メビック発のコラボレーション事例の紹介

「想い」を共感し合い魅力を表現するクリエイティブを
自分磨きの事業を発信するWebサイト制作

「ゆるり」ウェブサイトトップページ
モデルではなく、澤田さんを登場させたトップページ。女性への強く優しい眼差しを感じさせる写真と、3つの事業をテーマカラーで表現し、華やかな雰囲気に仕上げた。

大切な“お顔”だからこそ想いを共にするパートナーを求めて

“私を、プロデュースする”をキャッチフレーズに、美しい文字を習う教室「美文字room」、自分を活かす色を学ぶ講座「カラーroom」、身につける人の魅力を引き出すメガネ選びをサポートする「アイグラスコンシェルジュ」という3つの事業を展開する「ゆるり」の代表、澤田昌枝さん。2016年より、女性のより豊かな生き方をサポートするコンシェルジュとして事業をスタートし、着実に生徒数や顧客数を拡大し続けている。

これまで、いくつものSNSを活用しながら、個人事業主として走り続けてきた澤田さんだが、今後、法人化も視野に入れながら本格的に事業を展開していくために「ゆるり」の活動内容や最新情報を発信していくWebサイトが必要と制作を決意する。

「ホームページは、事業家にとって活動のベースとなる大切な“お顔”です。そして、私には女性を輝かせたい、そのためのお手伝いをしたいという事業に対する強い想いがあり、その想いを託せる方にお願いしたいと考えていました。でも、なかなか見つからなくて、ずっと作れずにいたんです」

そんな行き詰まりの状況を打開するきっかけとなったのが、メビックとの出会いだ。「所用で大阪産業創造館を訪れた時にたまたまメビックの看板を見かけたのですが、“クリエイターと社会をつなぐ”という言葉が気になって、思い切って立ち寄ったのが始まりでした」と澤田さん。そこから、誘われるままに「Mebic Talk-in(交流会)」に参加し、「企業によるクリエイター募集プレゼンテーション」への登壇がトントン拍子に決定。集まったクリエイター約50名の前で、自らの事業とWebサイト制作への想いをぶつけることとなった。

「私がやっている事業は、主に女性が対象者。新しい自分と出会うことで自己肯定感を上げ、輝くための自信につなげて欲しいというものです。そこに込めた優しさだったり強さみたいなエネルギーをイメージして、表現してくれる方を募集していますとお伝えしました」と澤田さん。会場で集まった約30名分の名刺とその後に届いた膨大なメール、それぞれのWebサイトを一件一件吟味し、これまでの作品を見て「ここなら自分の想いがきっと伝わる!」と感じたのが、幅広い分野のグラフィックデザインを手掛ける碧事務所だ。その直感を信じて、プレゼンテーションの翌日には制作依頼を決めたという。

イベント風景
豊かな生き方をサポートする事業への想い、Web制作にかける意気込みを語った、澤田さんのプレゼンテーション(2023年6月)。

学ぶことを楽しんで、自由な表現と機能性の両面を実現していく

一方、プレゼンテーションに参加していた碧事務所の代表、田口賀奈子さんも、「澤田さんの溢れるパワーに圧倒されました」と、最初の出会いを振り返る。

「個人事業主として3つの事業を女性一人で展開されていることにまず驚きつつ、それら全てのお仕事の基本になっているのは、澤田さんご自身の自分を信じる力だと確信。それがセルフプロデュースの成果であり、それこそが、澤田さんが女性たちに伝えたいことなのではないかと考えました」と話す田口さん。

そのうえで、「女性向けWebサイトだからモデルやイメージ写真を使ったキレイなデザインに」と想定しているであろう澤田さんに対し、「綺麗なイメージ写真を借りて使うのではなく、澤田さん本人にスポットを当ててそのエネルギーを表現し、澤田さんの持つパワフルさを伝えるものにしたい」と、企画への想いをメールに託して提案。そして、その想いを同社デザイナーの中島敬子さんとも共有して共に方向性を練り上げていき、澤田さんからの連絡を受けすぐに打ち合わせを決行。スピーディな展開で、Webサイト制作プロジェクトがスタートした。

