大企業のインハウスデザイナーから学ぶデザイン思考とその実践方法
デザイン思考養成講座
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最近「デザイン思考」という言葉がデザイン以外の分野で流行っています。デザイン思考とは、もともとクリエイターがデザインを行うプロセスで用いる特有の認知的行動を指す言葉ですが、大企業だけではなく中小企業経営にとっても重要との認識から注目を集めてきています。そのため、企業をクライアントとする独立クリエイターにとっても、デザイン思考のプロセスとその実践方法を確立しておくことは仕事柄不可欠になるものと考えられます。
ICT業界においても、戦後、成長から飛躍、そして停滞の時期を迎える中で、イノベーションが求められてきており、反省だけではなく、今まさにデザイン思考を駆使した「ど(めちゃ)」「DO(する)」による、より実践的な取り組みが必要となっています。
本セミナーでは、富士通やNECに在籍し、数々のヒット商品を生み出してきた2人のインハウスデザイナーに講師としてお越し頂き、企業経営や商品開発においてデザイン思考がどのように採り入れられ、どんな結果をもたらしてきたか、長年の現場での経験に基づきその実践的手法をお話しいただきます。
大企業のインハウスデザイナーと独立クリエイター、立場の違いはありますが、デザイン思考に関わる考え方や実践的手法は、独立クリエイターにとって学ぶべきことは多いはず。ご関心ある方は、この機会をお見逃しなく。
加藤公敬氏(かとう きみたか)
公益財団法人日本デザイン振興会 常務理事
1953年山口県生まれ。九州芸術工科大学(現 九州大学)卒業後、富士通株式会社に入社。富士通株式会社では、総合デザインセンター長として、情報機器やシステムの進展に伴いプロダクトデザイン、スペースデザイン、ユニバーサルデザイン、ウェブデザインなど様々な分野のデザインを担当。さらには、富士通デザイン株式会社 代表取締役社長、富士通株式会社 マーケティング改革プロジェクト室 シニアバイスプレジデント(デザイン戦略担当)などを歴任。デザイン社の経営及び本社マーケティング(ブランド、広報IR、宣伝)活動にも参画し、「デザイン思考」によるイノベーションの実現や加速などに取り組む。2017年6月、公益財団法人日本デザイン振興会常務理事に就任。現在に至る。
佐藤敏明氏(さとう としあき)
日本電気株式会社(NEC)イノベーションプロデューサー
1960年東京生まれ。東芝、ソニーでデザインを経て、2006年よりNEC勤務。デザインとプロモーションを一貫した「クリエイティブスタジオ」を設立し、モバイル事業強化を先導。現在はNEC中央研究所とコーポレートインキュベーション本部を兼務し、将来社会と技術のビジョンを描く「知」を繋ぐデザイナーとして、社内・社外の「考える・創る・伝える」3つの領域に取り組む。30代のものづくり、40代のしくみづくりに加え、50代以降はビジョン開発の相談を受けることが多く、共創や街づくりなどのハブとなる仕事が中心に。公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会理事、日本カーデザイン大賞選考委員。
- 対象
デザイン思考を学びたいクリエイター、経営者など
- 定員
各回30名
- 参加費
各回2,000円(税込)
- 開講日程・受講の仕組み
全5回のセミナーです。単発でも受講いただけますが、連続受講をお薦めいたします。
- 第1回 9月6日(木)19:00~21:00
「デザイン1.0」から「4.0」への軌跡(講師:加藤公敬氏) - 第2回 9月13日(木)19:00~21:00
「デザイン」で「イノベーション」を企てる(講師:加藤公敬氏) - 第3回 9月20日(木)19:00~21:00
DesignとDe+Sign、そしてデザイン思考(講師:佐藤敏明氏) - 第4回 9月27日(木)19:00~21:00
東芝・ソニー・NECで手掛けた商品デザインと企業文化(講師:佐藤敏明氏) - 第5回 10月4日(木)19:00~21:00
富士通とNECのデザイン思考プロセスから独立クリエイターが学ぶこと(講師:加藤公敬氏、佐藤敏明氏)
