メビック発のコラボレーション事例の紹介

急成長を遂げる新進気鋭の企業をブランディング
貿易商社のトータルブランディング

会社案内
商社でありながら商材ではなく社風や社員にフォーカスした斬新な会社案内。

プロによる圧倒的なクリエイティブ力

設立6年目の新生企業ながら、右肩上がりで成長を続ける専門商社「株式会社グローバルコード」。その成長に寄り添い、同社のブランディングを担うのが有限会社TTDesignの代表 / デザイナーである高山理さんを中心とするクリエイターたちだ。

グローバルコード代表取締役の井上健吉さんと高山さんの出会いは2018年。高山さんが『こんな会社で働きたい 大阪編』の制作を手がけた際、掲載企業を募ったところ井上さんからレスポンスがあったことがきっかけだ。この出会いが縁となり、高山さんはメビックの前身である「扇町インキュベーションプラザ メビック扇町」時代からのパートナーであるアートディレクターの坪田有希子さんとグローバルコードのブランディングを手がけることになった。「最初にお伺いしたときから、すごい会社だな、と思っていたのですが、行くたびにどんどん成長して、毎回新しいビジネスの話が出てくるんです。その反面、企業の顔となるロゴや名刺などは手づくりでバランスが悪いなという印象がありました。会社の風格に相当する服を着るべきだと思い、ブランディングの提案をさせてもらいました」(高山さん)

「私はなんでも自分でやってしまうタイプで、当時は会社案内やロゴ、名刺などすべて自身でつくっていたんです。でも高山さんたちの仕事を見せていただいて、やはりプロは違うなと痛感し、お願いすることにしました」(井上さん)

企業理念を体現するロゴを制作

高山さんがまず着手したのは企業理念を体現するロゴの制作。『こんな会社で働きたい 大阪編』制作時の取材やその後のやりとりを通して、グローバルコードの企業理念やめざす方向性について十分理解をしていた高山さんらは、それらをデザイナーに伝えロゴデザインを依頼。TTDesign内でコンペを開催した。「コーポレートカラーである青とオレンジは海と大地を表し、会社名には世界を“たすき”でつなぐという意味が込められているなど、すでにしっかりとした基本理念があったので、あとはそれをいかに美しくデザインに落とし込むかということだけでした」(坪田さん)。

ロゴとスケッチ
「世界を繋ぐ」という企業理念を体現し、デザインされたロゴは商標登録された。「さまざまな案を考えましたが最終的に“つなぐ”という思いをイニシャルで表現しました」と大橋さん。

いくつかのデザイン案を井上さんに提案し、最終的に大橋遼太さんがデザインした、世界を繋ぐというイメージからグローバルコードのイニシャルである「G」と「C」が絡み合ったロゴに決定した。新しいロゴに合わせ、名刺と会社案内も刷新。会社案内の制作には、坪田さんと同じくメビック扇町時代から高山さんや坪田さんと親交があり、『こんな会社で働きたい 大阪編』の制作時に取材・ライティングを担当したコピーライターの中直照さんが企画・構成・取材・コピーライティングを、そして撮影はメビックのイベントを通して交流のあったフォトグラファーの竹内進さんに依頼した。商社の会社案内は通常、取扱商品がメインとなることが多いが、急成長を遂げる中、会社の規模や取扱商品がスピーディに変化していることや、少数精鋭で魅力的な人材が多いことから、社員や社風を中心に打ち出すことになった。グローバルコードという会社の魅力が詰まった会社案内は、現在、新卒採用などに大いに活用されている。

名刺
「会社の格に合う服を」という高山さんの提案から、ロゴに合わせて名刺も刷新した。

会社のイメージにマッチした重厚な新会議室

会社案内の制作と同時期に、グローバルコードは会社の成長に伴い、ビル内の別階にオフィスを拡張し、新たな会議室と休憩室をつくることになった。高山さんはメビックを通して繋がりのあったインテリアデザイナーの吉永幸善さんに内装設計を依頼。「ご要望はいくつかあったものの、ほぼお任せしていただいたので比較的自由にやらせていただきました。気をつけたのは、どこにでも使えるような汎用性のある内装ではなく、グローバルコードさんの雰囲気や品格に合ったものをつくること。それはかなり意識しました」。そう吉永さんが話す通り、摺りガラスの間仕切りや天然木の突き板を使用した壁など重厚感あふれる会議室は、グローバルコードの企業イメージにマッチした空間になっている。中心には大きな8名掛けのテーブルが置かれているが、会議室をつくった時点で社員は4名。「そんな大きな会議室は必要ないのでは?」という声もあったが、「先行投資をしないと、仕事はついてこない」という井上さんの言葉通り、今ではこの会議室が一番多く使われているという。また、竣工写真の撮影は、吉永さんが竹内さんに依頼。会社案内の撮影を竹内さんが担当したことを知らずに声をかけたという。「細かいことを言わなくても分かってくれる」と高山さんと吉永さんが口を揃え、全幅の信頼を寄せられている竹内さんらしい偶然だ。

会議室
グローバルコードの社風や格に合わせてデザインされた高級感のある会議室。

企業のイメージを決めるクリエイティブの力

グローバルコードは韓国への留学経験を持ち、その後もビジネスにおいて数多くの取引を行ってきた井上さんが、韓国と日本のかけ橋になるべく起業した会社だ。「私の泥臭い想いを洗練されたデザインで表現することで、若い人に“この会社で働いてみたい”と興味を持ってもらえるような発信ができるようになりました。自分では決して生み出すことのできないものなので、みなさんには本当に感謝しています」(井上さん)

現在は坪田さんのディレクションでWebサイトを製作中。井上さんは、今後もクリエイティブを通して、これから社会に出る学生やクライアントにグローバルコードの魅力を発信していきたい、と話す。

集合写真
左より 大橋遼太氏、坪田有希子氏、高山理氏、井上健吉氏、中直照氏、吉永幸善氏、竹内進氏

株式会社グローバルコード

代表取締役 / スマイルリーダー
井上健吉氏

https://globalcord.co.jp/

有限会社TTDesign

代表取締役
高山理氏

デザイナー
大橋遼太氏

https://ttdesign.localinfo.jp/

株式会社def

アートディレクター / ブランドマネージャー
坪田有希子氏

https://def.co.jp/

株式会社Sharp Focus

フォトグラファー / ムービークリエイター
竹内進氏

http://sharp-focus.net/

株式会社ショートカプチーノ

コピーライター / クリエイティブディレクター
中直照氏

https://www.short-c.co.jp/

株式会社パラボラデザイン

インテリアデザイナー / ディスプレイデザイナー
吉永幸善氏

http://parabola-design.com/

公開:2021年7月13日(火)
取材・文:和谷尚美氏(N.Plus

*掲載内容は、掲載時もしくは取材時の情報に基づいています。