レポート:2007年8月7日開催クリエイティブクラスターミーティング Vol.10
今回は「起業した理由」や「魅力的な会社に誘われたら転職するか」など、スピーカーのみなさんの「仕事に対する想いやヴィジョン」がキーワードとなる議題でした。独立・起業しているスピーカーが多く、経営者ならではの意見も多く聞かれ、内容の濃いミーティングとなりました。
2007年2007年8月7日(火)18:30〜21:30
ミーティング 18:30〜20:00
交流会 20:00〜21:30


今日は起業されている方と、企業に所属されている方の両方がいますが、起業されている方はなぜ起業したのかを聞かせてください。
やはり、自分でやりたい仕事がしたかったからです。独立する前は印刷会社や広告代理店にいて、ある程度やりがいを感じながら仕事をしていたのですが、同じようなルーティーンワークも多く「もっと興味のある仕事がしたい」と強く思うようになったんです。
父も自営業者だったので、小さい頃からサラリーマンとして働くことをイメージできませんでした。仕事は「自分で起こすもの」だと思っていたんです。
私自身、サラリーマン経験はありますが、携帯のメールでホームページを更新できる「はりがみ屋」のシステムを思いついたときに「これはいける!」と考えて、すぐに起業しました。
以前は大きな規模の会社にいたので、エンドユーザーとの距離があまりにも遠くて……。誰のためにデザインしているのか、だんだんわからなくなってきたんです。車専門のデザイナーで、そのジャンルしか知らなかった。視野をもっと広げたいという理由もあって、起業を決意しました。
私は小さな会社ばかりにいたので、常に経営者を間近に見ることができました。そこで「経営は楽しそうだから、自分も起業したい」と思うようになったんです。
会社を経営していくことは大変ですが、自分の考えたことをすぐに行動に移せるところがいいですね。
自分で経営すると「人まかせではない楽しさ」がありますよね。
雇われている立場の吉川さんと渡辺さんは、なぜ今の会社にいらっしゃるのでしょうか?
私はもともとフリーのイラストレーターだったんですが、限界を感じて挫折してしまって……。そこからサラリーマン生活をしています。フリーだと面倒くさかったことを代表がやってくれたりするので、そういう意味では気楽です。
今の会社はわりと自由に動けるので、居心地がとってもいいです。
幼い頃から本や印刷のインクの匂いが大好きで、今の会社のように本作りに関わる仕事がしたかったからです。今、起業することは考えていなくて、会社に守ってもらいながらしっかり勉強しようと思っています。
ところで、真柴さんはなぜ起業されたのですか?
働いていた会社で自分の未来が描けなかったんです。ずっと同じ会社にいて同じことをし続けるのが嫌で、独立を考えました。ちょうどその頃起業ブームだったので、環境的にも起業しやすかったです。



自分で「これは守りたい」と思っていたのに、途中でいらなくなった信念があれば教えてください。
イラストを描くのをやめたことです。ずっと「絵を描いて飯を食っていくぞ!」という想いはあったのですが、今ではほとんど描かなくなりました。
今のところ、捨てたものはありません。「お客様に満足してもらえるものを作っていく」という信念だけはずっと持ち続けたいと思っています。
車のデザインだけをやっていたときは固定観念が強くて、自分の考えと違うものを認められませんでした。でも、あるときから自分が認められないものをなくそうと努力して、デザインのジャンルの壁を意識しないようになりました。そこから業務の幅や自分の視野も広がって成長できたので、よかったと思っています。
ご自分の殻を破ることができたんですね。
中村さんはいかがでしょう?
そろそろ徹夜と残業をやめたいと思っています。この業界は徹夜と残業があたりまえになっていますが、最近「身体がもたない」と感じてきたんです。決して「手を抜く」のではなく「計画的にちゃんと帰る」。ダラダラ長時間仕事しても、時給に換算するとバカバカしくなりますよ。
独立した当初はグラフィックデザインをメインでやっていくつもりでした。でも、今はWEBの仕事もたくさん請けています。独立してから色々な人と知り合って、仕事の幅がすごく広がったのでよかったと思います。
真柴さんが捨ててしまった信念は何ですか?
「信念という次元ではないのですが、呼ばれたらその日に行って、納期の1日前に完成させる」ことをモットーにやっていましたが、その信念は途中で捨ててしまいました。早く上げると、次から次へと訂正がやってくるのでキリがないことに気付いたんです。



昔からの友だちと、仕事を通じて知り合った友だちがいると思うんですが、友だちと仕事相手の境目はどう設定していらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。どの時点で仕事になったり、友だちになったりするんでしょう?
私は友だちから仕事になることはありますが、逆だと線を引いてしまいます。
友だちから仕事になる場合もなぁなぁになってしまうことが多いので、相手から依頼がこない限り、できるだけ友だちだけの関係でいるようにしています。
特に境目というのは設定していません。友だちから仕事になるとどちらも甘えてしまう危険性がありますが、お互いが「楽しく仕事しよう」という気持ちを持ち続けていれば、きちんとできると思います。
波多野さんは、きっと付き合い方が上手なんでしょうね。
私の場合、完全にプライベートな友人はあまりいません。ほとんど仕事関係で、お金のやりとりをしている関係です。
でも、一緒に厳しいプロジェクトを乗り越えたりすると、「戦友」と呼べるほど付き合いが深くなります。
私は古い友人との仕事はできるだけ請けないようにしています。お金が絡んでくるのは嫌だし、大事な友だちの顔をつぶすことがあれば大変だし……。相当の覚悟が必要ですよね。
逆に、仕事で知り合って仲良くなることはあります。ただ、システム分野以外は仕事を外注することがないので、同業者で付き合いの深い人は少ないです。



