
クリエイターによるクリエイターのためのトークバトル、復活!
今年の1月以来、約半年ぶりとなる「クリエイティブクラスターミーティング Vol.8」。今回から「この街のクリエイター」が司会を務めることとなりました。
質問内容は、予めスピーカーにアンケートした「みんなに聞いてみたいこと」をランダムで選び、意見を交わす形式。「お金」に関することなど答えにくい質問もありましたが、最後はオーディエンス*1も意見交換に加わり、今まで以上の盛り上がりが見られました。
2007年6月6日(水)18:30〜21:30
ミーティング 18:30〜20:00
交流会 20:00〜21:30


いきなり答えにくいお金の話になってしまいましたが……
みなさんはどうされていますか?
生意気に思われるかもしれませんが、20年もやっているので問題ありません。
さすが、ベトナムにもオフィスをお持ちの平櫛さんですね!
杉山さんはどうですか?
うちは会社をおこして2年くらいですが、そこまで困ったことはまだありません。
でも、苦しいときは冬眠のようにやせ我慢しています。無茶さえしなければ、生活が出来なくなるほどのことはないので……
私はお金のことを気にしないで遊んでしまうタイプなので、常に困っています。
お金が入ってきたら、すぐ遊んでいつのまにか消えています(笑)このクセをどうにかしないとダメなんですが……
「困ってるけど何もしていない」という感じです。
私は資金繰りをするのがとっても好きです。ものすごく苦しいときが、逆に快感だったりするんですよ。悪くなってからだと借り入れできないし、手を打つのは良いときに。
お金の借り方や銀行との付き合い方を考えるのは大好きです。みなさん困っていたら私に聞いてください。

お金の話が続きますね。
この質問をしたのは私です……。私自身は、赤字覚悟で請けることがあります。
クライアントさんといい関係を築きたいときは、思わず「請けます」と言ってしまいますよね。
「お金の面で仕事が割に合うか合わないか」というよりは、お金以外の対価に期待して仕事を請けます。実績があるクライアントだったり、そのクライアントのもっと先の見込み客にアプローチすることを見越して考えます。
うちの場合「予算はあんまりないんだけど、頼む!」と言われると弱いです。頼まれたら断れないですよ。
大きな会社だと、担当者はOKなのに他にしがらみがいっぱいで「お金は出せないけれどとりあえず考えて」と言われることがあります。悩みますが、請けてしまいますね。
関西、特に大阪のシビアな文化だと思うんですが、とりあえず「モノ」がないとお金を出してくれませんよね。
ビジネスにおいて赤字になることは、私は考えられません。なんといっても商売なのですから。

「生まれ変わっても」とは、すごい質問ですね。
生まれ変わったら違うこともやってみたいですよね。
私はやりたくありません。
また同じことはしたくないです。他にもたくさんやりたいことがあるので。というより、生きている間に5つくらい違う仕事をやってみたいです。
もし今の記憶を持って生まれ変われるなら、失敗の経験を活かしてやり直したいとは思います。
さぞかし多くの失敗をされたんでしょうね(笑)。
確かに「生まれ変わって」というのはイメージが湧きにくいのかもしれません。まだまだしたいことがいっぱいあるので、生まれ変わった後のビジョンは想像しにくいですね。
私は今がとても楽しいです。会社を立ち上げたばかりで、まだ壁にブチ当たってないからなのかもしれませんが……
さっきもお話に出ましたが、私もまだやりたいことがたくさんあるので、自分の責任で今からどこまでやれるか、自分に賭けてみたいと思っています。
私は生まれ変わったら考古学者になりたいです。掘ったら掘っただけ色んなものが出てきて、達成感がありそうです(笑)。
ここにいるみなさんも、自分を表現したり何かを作ったりする目標があって、その表現方法がたまたまクリエイターだったのかもしれませんね。生きているうちにやりたいことがたくさんある方がほとんどじゃないでしょうか。

クリエイター以外の人には「クリエイターは特殊だ」と言われることが多いですよね。夜遅くまで仕事をしているだけで「何でそこまでやるの?」と聞かれたり。
クリエイターは自分のためのものじゃないのに一生懸命仕事するところが特殊なのではないでしょうか。ビジネスマンでもお金や商売が好きで「どこまで仕事するの?」って人もいらっしゃいますけれどね。
クリエイターは縁の下の力持ち的な受注系の仕事だから、そう思われるのかも。
みなさんは、自分が「クリエイターだ」という意識はありますか?
私の場合はこのメビックの「クリエイティブクラスター」に関わるようになって、意識するようになりました。
そもそもどんな人が「クリエイター」なんでしょう。
私も「クリエイター」って何なのかイマイチわからなくて、この質問をしたんです。人より変わっていたら「クリエイター」なんでしょうか?
「クリエイターは変わり者が多い」とはよく言われますね。「自分は変わり者だ」と認識している人は普通の人だと思うので、自分で認識していないのが本当の「変わり者」だと思います。
私は「特殊なお仕事」だとは思いますが、「特殊な生き物」ではないと思います。
でも業界の中では「特別な存在」になりたいと思います。


