宮沢賢治を題材とした子ども向け教材
賢治の感じた山の色、風の匂いを表現した教育教材


浪本浩一さん(左)、南幅直実さん(右)
南幅さん曰く「浪本さんは言葉を大切にする方。ムダが無いといいますが、うわべで話をしない印象」。
想いや言葉を受け入れる浪本さんの人柄がうかがえる。

岩手と大阪を想いでつなぐ

岩手県盛岡市。宮沢賢治を題材に、子どもたちに向けた教材を作ろうと活動していたAct-Labの南幅直実さんは困っていた。「賢治が魅せられた、早池峰山の蒼色。これをうまく表現できないか」。もともと交流のあったメビック扇町のコーディネーターに相談したのがランデザインの浪本浩一さんとの協働のきっかけだった。
「初めにお会いしたときに、南幅さんは、山だけでなく、賢治さんの感じた早池峰山の空気感に強いこだわりを持っていらっしゃるな、という印象を受けました。初めて訪れる大迫の町では、古民家で打ち合わせをしたり、古くからこの地に伝わる神楽を間近に見たり、賢治さんが信仰していた早池峰山に登ったりして、その空気をまっさらな心で素直に感じることができました」と浪本さんは振り返る。

賢治へ向けるまなざしに寄り添う

「多くの研究者は賢治さんの“文学”を研究していましたから、実際の山や現地の暮らしにはあまり目をつけていませんでした。“ここにこんなものはあるはずがないから、賢治の想像だ”という風に。でも、実際に山に入り、地元で3000回以上も早池峰に登っている方から話を聞くと、そういう場所や景色が実際にあったりする。浪本さんはそれをまっすぐに見つめて、自然に受け入れ、私が想像していた以上に見事に表現にしてくれました」と南幅さん。
南幅さんが表現に求めた早池峰山の“蒼”というのは、CMYKの割合やカラーチャートでの指示の話ではない。賢治の嗅いだ風のにおい、賢治の目に映った山の色、賢治の感じた空気を表現すること。現地へ赴いて直接話を聞き、想いを受け取った浪本さんは、南幅さんの賢治へ向けるまなざしに寄り添い、予想を超える表現を成し遂げた。この“想いのコラボレーション”、もしかしたら賢治が天からむすんでくれたのかもしれない。

作品

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公開日:2013年07月11日(木)
取材・文:コヤ 大竹 麗氏