レポート:2007年2月20日開催この街のクリエイター博覧会クリエイターと呼ばれる人たちが、この街にこんなにいたの! っという新鮮な驚きが、会場を包み込んだ2月20日。扇町界隈に活動拠点を置く、約300人のクリエイターたちが一堂に介した「この街のクリエイター大博覧会」は、文字通り、会場を訪れた人たち、そして会場を創りあげた人たちの心に熱い風を吹き込んだ。そう、それはたしかに祭だった。
ふだんはパーテーションで5つに仕切られたMebic扇町の2階フロアに、この日はロビーも廊下も解放して、祭の場のような外へ広がる空間が出現した。
博覧会の目玉となったのは——「クリエイター」の仕事・生き方・考え方展——という博覧会のコンセプトを具現化した「このクリoffice」と「このクリMeeting」の2会場。観て楽しい、聴いておもしろい、そんな時間が途切れることなく流れた。
当日の余韻をいまも引きずりながら、「このクリ博覧会」へ行けなかったクリエイターたちのために、行ったけど仕事場へ呼び戻されたクリエイターたちのために、お酒を浴びて記憶がぶっ飛んだクリエイターたちのために、そして、まだいる生息未確認のクリエイターたちのために、クリエイティブだった“あの日”を再現してみよう。
前日の会場は、閑散としていた。クリエイターの姿は見えず、「このクリoffice」のブース内はすべて空っぽ。
ところが、博覧会が始まる時間になってみれば、11社が参加したそれぞれのブースは、いつのまにか百花繚乱の様。個展を集めた展覧会のような華々しさと、商談会のような逞しさがベストミックスした「このクリoffice」が出現していた。うーむ、恐るべし、クリエイターの底力!

オンリーワンの空間を創りあげた出展者に、その心意気を聞いてみた。(社名50音順)
出展者のみなさんには、「このクリBar!」でおいしいお酒を、参加者に気前よく振舞っていただき、ありがとうございました。改めてお礼申し上げます。
2006年7月から2007年1月まで行われた「Creative Cluster Meeting」。その総集編を一挙上映的なノリで、この日にロビーで開催した。これまでとは違い、広場のような空間で発言者も聴衆も輪になって参加するスタイルが功を奏してか、会場は終始ざっくばらんな雰囲気に包まれ、ルーレット方式でランダムに選ばれた質問に答えるクリエイターたちも、肩の力を抜いてちょっとリラックス。飛び入り参加もあったりして、いっそう盛り上がる一幕もあった。
さて、この街のクリエイターたちの本音がどこまで聴けたか、質問と発言内容を一部抜粋してお届けしたい。当日を聴き逃した人にとって、こんなお得な再現コーナーはないはず。私ならこう答えたのに、なんてもう遅いけど。
司会:北 直旺哉氏(クリエイティブオフィスコーン)
中村 拓哉氏(グラフィックパワー)
松井 孝至氏(ダイアローグ)
坊 雅和氏(トライキッズ)
里居 正裕氏(デベッソ)
大橋 隆氏(ビービーデザインスタジオ)
司会:廣瀬 圭治氏(キネトスコープ社)
長尾 朋成氏(ゼック・エンタープライズ)
荒川 昌巳氏(テクノウィーブ)
南野 光一氏(トライキッズ)
鈴木 創氏(アイビーエッジ)
上瀬 正洋氏(アドフェッション)
司会:芦谷 正人氏(ドライブ)
福川 粛氏(プレス・サリサリコーポレーション)
横井 孝治氏(コミュニケーター)
浅野 由裕氏(ファイコム)
福永 幸治氏(スタジオエポック)
司会:真柴 マキ氏(組立通信)
庄野 裕晃氏(ヴィジョントラック)
佐野 千敏氏(サノデザイン)
大石 裕一氏(フィードテイラー)
入瀬 泰浩氏(クロスメディア・コミュニケーションズ)
川合 和史氏(デジタルハリウッド大学院)
司会のみなさんをはじめ、本音トークをありがとうございました。


こんなにいたの! この街のクリエイター。そう思わせて圧巻だったのが、「このクリ大図鑑」である。この街に生息するクリエイターたちの顔が、コラボレーション室の四方の壁を埋め尽くし、ささやいているような、叫んでいるような、笑っているような、活き活きとしたクリエイターたちの顔が次々と迫ってくる。
A3サイズの用紙に自分のバストアップの写真と自己アピール文を記したものが定番だが、やっぱりそこは遊び心で勝負したい! そんなクリエイターたちの自己主張が、大図鑑の紙面となった壁をユニークに演出していた。


宴こそ、祭のフィナーレにふさわしい。体に残った熱を燃やし尽くす心地よさは、この日、この場所で、同じ時間を共有できた者だけの特権である。「このクリoffice」の出展者たちが自腹を切って持ち寄ったビールにワインにスコッチ、日本酒と焼酎は、どれもこれも「このクリBar」特撰の味。その旨さは、この街のクリエイターだけが知っている。これもまた、この街で生きる者だけの特権かもしれない。そんなことを考えながら、たくさんのクリエイターたちと肩ふれあう夜が続いた。
「この街のクリエイター博覧会」は、この街で初めての試みだった。それだけに、至らなかった点も多々あっただろう。参加者からは、さまざまな意見や提案が寄せられている。新たな課題は、創造者の勲章である。大切なことは、創造のプロセスに、私たちクリエイターが立っているという事実だ。