さっきのと似た質問ですね。せっかくだからオーディエンスのみなさんに聞いてみましょうか。
この中で「クリエイター=カッコいい」というイメージを持っている方は手を挙げてください。
人によると思います。
築地の市場にも、オシャレでカッコいい人はいます。マグロをおいしそうに切るんです。お刺身をつくるのも「クリエイター」なんじゃないでしょうか。
私はクリエイターではありません。だから、どんな分野でも自分の想いをちゃんと言葉や絵などのカタチに出来るところがすごいと思います。
オーディエンスのみなさんの答えを聞いていると、気持ちよくなってきてしまいました(笑)
私自身もクリエイターではないので、自分にないものを持っているところがカッコいいと感じます。投げかけた問題に対して、普通では考え付かない発想で答えるところが、すごいと思うんです。
そう言ってくれるのを待ってました! まさしく模範解答ですね。
でもクリエイティブな仕事って、親や親族にどんな仕事か説明しにくいですよね。
みなさんは、どんな風に説明していますか?
そもそも「WEB」という言葉自体がわからない人もいますよね。そういう人には「ホームページ制作」と言っています。本当は言いたくないんですが……。
そう言うことで「モノを作る人なんだ」ということはわかってもらえます。
カッコいい人やデザインする人がクリエイターなんじゃなくて、きっと、「こだわる人」がクリエイターなんだと思います。

いい質問ですね。これはみなさん自信を持って答えられるんじゃないでしょうか。
「だいたいこの線かな」と、初めからわかっているものを提案するのでなく、どうしていいか誰もわからないときに「これだ!」というモノをゼロから作れるときが嬉しいです。
請負の仕事は、クライアントさんの喜ぶ顔を見られるのが醍醐味ですよね。
そうですね。クライアントさんに喜んでもらえると「自分のやったことは間違いじゃなかったんだ」と実感できますね。
あと私の場合は、いくら話しても伝わらなかったことを、絵や文字で見せた瞬間に理解してくれたときがとても嬉しいです。
そうですね、パースを見せて「めちゃくちゃカッコいい」と言われたときは「この仕事やっててよかった」と思います。
現場の人ならではですね。
私は経営者なので、多めに上乗せした見積りがすんなり通ったときが嬉しいです(笑)
私は、広告を作ってそのレスポンスが良かった場合など、納品したモノに対する結果が出たときに一番喜びを感じます。答えが出るまで半年や1年かかってしまうので、スパンは長いですが……。
確かに結果が見えたら嬉しいですよね。
私自身は作っている途中でそのモノ自体の最終形が見えると、テンションがかなり上がります。
クライアントの制約を受けないブレスト*2も楽しいですよね。
久保さんのところは、本のライティングや編集をされてましたよね。本が出たときも嬉しいんじゃないですか?
そうですね。3ヶ月で400社も取材しなければならないタイトなスケジュールを社内で分担したときは、みんなが1日何件という目標を設定してそれを達成して……。でも毎日とっても嬉しそうでした。
私は建築の分野にいるので、自分が設計して作った空間の中に入れるのが大好きです。今の仕事をしているからこそ味わえる快感なのだと思います。


つい最近、3日前くらいに最大のピンチがありました。社内サーバも兼ねている私のPCが、突然壊れてしまったのです。
わぁ、それは大変ですね。直ったんですか?
大事な仕事のデータが入ってたので、パニックになりました。ネットで調べたデータ復旧屋さんに電話したら修理に40万近く掛かると言われて、メビックの入所企業さんに相談したら、1時間くらいであっさり直してくれたんです。修理代も、なんとマザーボード代の1万6千円だけでした。
メビックはプロの集団だから、誰かに声を掛けたらすぐに対応してくれる。あらためて「すごいなぁ」と感じました。
うちもそこにはお世話になってますよ。
最近はPCがないとできない仕事ばかりなので、データが消えてしまったら大変なことになります。常にバックアップをとるように、気をつけています。
他に、みなさんが「今だから言える」大ピンチのエピソードはありますか?
私は会社を作ったこと自体がかなりのピンチだと思っています。
以前はずっと東京で働いていましたが、家の事情で大阪に帰ってくることになり、仕事を続けるには会社を興すしかない状況になってしまいました。大阪に帰ったばかりで資金もコネもなく、半年間は仕事もできずにブラブラするしかなかったんです。
今振り返れば、それが最大のピンチでした。
起業したての苦労は、誰しも尽きないものですね。

