです。直接民主制が行われていた都市では、住民投票や意見を聞くために「広場」が必要で、そのために生まれたり、教会や市場の前に広場を配置し、政治的、宗教的儀式に使われてきたという背景があります。一方、日本では江戸時代の封建制度時代に町が形成され、身分により住む場所が区割りされてきました。軍事対策のまちづくりを含め、「広場」に価値が見出されてこなかったと思われます。逆にヨーロッパなどと違い、火災延焼対策や大名道中などの意味合いなのか、都市の道が広く設定されており、「広場」の代わりに「道」がコミュニティの広場代わりであったともいえます。このように広場を作る必要が無く、そのスペースも獲得できなかったことも関係していると思います。近年では、安保闘争やメーデーなどで公園や広場の集会が暴動の場となった経緯からも、広場という呼び方や構造も変わってきたと思われます。ちなみに、日本の法律には「広場」の規定がなく、「広場」と呼ばれる場所は道路の延長線という考え方です。

イベント参加者

B氏(ライター)

周辺住民とのトラブルの話になりますが、クレーマーはマジョリティではなく、マイノリティであることも多いと聞きます。そんな方と折り合いを付けるポイントは?

廣常啓一氏

廣常氏

これは合意形成の問題になってきます。マイノリティを排除するだけでは合意形成にはなりません。そんな方が、公園を“自分のものではない”と思っているとクレーマーになります。自分の土地や出資している公園だと考えてもらうと、主体意識が生まれてくるんです。逆に、合意形成を無理やり行うことがいいことなのか?という場合もあります。マイノリティの方に疾患があり、音がうるさいので何とかして下さいと通報があった場合、公園でコンサートをしてもいいのか? これは公園の問題ではなく地域の問題。パークマネジメントはまちづくりと重なる部分もあります。このように、地域の合意形成による公園自治や公園活用のローカルルールが求められているとも言えます。

異業種連携のポイント「合意形成」

先ほどの質問でも出た「合意形成」というキーワードについて。公園の管理運営が「指定管理者制度」に変わりました。行政は統括役の指定管理者を入れると共に、その統括下に入る事業者も含めて管理を委託する形態です。公園以外にカフェやペットの世話、地域クレーム対応、イベント管理までするとなると、事業者も複数になり、業種や業界を越えた連携がどうしても必要です。そのためにも合意形成が重要になってきました。また、収益が見込める公園では利益面で合意形成が取りやすいのですが、収益が見込めない地方の公園でも、犬を連れて来たい住民がいたら、犬を入れたくないという声も出てくるように、こちらの場合でも住民間での合意形成の必要性があります。

さまざまなステークホルダーがいる公園運営において、どのようにして合意形成を行っていくか。一例を紹介すると、公園周辺の地権者は、公園が充実して地価が上がると、もっと商業施設を入れたくなる。しかし、人が集まるとうるさくなるので、周辺住民と利益相反してしまいます。そこで、地域住民もパークマネジメントの協議会メンバーとして入ってもらうのです。テナントが入ると住民の買物などが便利になるから、住人たちもテナントを入れたがる。また、利益で樹木を増やしたり美観整備を行うなどすると、地権者と同じ側になります。次に、公園のテナントはお客に来て欲しいのですが、自分だけで集客するより、公園でイベントを開催する方が多くの客が来てくれます。じゃあ、テナントも主体者側に入れましょう。そして、周辺の企業や就業者(昼間人口)。就業者はこの公園があるから働いてくれる。だから、企業は公園と一体になったワークスタイルやワークスペースを提供しましょうとなる。そうするとみんな主体者、いわばホスト側になるんです。

オーストリアのリンツ市で開催されているメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ」では、こういった話がありました。トラム(路面電車LRT)に日本人が乗った際、老人が席を譲ってくれました。「皆さまは外国から私たちの街に来たお客様(ゲスト)です。私たちはホストとして、お客様に席を譲るのは当たり前のことです」と言ったそうです。このように、公園やまちづくりにおいても、どのように主体意識を醸成していくかが一番重要なことだと思っています。

お互いの思いを伝えるために

「混浴風呂方式の取組み」図

公園とクリエイティブの可能性

今までの公園関係者は、設計者やランドスケープアーキテクチャ、土木や造園業と呼ばれる人たちでした。いわゆる造園屋や景観設計の方々で、これらはハードのデザインです。産業振興や子育て支援、健康医療対策、商業など、さまざまな目的で公園が利用されると、関わる民間も変わってくる。そういった方々とマーケティング戦略を考え、それに基づいてハード設計に落とし込むことが必要になります。そして、公園のコミュニケーション計画。これまでは公園に宣伝やプロモーション、ブランディングを行う発想がありませんでした。しかしこれからは、コミュニケーション戦略やそれに関わるデザインやWeb、ツールなどが必要になってきます。

