クリエイティブ・クラスター・ミーティング Vol.35
2010年03月02日開催

クリエイティブクラスターミーティングとは

ミーティング風景

大阪で活動するクリエイター同士が知り合い、情報交換することを目的として開催される「クリエイティブクラスター・ミーティング」。今回はメビック扇町において、映像系のクリエイター11名が集まって行われました。全員が映像系という同一ジャンルのクリエイターが集まって行われるミーティングは珍しいかもしれません。

テレビ業界の不況、YouTubeの台頭、3D技術の進化など、めまぐるしく変化する映像業界のクリエイターたちだけに、興味深いお話が聞けそうです。

開催日時

2010年03月02日(火)18:30〜21:00

コーディネーター
  • 浅野 由裕氏「(株)ファイコム」代表取締役

    浅野氏

    龍谷大学文学部を卒業後、広告代理店の営業の時にMacと出会う。創成期のパソコンに様々な業務が移行する中、新しいコミュニケーション手段のwebに興味を持ち、グラフィックソフト会社の子会社タワーズを1998年12月に買収、ファイコムに社名変更、代表取締役に就任。現在に至る。主に携わった仕事は「b-platz press」「関西どっとコム」「江崎グリコポッキー友の会」など。

スピーカー
  • 今井 伊織氏「ちょもらんま企画」代表

    今井氏

    ビジュアルアーツ専門学校卒業後、自主映画制作活動を行う。主な作品:「安もんのバッタ」「ボンレスハム」など。企業PVや官公庁PVの制作なども行い、現在はケーブルTVの番組制作のディレクターをしている。

  • 入潮 泰浩氏「(有)クロスメディア・コミュニケーションズ」代表取締役

    入潮氏

    同志社大学工学部卒業後、㈱映像館入社。数多くのVP制作に携わり、取締役大阪事業部長を経て1996年に退社。1997年、各種メディアの交配を目指して、クロスメディア・コミュニケーションズを設立。映像ソフトの企画制作からテレビ番組、テレビ・ラジオCM企画制作、デジタルコンテンツ企画制作などを手がけている。2009年インディーズレーベル「クロスメディアレコード」を立ち上げた。

  • 岡 智文

    岡氏

    滋賀県出身。映像制作会社で編集部CG担当として勤務ののち、フリーランスとしての活動を開始する。企業VP、TV番組、セルDVD、WEB、デジタルサイネージ、TVCMなどの、3DCGアニメーション、モーショングラフィックの制作・編集。映像の可能性を信じて、新たなフィールドを模索中。

  • 岡本 英嗣氏「(株)インサイドムービーズ」代表取締役

    岡本氏

    制作会社にて数々の番組を担当。その後撮影部に異動し、7年間撮影助手を経験し、その後カメラマンとして報道、CM、VP、Music Clip、ドラマ、ドキュメンタリーなどジャンルにこだわらず活動。同社退社後2005年株式会社インサイドムービーズを設立。現在に至る。日本映画撮影監督協会(J.S.C)所属

  • 岡山 雅信氏「ジェット」代表

    岡山氏

    映像監督。日本映画監督協会員。1995年、映像制作会社に入社。2006年に独立。独立後、映像制作「ジェット」設立。現在、フリー演出家としてCM・アミューズメント映像・TVなどを数多く演出。「金じゃない」・「理屈じゃない」・「エエじゃない」をモットーに監督業に邁進。

  • 神谷 英孝氏「(株)キー・クルー」代表取締役

    神谷氏

    大阪市立工芸高等学校 写真科を卒業後、(株)エキスプレスに入社。15年間、テレビ業界でカメラマン・スイッチャーなどの技術職を担当。スポーツ中継やLIVE撮影を得意とし、数々の有名アーティストのコンサートや、オリンピックで現地から全世界に配信される国際信号制作に携わる。2008年1月に独立。映像制作・音楽事業などを、それぞれの分野のスペシャリストが手がける総合プロダクションとして運営。

  • 中井 秀人氏「(株)ノバック」代表取締役

    中井氏

    企業プロモーションビデオ・TVCM・TV番組などの制作を、企画から撮影・編集まで行う。撮影スタッフとしてフリーの時期もあったが、トータルで作品に関わりたいと考え、現在の会社の母体である株式会社エイアンドエイに24年前に入社、3年前に分社独立。現在に至る。

  • 西村 有理氏「スタジオ・セサミ」代表

    西村氏

    『手ざわりの良さ』と『3世代で楽しめる』が持ち味のコマ撮り人形アニメを制作している。最近は、ファミリー向けイベントでの映像利用など、ライブな展開をすすめている。アニメ以外では、商業施設のオブジェや『そっくり人形』・人形劇まで、大小問わず人形関連を扱っている。

