メビック発のコラボレーション事例の紹介

ものづくり企業×ばかぢからユニット
オージーケー技研株式会社ブランドコンセプトブック

集合写真
左からOGKの田島剛毅氏、木村泰治氏、BCAの神崎英徳氏、山下智恵氏、浅野由裕氏

メビック扇町のプロデューサーサポートオフィスがきっかけで生まれたブランドクリエイションアライアンス(以下、BCA)は、広報コンサルティングを行う神崎氏と、広告・販促活動をサポートする浅野氏、デザイン・システム制作を行う山下氏によるユニット。「プロデュースが得意な三者が一緒に取り組んだら、さらに上のことができるのではないか」という思いが神崎氏にはあり、このユニットを立ち上げたという。企業では考えつかないユニークな発想と、専門性の高いクリエイターのネットワークから生まれるクリエイティブの「ばかぢから」で、大阪の中小企業に光を当て輝かせることを目指している。
一方、オージーケー技研(以下、OGK)は、快適な自転車ライフを楽しみたい方すべてに、安心と感動を届けることをブランドコンセプトとしている企業。

協働のきっかけは、以前からプレスリリースのサポートで付き合いのあった神崎氏に対するOGKからのブランディングの相談だった。相談を受けた神崎氏は、発足したばかりのBCAのメンバーとOGKの取締役である木村氏とMD課係長の田島氏との顔合わせの機会を設け、互いの強みを紹介。BCAとOGKによるブランディング活動が始まった。まず、行ったのは、社内の若手・中堅社員約10名がブランディングについて意見を出し合うワークショップだ。参加者の所属部署は設計、製造、技術、営業などさまざま。当然、いろいろな角度からの意見が出た。ファシリテーターを務めた浅野氏は、「普段から勉強会を開いているだけあって、たった2日の開催でしたが、活発な意見交換がありました」と振り返る。そこで出た意見をまとめて、冊子の形にしたのが山下氏だ。読みやすいようにビジュアルも添えた。こうして社員の拠り所となるブランドコンセプトブックができあがった。そして、ブックは全体会議で全社員に配られ、木村氏による発表でも重要な役割を果たした。
「ブックを社員に配るという認識はなかったので、新鮮でしたね」と木村氏は語る。

その後、BtoCスペシャルサイト「自転車で楽しく過ごそう 安心・安全サイクルライフ」も制作した。サイトには、自転車のマナーやルール、親子で楽しい安全サイクル検定など、楽しく、ためになるコンテンツが用意されている。OGKは、ものづくり企業として成長してきたので、部品供給には自信があったが、BtoCのコミュニケーションは不慣れだった。だから、このサイトは大いに役立っているという。
「おかげさまで、取引先からは会社の雰囲気が変わったね、といわれています」と田島氏は話す。世の中には、自分がOGKの製品を使っているのに、そのことを知らない人がたくさんいる。そういう人に気づいてもらえるようなアプローチを、これからどんどん仕掛けていくという。大阪のものづくり企業と、その活動をアシストするクリエイティブユニットのコラボ。ますます目が離せなくなりそうだ。

コンセプトブック
社員の声を集約する形で完成したブランドコンセプトブック。OGKの提供する価値が、イラストも使ってわかりやすくまとめられている。

オージーケー技研株式会社

取締役・技術開発部部長
木村泰治氏

営業部MD課係長
田島剛毅氏

http://www.ogk.co.jp/

ブランドクリエイションアライアンス(BCA)

神崎英徳氏

浅野由裕氏

山下智恵氏

公開:2013年7月19日(金)
取材・文:中島公次氏(有限会社中島事務所

*掲載内容は、掲載時もしくは取材時の情報に基づいています。