1. 公園と公園経営目的の戦略推進の為の合意形成、参画者の主体意識醸成等のコミュニケーション戦略とツール

公園を使うために利用者へメッセージを送らないといけません。でき上がった公園を使う前に、公園をどのように使うかということを伝える作業が発生してきます。

2. 公園と公園経営のためのブランディング、活用促進、集客、プロモーション、コミュニケーション戦略とツール

これまでの公園に宣伝は必要ありませんでした。しかし、入居するレストランの売上が公園に還元される場合など、レストラン単体で集客するより、公園がプロモーションして人を呼ぶ方が収益が上がります。

3. 公園及び、公園での活動参画者、利用者のブランディング、プロモーション、CSR、コミュニケーション戦略とツール

公園で活動するテナントやイベント事業者などのブランディングです。例えば、公園でトヨタ自動車が環境問題のイベントを行うとCSRに繋がります。公園のブランディングに便乗した、CSRやコミュニケーション戦略も立てられます。

4. 公園および、公園での活動を媒体としたブランディング、プロモーション、CSR、コミュニケーション戦略とツール

公園そのものをメディアとしたプロモーション、ブランディングなどを行うことです。これは今までありませんでした。メディア化された公園に関わるさまざまなツールも必要です。

5. 公園の地域環境、ブランド、ネーミングを活用したブランディング、プロモーション、CSR、コミュニケーション戦略とツール

公園の中の人だけの問題ではありません。公園があることで地価が上がる話もありましたが、そういったことのためのCSRやブランディングも重要になります。

また、公園のハードウエアのデザインから、人の生活をどのように演出するかをテーマにしたランドスケープに変わってきました。山口県の「宇部市ときわ公園」は、チームラボとコラボレートしたイベントを開催し、公園をアートの拠点にしようしています。その他にも、公園にオフィスを設けて公園で仕事をするライフスタイルの提案や、新潟県の「大地の芸術祭」、香川県の「直島」などのように、公園をギャラリー化していくのもいいでしょう。結婚式を誘致するための公園デザインという手もあります。

クリエイターの力を求めるプロジェクト

バリ島のホテルには、バリ風ガーデンやファニチャーがありますよね。いわゆるバリ島リゾートのイメージです。実はこれらは、バリの伝統工芸や産業、庭造りではありません。オランダが植民地化した際に、このようなホテルを作ったものがバリ風となり、バリ風ガーデンやファニチャーの産業へ成長したんです。私が関わっている沖縄県のある市のプロジェクトでも、このようなアイデアを仕掛けています。都市モノレール延伸に合わせて、経路沿線上の公園未整備用地を整備し、同じエリアの歴史文化的価値のある旧道も同時に復旧する計画です。その道で公園を繋ぐだけでなく、「琉球ガーデンシティ」というコンセプトで沖縄らしいまちづくりと関連の文化や産業、地域サービスを振興しようと提案しています。

沖縄風の庭造りは現地にあるのですが、「琉球ガーデン」という言葉はありません。また、日本庭園のように学問体系化された形もありません。じゃあ、なければバリガーデンの事例のように作ればいいと、景観まちづくり条例も作って旧道沿いにある街を「琉球ガーデン」のショールームのようにしていく予定です。そして、琉球ガーデン文化を魅力的に作れたら、地域の原材料を活用した「琉球ガーデンファニチャー」なども作れる。これを新しい沖縄みやげとして確立できれば、大きな産業になります。浦添市の人たちが素材提供や一次加工を行い、デザイナーなどの市外の人たちもメンバーに入れながら、多様な主体により、琉球ガーデンシティ産業のファニチャーを生み出すことを目指しています。

参加者とのディスカッション

イベント参加者

C氏(ライター)

今後は少子高齢化が進みお年寄りが増えてくる。公園によってそのような方々の健康寿命を伸ばせれば、地域の医療費が削減されてメリットになる、そんな考え方もあるんでしょうか?

廣常啓一氏

廣常氏

オーストラリアでは、地域医療費を削減するために公園がどうあるべきか?と議論を始め、ヘルシーパークス、ヘルシーピープルという考え方が生まれました。公園に10投資すると、医療費が100安くなれば、医療費支援より公園を作った方が得だという健康経済学の考え方です。また、カナダは日本のような国民皆保険制度ではなく、国と民間の併用型の制度で、一部を民間保険会社が担当します。そうなると、被保険者が不健康なことで保険料を払うより、被保険者が健康なほうが保険料を払わずに済む。保険会社は被保険者が公園で健康になるのであれば、民間保険会社が公園づくりや公園活用の健康プログラムに協賛するという考え方も産まれます。

イベント参加者

D氏(建築設計・空間デザイン)

クリエイターは0から1を作ることが得意な人だと考えています。公園をどうマネジメントしていくか、街のなかで公園がどうあるべきかなど、0から1を立てるような初期段階から、クリエイターが参加している事例はありますか?