仕事柄、みなさんプレゼンする機会が多いでしょう。それぞれ、どんな工夫をされていますか?
クライアントがしたいことを、正確に伝える。ただそれだけだと思います。普通の感覚が一番大切です。
お客さんにもわかる言葉を使うことが大事だと思います。企画書にしても、難解な用語を並べて立てるのではなく、誰が読んでも理解できる言葉じゃないと。
クライアントは素人さんだから、自分たちの仕事を素人にも解るように噛み砕いて説明しないとダメですよね。中学生が聞いても理解できるような簡単な言葉でプレゼンをするべきだと思います。
確かに、相手に伝わらなきゃプレゼンの意味がありませんね。
私はいい意味で「期待を裏切るプレゼン」を心がけています。要は、伝え方を工夫するんです。資料をあえて配らなかったり、結論から先に話してしまったりと、変わった提案のやり方をいつも考えています。
私の場合は、決裁者に必ず席に着いてもらうことを心がけています。キーマンを見つけるんです。でないと、せっかくのプレゼンが意味を成さないですから。
自分を認めてもらうには、それなりの工夫が必要不可欠ですよね。

仕事をしていて「すごい! 自分は天才だ!」と思ったことはありますか?もしあれば、そのエピソードを聞かせてください。
今日朝10時からミーティングがあったんですが、寝坊しそうになりまして……
自宅からメチャクチャ急いで、ギリギリ間に合って入れたときは「俺って天才だ」と思いました(笑)。
「自分は天才だ!」と思い込んで、モチベーションを上げることはよくあります。
あとは、自分の設計した建物が完成したとき、うちの社員で「カッコいいなぁ。自分たちは天才だなぁ」と言い合います。私たちは設計だけして、モノは現場の人が作るわけです。出来上がったものを見たときの感動はひとしおなんです。
「天才だ」と思っていないと自信を持ってプレゼンできないですよね。自分の作ったものが大好きで、すごいと思っていないと、お客さんにも伝わらないですから。

私はライターです。仕事においてブレストやコンセプトワークはとても重要だと思うのですが、一つの仕事を始めるとき、最初の社内の打合せにどのくらい時間をかけますか?
案件ごとで全然違うので、特に決まってないです。
仕事の話をしているかと思えば、1時間後には全然違う話で盛り上がりそのまま飲みに行く場合もあるので、バラバラですよね。
事務所で話し合うとみんな固くなるので、飲みに行って話すことが多いです。楽しくお酒を飲むうちに、突然ものすごくいいアイデアが湧いてきたりすることも多いですし。
この道に入って間もない新人のクリエイターさんは、コンセプトをどのくらいの時間で固めたらいいのか迷っているんでしょう。私もそんな時期があったので、気持ちはよくわかります。
時間的なことを言うと、午前中はミーティングなどの頭を使う決め事をして、午後は考えずに出来る実制作をしています。集中力の持続時間も限度があるので、会議は3時間までにしています。
うちの場合は打合せを必要最小限にしています。制作の時間をなるべくとるようにしたいんです。最初はあまり深く考えずにとりあえず作って、目で見て取捨選択していく。そしてまた作る、という繰り返しです。
取材:野上 智美氏 真柴 マキ氏:組立通信・天満スイッち編集室(浪花町)
文責 事務局



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広告・広報・出版などの企画・制作・編集、グラフィックデザイン全般を行う。宝塚歌劇のポスターやオペラ公演のプログラムなど、劇場のポスターやパンフレットの制作が得意分野。
不器用ながら四半世紀近く、魅せられたグラフィックデザインを追い掛けてやってます。


各種イベント・広告プロモーションの企画制作を中心に行う。今年で設立20年目をむかえ、大阪のほか東京とベトナムにもオフィスを構えている。
企画や制作の過程においても、常にニュートラルな立場で本質を見据え、考え、行動する事が大切。

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オフィスや店舗の内装を中心に、建築設計・空間デザインなどを行う。自身は本の執筆や、大阪工業大学の講師としても活躍中。
Life-Sizeの空間デザイン=「想像以上、期待通り」

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編集プロダクション→電機メーカーのプロデューサー→建設会社の広報を経て、(株)コミュニケーターを設立。クライアントとの密なコミュニケーションにより、「思いをカタチにする」宣伝・販促・広報プロデュースを行う。
5W1Hを熟考すれば、必要なアプリケーションメニューや表現は自ずと見えてくる。


WEBシステム設計・開発からデザインまで、WEBをキッカケとしたクロスメディアの企画・制作を行う。社名の「kinetoscope(キネトスコープ)」は、エジソンが発明した世界初の映写機のことで、みんなに感動と衝撃を与えたいという想いから名づけられた。
クリエイティブなコトって、国境越えますよね?今年はグローバルなお仕事で邁進♪
公開:2007年06月18日
取材:組立通信LLC. 野上 智美氏 真柴 マキ氏
雑誌、書籍、絵本の企画・編集、パンフ、WEBなどの広告制作を行う。社名の「ビルダーブーフ」はドイツ語で「絵本」をあらわし、大人も子供も両方がワクワクと楽しめるような“情報文化”を発信したいという思いが込められている。童謡のCD付き絵本「ほら、うたがきこえるよ」が好評。
自分の「コトバ」を持ちたい。そして、伝えたいことがカラダの中から湧いてくる。そんな毎日を送りたい。
http://www.buch.co.jp/
(株)ビルダーブーフ