USTREAM映像配信サービスで、埋もれている情報を広めたい!
吉富 和博氏・柴村 千春氏:ロケッツ


吉富和博氏(左)と柴村千春氏(右)

USTREAMを使ったイベント・セミナー等のライブ配信を代行するロケッツ。ディレクターの吉富和博さんと柴村千春さんは、早い時期からUSTREAMの可能性に着目し、吉富氏はロケッツとして、柴村氏は個人でUSTREAM配信を代行していましたが、2012年4月、柴村氏が加わり新生ロケッツとしてスタートしました。事業立ち上げの経緯とサービス内容についてお話をうかがいました。

おためし簡単配信プランから、年間配信プランまで


複数台のカメラをリアルタイムで切り替えながらライブ配信

USTREAMを使った映像配信サービスを行うロケッツ。USTREAMは、インターネットを使った動画配信サービス(ライブインタラクティブ配信プラットフォームの一つ)で、録画映像ではなく、リアルタイムで動画を配信できるのが特徴です。

「ライブ中継のおもしろさは、どんな業種、業態にもマッチすることです。我々のお客様も一般企業から大学、テーマパーク、自治体など、本当に多種多様です。ソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)の普及で、さまざまな団体が、業界内や仲間内で埋もれがちな動画情報を今は広く世間に伝えられる時代。そんな時代の“おもしろさ”を分かち合いたい」とディレクターの吉富和博さん。配信代行だけでなく、どのように動画を活用していくかについてのコンサルタントも行っています。

「動画配信に対する期待は大きくなっているものの、どの団体も動画配信にいきなり多くの予算をかけられるものではありません。そこで『簡単配信プラン』から『年間配信プラン』まで段階的なプランを用意しています。最初は単発でやってみて、“これは新規顧客獲得に効果がありそうだ”と、年間プランに移行されるケースもあります」とのこと。USTREAM番組の企画・構成・配信までを含めた『USTREAM番組制作プラン』もあり、各団体の個性に合わせたオリジナリティのある番組を制作することも可能です。

映像制作会社から紆余曲折を経てUSTREAM配信代行サービスへ


高い技術力と丁寧なサポートが信頼を生んでいる

番組制作に確かな信頼と評価を得ているのは、実は前身が映像制作会社だから。吉富さんは、ポストプロダクションに勤務していたそうですが、25歳のとき、一念発起して独立開業。当時、パソコンで動画を制作するのはまだ珍しく、続けているうちに事業規模を拡大。しかし、リーマンショック後、取引先の倒産などから会社を整理することになったそうです。失意のどん底にいたとき、明日への視野を広げてくれたのが、SNSでした。
 
「ツイッターのフォロワーは多かったんです。これからはツイッターの活用を考えていこう、と思い、ツイッターのイベントなどに参加して、持ち出しで動画を配信しました。そこから評判となり、仕事につながっていったんです」と吉富さんは語ります。

ロケッツのもう一人のディレクター、柴村千春さんも、同じくツイッターを利用してオフ会を実施したり、ツイッターで知り合った仲間と、地域情報番組をUSTREAM配信したりしていたといいます。趣味としてUSTREAM配信をしていた柴村さんですが、だんだん知人からUSTREAM配信についての相談を受けるようになり、代行をはじめるようになったとか。

「その頃から吉富とは、案件に応じてユニットとして一緒に活動していました。私は会社員でしたが、徐々に相談が多くなったので、これは事業としていけるんじゃないかと。それで一緒に会社としてやることにしたんです」と語ります。
新しいもの好きの柴村さんは、インターネット接続がダイヤルアップ回線の頃からチャットを楽しんでいたそうです。

「ミクシィもツイッターもサービスが出たらすぐやってみました。知らない人や未知の世界とつながるおもしろさは何ともいえません」。学生時代はアルバイトでお金を貯めてはアジア各国を旅したという柴村さん。クルクル動く好奇心旺盛な瞳が印象的な女性です。

つながり、ひろがるネットワークで仲間づくりを


吉富さんはUSTREAM活用セミナーの講師としても活躍

サービスを利用している団体から、「有料セミナーでは、動画を配信することで参加者が減るのでは」と危惧されたこともあったというロケッツ。実際は、逆に参加希望者が増えていったそうです。

「セミナーの講義は配信しますが、実際にセミナーに参加すれば、具体的な事例を扱ったワークショップや同じ志を持つ仲間と出会えます。例えば、起業成功塾では、講師の方と名刺交換したり、直接アドバイスをもらえますし、仲間と励まし合って夢を実現していく醍醐味も味わえます。だからこそ、映像配信によって、実際のセミナーへ足を運びたい人が増えるのです」とのこと。ロケッツのお二人自身、インターネットを通じていろいろな人に出会い、サポートしてもらって今があるといいます。

「実は、事務所の大家さんともツイッターで知り合ったんです。応援したいと手を差し伸べてくださって。USTREAM配信というサービスを通じて、単に情報発信するだけでなく、仲間とつながりながら充実した毎日を送ることの楽しさを知ってほしい」とお二人。今後の目標は、と聞くと「年内には法人化。仲間ももっと増やしたい」と笑顔で語ってくれました。

公開日:2012年07月30日(月)
取材・文:ユーモア株式会社 漆垣 美也子氏
取材班:株式会社マチック・デザイン 松村 裕史氏