みなさん、今までたくさんの人と知り合ってきたと思いますが、そのなかで「この人、すごい」と思った人はいますか?
安藤さん、いかがでしょう?
須磨水族館のイラスト等を手がけている、イラストレーターのザ・ロケットゴールドスターさんです。イベントでTシャツを出展したとき、隣のブースでイラストを描いていらっしゃいました。短時間でものすごく完成度の高いイラストが仕上がっていくのを見て「これはすごい!」と思いました。
自分の知らない知識を持っていたり、できないことができる人は、どんなジャンルでも「すごいなぁ」と思います。
以前勤めていた会社に、レンダリングで白い車を描ける外国人がいました。白い車を描くのは表現がとても難しいんですが、その人の描く車はフォルムもすごくきれいで……。あそこまで表現できる人はすごいと思います。それ以来、絵を見ただけで「これはあの人の作品だ」とわかるんです。
大きな会社でそれなりの地位にいる人は、やっぱり「すごいなぁ」と思うことが多いです。話していても常に3歩先のことを考えていて、ものすごく視野が広い。3歩先を見ながらも今やっていることをお金にできる、そんなバランスの取れた人が多いです。種をまきながら、同時に収穫も出来ているんですよ。



最後の質問です。事業や条件など、色んな面で魅力的な会社から誘われたら、みなさんはどうされますか?
断ります。今の会社を起業したのは、自分がやりたいことを大きくしたかったからなので……。でも“取締役”という立場なら今の会社と兼任するかもしれません。
独立してから経営にやりがいを感じているので、よほどのことがない限り断ります。でももしアップルコンピューターでiPodのデザインができるのなら、ぜひ行ってみたいですが(笑)。
自分で提案して仕事ができる環境なのであれば、考えてもいいと思います。
転職して、もっと魅力的な会社がでてきたらまた転職するのか、という話になりますからね……。そういうことを考えるより、今の会社でもっと成長して、自分のしたいことを実現させる方が大切だと思います。
私の名刺の肩書きには全て“WEB”と付いていて、WEB業界に凝り固まっている感じがしています。だから、そういうことを取っ払ってしまえるのなら考える……かもしれませんね。
みなさん、現状にあまり不満をお持ちじゃないようですね。好きなことを仕事にできることは少ないと思うので、ある意味恵まれた環境なのかもしれませんね。
取材:野上 智美氏 真柴 マキ氏:組立通信・天満スイッち編集室(浪花町)
文責 事務局




2002年、携帯のメールで簡単にHP更新が出来るシステム「はりがみ屋」の事業を中心とし、(株)オールワンズマイトを設立。「新しいビジネスモデルをつくる」ことをモットーに、システム企画・制作、メルマガ制作・配信代行等を行う。
常識は疑え 直感を大切に 自分の考えを持とう 自分の言葉で説明しよう 難しい事は単純に考えよう


ダイハツ工業(株)のカーデザイナーを経て、2005年8月に(株)ブリューナクを設立。デザイン&ライティングの制作業務や、Web・モバイルの企画・開発・制作などを行う。
デザイン、ライティング、パブリシティの3分野の融合から、楽しく独創的なものづくりを行っています。


グラフィック&WEB企画・制作のほか、インターネットを利用したピアノレッスンシステム、カラーコンサルティングなど、デザインと色彩と音楽に特化した事業を展開する。自身も色彩コンサルタントとして、セミナーの講師を務める。
顧客満足第一主義!「綺麗・格好イイだけでなく、結果を出せるWEB制作」を心掛けています。


雑誌、書籍、絵本の企画・編集、パンフ、WEBなどの広告制作を行う。社名の「ビルダーブーフ」はドイツ語で「絵本」をあらわし、大人も子供も両方がワクワクと楽しめるような“情報文化”を発信したいという思いが込められている。
個々の情報を「編む」ことによって、世の中に価値あるモノを発信します。


「目標を達成できるWEBづくり」をコンセプトとした、アプリケーションシステム開発及び制作。デザインから本番化後の保守・サポートまで一貫して行う。
「お客様のお客様を意識したモノ作り」を常に心がけて日々精進しています。


人物取材やコラム執筆、編集ディレクションやブックデザインなどの「読み物」の制作が得意分野。また、天満天神エリアのガイド本『天満のスイッち』の出版や、ポータルサイト「天満スイッちドットコム」の企画・運営も行う。
言葉のデザインが好きです。「一度取材されたい」というクライアントさんの言葉は、私にとって最高のほめ言葉です。
販促物や情報誌を中心とした、人に伝わるグラフィックデザイン、WEBデザイン制作を行う。また、2007年春から「MUSIC ZOO」というオリジナルTシャツ等の企画、制作、販売も開始。
シャープ! ポップ! キュート! ワクワク! やさしい! そして人に伝わる! デザインを創りたいので、日々遊んでいます。
http://www.an-graphics.com/
音楽を視覚化して、リズム感のあるデザインを
グラフィックデザイン, WEBデザイン, ロゴマーク, 情報誌, CDジャケット
「アン・グラフィックス」