プロジェッタツィオーネの控えめな創造力
クリエイティブクラスターフォーラム
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イタリアのデザイン思考の原点ともいえる「プロジェッタツィオーネ」について、その優れた実践者であったアキッレ・カスティリオーニの創造思考に造詣が深い批評家・アーティストの多木陽介氏をお招きしフォーラムを開催します。
「プロジェッタツィオーネ」とは、戦後イタリアで近代デザインの基礎を作ったブルーノ・ムナーリ、カスティリオーニ兄弟、エンツォ・マーリらが、まだ「デザイン」と言う英語が普及する前に使っていたイタリア語であり、そこには現代消費社会のデザインが忘れてしまった、幅広い教養と強い倫理観、そして高度な合理性と自然の精妙さをミックスしたような創造の方法論がありました。彼らの創造力は、一言で評するなら「控えめな創造力」と呼べるもので、素材にも人にも環境にも決して無理な負荷をかけず、「作る」というより「育てる」ような性格をもっていました。その「エコロジカル」とも言える特徴は、現代世界の直面するさまざまな問題を解決していくうえでも、改めて学び直すべきものだと言えます。
メビックでは、この創造的思考の本質を学んでもらうため、多木氏のコーディネートのもと、クリエイターを対象にした現地イタリアでの研修ツアーも実施してきました。今回は、主にムナーリ、カスティリオーニらのアプローチを検討しながら、現代を生きる我々にとって意味のある創造力のヒントについてお話しいただきます。
- 日時
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2023年6月15日(木)19:00〜21:00
開場・受付開始 18:45 - スケジュール
- 19:00〜20:30
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プロジェッタツィオーネの控えめな創造力
- 20:30〜21:00
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イタリア研修ツアー「イタリアンデザインの本質、プロジェッタツィオーネを学ぶ旅」の紹介
- 会場
メビック(大阪産業創造館 17F)
- 定員
50名
- 参加費
無料
※事前予約制です。事前申込みのない当日来場はご参加をお断りいたします。- 主催
クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック
多木陽介氏(たき ようすけ)
批評家 / アーティスト
1988年に渡伊、現在ローマ在住。演劇活動や写真を中心とした展覧会を各地で催す経験を経て、現在は多様な次元の環境(自然環境、社会環境、精神環境)においてエコロジーを進める人々を扱った研究(「優しき生の耕人たち」)を展開。芸術活動、文化的主題の展覧会のキュレーション及びデザイン、また講演、そして執筆と、多様な方法で、生命をすべての中心においた、人間の活動の哲学を探究。2015年からは、メビックとともに、プロジェッタツィオーネを現代イタリアの様々な分野において受け継ぎ学ぶ「移動教室(イタリア研修)」を企画、実施している。著書に『アキッレ・カスティリオーニ 自由の探求としてのデザイン』(AXIS)、『(不)可視の監獄 ーサミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社)、『控えめな創造力-人間がまだ忘れ切っていないある創造力についての覚え書き』(どく社より刊行予定)、翻訳書にマルコ・ベルポリーティ著『カルヴィーノの眼』(青土社)、プリーモ・レーヴィ著『プリーモ・レーヴィは語る』(青土社)、アンドレア・ボッコ+ジャンフランコ・カヴァリア著『石造りのように柔軟な』(鹿島出版会)、アンドレア・ボッコ著『バーナード・ルドフスキー 生活技術のデザイナー』(鹿島出版会)等がある。2014年度よりメビックエリアサポーターに就任。
