メビック発のコラボレーション事例の紹介

「生産者とつながることで、食の本質を見直したい」そんな共感から生まれた、日本の農業を楽しく知るサイト
おいしいのヒミツ

イラスト

堀田氏とのコラボレーションで多彩な表現が可能となり、ブランドの新たな未来が見えてきた

ドイツの家電ブランド「ブラウン」のマーケティングを担当する、デロンギ・ジャパンの松本悠氏が仕掛人となり、コンテンツディレクターの隅田恭子氏とともに昨年5月にオープンしたサイト「おいしいのヒミツ」。料理開拓人・堀田裕介氏とコラボすることにより、ブランドイメージがすでに確立している外資系メーカーとしてはあまり類を見ない、独自の情報発信にチャレンジしている。生産者とつながることで、食の本質を見直そうとする堀田氏の世界観に、とあるイベントで“ひとめぼれ”したという松本氏。

「おいしいのヒミツ」コンテンツ
2014年5月にスタートした、「おいしいのヒミツ」、堀田氏とコラボしたレシピ提案、イベントレポートのほか、全国の生産者を訪ねる旅の記録、恋愛ドラマなどもあり、盛りだくさんのコンテンツ。

「簡単で栄養たっぷりで……みたいな切り口で活動する料理家さんが多い中、こんな人がいるんだ! ってすごく新鮮に感じて。ですが、接点もなくどうしようかと思っていたところ、堀田さんとメビック扇町のつながりを知り、ご紹介いただけることになったんです」と松本氏。

「ブラウンのハンドブレンダーはパワーが抜群、野菜や果物の皮ごと粉砕できるんです。皮ってじつは栄養価が高いんですけど、どうしても農薬が気になりますよね。じゃあいっそ、生産者さんから本当のところを教えてもらおう。そして、サイトで私たちが学んでいくプロセスも公開して、皆さんとシェアできたら」と隅田氏。

マルチクイック
ブラウンのマルチクイックは、毎日使える、魔法の包丁。混ぜる、つぶす、きざむ、泡立てる等があっという間にできるのはもちろん、素材の味わいを活かしたり、食感をお好みで変えるのも思いのまま。

松本氏、隅田氏らが全国の個性的な生産者を訪ねる旅をし、登場した食材をヒントに、堀田氏がレシピを考案。従来の企業サイトのような製品アピールはほとんどなく、農業にまつわる親しみやすい情報発信、そして手づくりの楽しさを伝えることに主眼が置かれている。

「ちょっとしたひと手間を加えることで、家庭でもふだんとは全然違うものができる。そんな提案を心がけています。たとえば、マヨネーズをハンドブレンダーで手づくりしたり。ハーブなど好みのフレーバーを加えることで、自分なりの味になるんです」と堀田氏。

いつか、日本を飛び出して世界へ
イベントの成功で広がるビジョン

サイトのオープンから2ヵ月後の7月には、東京・目黒にあるホテル、CLASKAにて堀田氏と音楽家のヘンリーワーク氏がライフワークとして全国で開催する食と音楽の融合イベント、「EATBEAT!」とのコラボも実現した。ブラウンのハンドブレンダーを体験できるスムージーバーをオープンするにあたり、堀田氏は演出のひとつとして「ミクソロジスト*1」というキーワードを提案。ビーカーやフラスコで科学者的なイメージをプラスしたり、食材そのものが美しく見えるようディスプレイにもこだわった。

「EATBEAT! meets Mr.BRAUN’s SMOOTHIEBAR」開催風景
東京・目黒のCLASKAで開催され、大盛況となった「EATBEAT! meets Mr.BRAUN’s SMOOTHIEBAR」

「堀田さんとのつながりがなければ、ミクソロジスト」というキーワードにも出合わなかった。そんな新しい試みを他のメーカーに先駆けて行うことができて、満足しています」と松本氏。

「僕らが普段やっていることを、そのまま受け入れてくださってるのがありがたいですね。企業さんのイメージに合わせて無理したりってことが一切ないので、楽しく続けられるのかもしれません」と堀田氏は語る。

「私は会社を立ち上げて1年目でいただいたお仕事だったので、文章やレシピの書き起こしなど初めてのことばかりで、仕事の幅が広がりました。ある意味、学生時代からの夢が実現しているなあ、と(笑)」は隅田氏。

今後もこのチームでサイト運営、そしてイベントの開催も継続して行う予定だ。いずれは日本を飛び出し、海外でもイベントを開催できたら…と夢は広がる。

「それまではやめられないですね。食に言葉の壁なし、ですから(笑)」と松本氏が結んだ。

堀田氏、松本氏、隅田氏
左から、料理開拓人の堀田氏、デロンギ・ジャパンの松本氏、コンテンツディレクターの隅田氏。
ほぼ同世代で、顔を合わせると話が止まらないという3人。

デロンギ・ジャパン株式会社

松本悠氏

https://www.delonghi.co.jp/

カンパニオ株式会社

隅田恭子氏

https://www.companio.co.jp/

公開:2015年5月21日(木)
取材・文:野崎泉氏(underson

*掲載内容は、掲載時もしくは取材時の情報に基づいています。