制作を進めていく上で、まず課題となったのが「費用」と「運用」の2点。個人事業主で予算に限りがあり、いかに自己負担の少ない設計にするかが大きなポイントになった。また、教室のお知らせや新たなサービスの告知など細かく情報発信していきたいと考えていた澤田さんは、完成後も自分自身で更新ができるようプロでなくても簡単に画像やWebサイトなどを作成できるオンラインデザインツール「Canva(キャンバ)」の活用を希望。碧事務所は「Canva」の規約や構造を勉強しながら、HTMLをベースに、自由度の高いデザインと簡単に更新できる運用のしやすさの両方を実現していった。

デザインに関しては、プレゼンテーションの段階からイメージが膨らんでいたという田口さんのアイデアをもとに、デザイナーである中島さんがラフスケッチをいくつか作成。それを澤田さんに投げかけ、セレクトしてもらい、意見や要望を落とし込んでブラッシュアップを繰り返した。

撮影風景
プロフィール写真は、澤田さんの前向きさと明るさをを引き出すようカメラマンを交え、工夫しながら楽しく撮影。

「私の中にある、どうしても曲げたくない信念というか軸みたいなものをきちんとお伝えしながらも、プロ視点のご指摘やアドバイスをくれるので、しっかりと方向性を定めることができましたね」と澤田さん。また、中島さんも「ご自身のやりたいことや想いをはっきり伝えてくださるので求めておられるものがわかりやすく、また撮影にも積極的に協力していただき、スムーズに良い写真を撮ることができました」と話す。

澤田さん自身で更新をしていくことを踏まえ、サーバー管理や作成ツールの使い方などをレクチャーしながらWebサイトを作成。「ドメインの取得やサーバーのレンタル、撮影など、初めてのことに苦労しながらも楽しみながら挑戦される様子に、こちらも刺激をいただきました」と碧事務所のお二人。

終始、前向きで和やかな雰囲気の中、プロジェクトは順調に進み、「クリエイター募集プレゼン」からわずか3ヶ月弱で Webサイトが完成した。

「ゆるり」ウェブサイトプロフィールページ
企業サイトにありがちな無機質な概要ページではなく、澤田さん自身の魅力をダイレクトに伝えるプロフィールページに。

新たな事業に挑戦し、より魅力あるサイトへとブラッシュアップ

「ゆるり」のWebサイトがリリースされ、時を同じくして価値体験型ホテル 「ホテルインターゲート大阪 梅田」との新たな契約が決まったという澤田さん。ホテルが展開する伝統文化や伝統芸能などに触れるイベント企画で、筆ペンで年賀状や絵手紙を作成するワークショップを開催する運びとなったそう。

「本格的な事業の始動に際して、“お顔”となるWebサイトがあることは本当に心強いですね。ニュースリリースなどで告知される時にも、自信を持ってお知らせすることができました」と、Webサイトを足がかりに、さらに事業を広げていきたいと意気込む。

さらに、今後の事業活動をサポートするためにも、碧事務所からもコンテンツのブラッシュアップを提案。「まず、いくつもあるSNSアカウントのイメージの統一、そして利用される企業様や生徒様にWebサイト上からのアクセスを促す。近々打ち合わせを行う予定なんです」と話す3人は、再び集まることを心待ちにしているようだ。

「事業の柱は現在3本ですが、実は新たな分野についても勉強中。近い将来法人化を計画していますし、新規事業をスタートする可能性もあるので、その時はまた碧事務所さんと一緒に、Webサイトについても考えていければ嬉しいですね」と澤田さん。

華やかさの中にも、女性の柔らかさとしなやかな強さが伝わってくる「ゆるり」のWebサイト。制作を機につながった縁は、これからますます深まっていきそうだ。

左から、田口賀奈子氏、澤田昌枝氏、中島敬子氏

ゆるり

代表
澤田昌枝氏

https://www.ege-pen.com/

有限会社碧事務所

代表 / マネージャー
田口賀奈子氏

デザイナー
中島敬子氏

https://www.ao-j.co.jp/

公開:2024年12月17日(火)
取材・文:山下満子氏

*掲載内容は、掲載時もしくは取材時の情報に基づいています。