廣常啓一氏

廣常氏

全ての事例を把握していませんが、私は、公園整備間発想の段階から、クリエイターの方々にも入ってもらおうと思っています。今まで公園の協議会を作る際は、自治会や商店会などに声をかけていました。そうではなく、最初の段階から住民もクリエイターも一緒に入りましょうと。それも、地域に住んでいる必要はなく、その公園に対して何らかの形でコミットしてくれる人であればといい、そんな呼びかけを沖縄のケースでも行っています。私は秋葉原の街づくりにも参加していますが、私は事務所を置くだけで住んではいません。また、住んだり勤めたりもしていないが、「秋葉原が大好きだ」というメンバーも参加しています。そういった人たちも参加できるプラットフォームを作ることで、異分野連携とイノベーションが起きてくるんです。

イベント参加者

E氏(デザイナー)

クレーマーに関する質問ですが、主義主張がある方で自分たちの味方にできそうな人もいると思いますが、そうでない人もいると思います。味方にできないクレーマーの扱いはどうすればいいのでしょうか?

廣常啓一氏

廣常氏

とても難しい問題です。しかし、そういった方はみんなが参加する勉強会などに必ず来られます。なぜかというと、自分の言っていることを聞いて欲しい、または、人の発言を否定することが楽しみなんです。簡単にいうと注目されたいという人もいますね。もちろん対処法はあるのですが、主体者側に入れると他の人たちの発言が抑えられてしまう恐れもある。1入れることによって、10消えるのであれば、入れないほうがいいという地域や構成者の合意になる場合もあると思います。

エピローグ

「パークマネジメント」の考え方を、豊富な事例を交えて語る廣常氏。公園を取り巻く課題を解決に導いた事例には、柔軟なアイデアにあふれていた。また、さまざまな人たちを巻き込み、連携し、新たな価値を生み出すための手法にも目から鱗の連続。その仕事はまさに、イノベーションを創出するクリエイターといっても間違いない。デザインなどに携わるクリエイターが、公園という公共空間にどのようにコミットし、イノベーションをもたらすことができるのか? 参加者の心の中に、公園の新たな未来像を描くキャンパスが広がったはずだ。

イベント風景

イベント概要

まちづくり(パークマネジメント)×クリエイティブ(デザイン)
I-LABO クリエイターのためのイノベーション創出研究会 Vol.4

コミュニティをデザインするという高度成長期のニュータウン開発ワードが再燃してきている。こうしたデザインはこれまで地方自治体など行政の役割とされたが、財政難や複雑な社会課題解決に対して公民連携(PPP)よる動きにシフトチェンジしてきた。
その舞台の一つが、公園や緑地、広場といった公共空間であり、内包されるスポーツや文化施設、カフェ等利便施設も含まれる。都市公園法の改正などにも後押しされ全国で公園を核とした、公民連携のまちづくりが求められている。
公園の本来の存在意義は、社会や地域の課題解決、また価値の向上などを実現する機能を持ち、各時代や環境の変化に柔軟に対応、かつ持続的な経営を実現する公共(共有)空間であるはずであったが、現実はどうであろうか。
利用者や地域にとって有益な施設として、戦略的な管理運用(経営)と同時に市民や市民の自治体財産の管理運用(経営)も実現するこうしたパークマネジメントと次世代公園を実現する為に多様な分野の主体の参画と連携が始まっている。各々の技術、ビジネスモデル、クリエイティブ力、熱意が一体となって公園の持つ課題を解決し、まちの楽しさを創造するとともに、可能性を最大化し、相応しい公園経営(整備からマネジメント)、そしてイノベーションや産業創出を実現することが求められている。

開催日:2017年11月6日(月)

廣常啓一氏(ひろつね けいいち)

株式会社新産業文化創出研究所(ICIC)

大阪府出身。立命館大学卒業。日経新聞グループの日経広告においてマーケティングやクリエイティブのディレクター、プロデューサーを経て、2005年より株式会社新産業文化創出研究所(ICIC)代表取締役所長
テーマに関連しては1990年開催の「国際花と緑の博覧会」プロデューサー、1999年昆明世界園芸博覧会の計画検討委員、及び地方公共団体等共同出展実行委員会事業プロデューサー、「花と緑の国際博覧会ジャパンフローラ2000(淡路万博)」顧問、2002年ハールレマミーア国際園芸博覧会(フロリアード)屋内政府出展(花博記念協会)委員・プロデューサー、2005年「第22回全国都市緑化ふくおかフェア(花どんたく)」プロデューサー等のほか、「名古屋堀川納屋橋」「秋葉原UDX」「広島知の拠点」「千代田区神田警察通り」「横浜関内」、和光市、蓮田市、福岡市、北九州市、浦添市、関西では「グランフロント大阪」「りんくうタウン」「神戸ポートアイランド」、堺市、泉大津市、大阪市、吹田市、尼崎市などの新たな産業や文化の創出をテーマまた拠点とする、公民連携のまちづくり企画やコンサルタント、地方自治体等の委員を務める。

https://www.icic.jp/

廣常啓一氏

公開:
取材・文:眞田健吾氏(STUDIO amu

*掲載内容は、掲載時もしくは取材時の情報に基づいています。