- 第1回 9月6日(木)19:00~21:00
第1回 「デザイン1.0」から「4.0」への軌跡
講師:加藤公敬氏
ものづくり現場が「工業生産」から「知識創造(サービスビジネス創出)」に軸足がシフトするとき、それに対応して「デザイン」の機能や役割も進化しています。デザインの進化の過程を大まかに4つのステップに定義し概説します。
- 日時
2018年9月6日(木)19:00〜21:00
開場・受付開始 17:30- 参加費
2,000円(税込)
- 会場
メビック扇町
第2回 「デザイン」で「イノベーション」を企てる
講師:加藤公敬氏
企業は自らの存続と進化のために「イノベーション」を起こすことが重要な経営課題になっており、その実現のための手法として「デザイン思考」が重要視され、合わせて、イノベーション実現を加速する「場(Ba)」での実践が効果的と言われています。講師の経験をもとに実践のための全体像を概説します。
- 日時
2018年9月13日(木)19:00〜21:00
受付開始 18:30- 参加費
2,000円(税込)
- 会場
メビック扇町
第3回 DesignとDe+Sign、そしてデザイン思考
講師:佐藤敏明氏
デメリットをはじめ、ディフェンス、デトックス、ディファインなど「De」を接頭辞に持つ言葉に重ねて「Design」を読み解くと「Sign」の強調、否定、下流へ、~からといった複眼視点が価値探究の多様性を生むヒントになります。その紹介と、d.school(※)のデザイン思考プログラムのダイジェストを紹介します。
※スタンフォード大学のデザインスクール
- 日時
2018年9月20日(木)19:00〜21:00
受付開始 18:30- 参加費
2,000円(税込)
- 会場
メビック扇町
第4回 東芝・ソニー・NECで手掛けた商品デザインと企業文化
講師:佐藤敏明氏
80年代の東芝、90年代と2000年代半ばまでのソニー、最近の10年を過ごしたNECを事例に、企業経営や商品開発においてデザインの意味が時代とともにどのように変遷してきたか、講師が担当してきた開発機種を例に紹介します。
- 日時
2018年9月27日(木)19:00〜21:00
受付開始 18:30- 参加費
2,000円(税込)
- 会場
メビック扇町
第5回 富士通とNECのデザイン思考プロセスから独立クリエイターが学ぶこと
講師:加藤公敬氏、佐藤敏明氏
ファシリテーター:杉山正和氏
2人の講師が歩んできたデザイン思考のプロセスは、大企業の商品開発現場でのデザイナーとしての役割という点では共通するものの、富士通、NECという社風や経営方針が異なる企業では自ずと異なっていたと言えます。2人の対談を通して、大企業のデザイン思考のプロセスについて参加者の皆さんと一緒に考えたいと思います。
最終回は、同時代に関西の家電メーカーのデザイナーとして活躍された、元シャープ株式会社の杉山正和さんをファシリテーターにお招きして、お二人の対談をコーディネートしていただきます。富士通、NEC(SONY、東芝)、シャープのデザイン戦略の違いをあぶり出していただこうと思います。
杉山正和氏(すぎやま まさかず)
大阪府産業デザインセンター デザインコーディネーター
1952年生まれ。金沢美術工芸大学卒業後シャープ株式会社総合デザイン本部にて商品企画・デザイン開発を担当。コンシューマーエレクトロニクス分野では白物家電を中心に担当し、オフィスオートメーション事業関連では情報機器・ドキュメントソリューション関連機器商品を担当。再生可能エネルギー事業において太陽光発電関連システム機器・用途開発業務を担当し、BtoB・BtoCビジネスを経験。在職中に、2度の海外駐在勤務機会を得、約7年間、北米ニュージャージー・ドイツハンブルグにて現地生活事情・商流関連・現地著名企業デザインマネジメント・ブランデイングデザイン・デザイン嗜好性等を調査。中国・ASEAN地域向け商品開発にも約10年関わる。現在、大阪府産業デザインセンターにてデザインコーディネーター業務を担当。
- 日時
2018年10月4日(木)19:00〜21:00
受付開始 18:30- 参加費
2,000円(税込)
- 会場
メビック扇町