  • 藤木 秀紹氏「(株)ザム」代表

    藤木氏

    広告代理店で営業として10年間勤務後、「自分で受注したものを自分の手で納得いくまで作りたい」との想いから、独立。営業マン時代の経歴を活かし、WEB、ペーパー、映像、イベントなど、メディアの垣根を越えて、顧客のニーズに合わせた提案を行っている。現在はWEBを使った学校教育や留学支援のビジネス構築に重点を置いて活動。

  • 本多 眞吾氏「INDIGO」代表

    本多氏

    大阪デザイナー専門学校卒業後、グラフィックデザイン会社を経て映像制作プロダクションに入社。画と音のシンクロする瞬間を追い求めて4年間映像制作に没頭する。その後オーストラリアでフリーランスとして活動し、番組タイトル制作等の仕事に携わる。2005年に帰国し、「INDIGO」を設立。CGをメインに映像、webの業界でデジタルメディアディレクターとして幅広く活動している。

  • 柳田 純一氏「YANAGITA JUNICHI

    柳田氏

    ビジュアルアーツ専門学校放送映画学科卒業後。(株)毎日放送、報道撮影部にて従事し、その後フリーランスに。撮影を主体としていたが、現在は演出・編集・映像制作全般を手がける。「Primal Ocean「接吻」」がIFヤング・パースペクティヴ2005で招待上映。撮影監督では片山右京プロデュースPV「UGO」。ストロベリーソングオーケストラPV「真夏の手鞠唄」が、いかすバンド天国ONWEB2008ベストPV賞を受賞。その他に「The Original Tempo」にパフォーマンスカメラマンとして参加。

第1のトークテーマ
自社のウリを一言で語ると?

ミーティング風景

浅野

今回進行役を務めさせていただく浅野です。私は、広告の仕事をしていて、皆さんのような映像を作るプロではありません。でも、映像を中心としてWebをはじめとした様々な媒体を融合させ、クロスメディア展開したいと考えています。今日はいくつかのテーマについて、皆さんとお話しできれば嬉しいです。
では、早速最初のテーマを。皆さん、映像系というジャンルのクリエイターに当てはまると思うのですが、自社を一言で説明する場合、どんな会社だと説明されますか? 挨拶の時にズバッと一言で語れる言葉はお持ちですか?
神谷さんはオリンピックって、ある意味、頂上の映像を撮っておられますよね?

神谷

一言となると、やはり「映像制作の会社です」と。オリンピックや具体的な番組名を言うと「あぁ、観たことあります」となって、話が広がりますね。オリンピックの仕事は、スポーツ中継を国内でやっていてその人間関係からです。もちろんスポーツ以外の撮影もしていますよ。オリンピックの映像は、偏った撮影はNGなんですよ。誰かだけを多くアップにするとか、日本選手ばかりを追いかけるのはNGなんです。あくまで公平に。だから撮影としては難しくないんですが、その辺りの勘所が普通のスポーツ中継と違います。

西村

私の場合は、一言で言えば人形アニメーションとなりますが、アニメーションじゃなくても人形制作だけ、さらには店舗のアイキャッチ用のオブジェ制作などもやります。結局「何でも作ります」となっちゃうんですよね。ですから、最近は「ファミリー向けのかわいい感じの人形が得意です」なんていう話をするように意識しているせいか、かわいい系の人形制作の仕事が増えていますね。
また、デザインがあるものを人形にする人はたくさんいて、完全な価格競争です。でも、クライアントが何もイメージを持っていない段階からの仕事ができる人は少ないんですね。そういう仕事が最近は増えていますね。

本多

僕も「映像制作をやっています」と言いますが、CGの実績が多いので、どうしてもCGの仕事が多く舞い込んできます。でも、僕は“CG”を作りたいのではなく、様々な“映像の仕事”に関わりたいんです。そのギャップから抜け出せなくて苦労しています。名刺の肩書きにもCGデザイナーではなくて、デジタルメディアディレクターという肩書きにしているんですが、そうなるとクライアント側が何を発注していいのか分からないみたいで……。この状況を今後どう打開するか悩んでいます。

入潮

私は肩書きはプロデューサーと書いてますが、初対面の時は「映像屋で制作やってます」と言ってます。弊社は皆さんがよく見るCMよりも、目に触れる機会が少ないVPが多いのでなかなか説明しづらいですね。昔は「コンセプトのあるもん作りまっせ」的な事を言っていましたが、それも時代が合わなくなってきた(笑)。結構悩ましい部分ではありますね。

浅野

企業でもブランディングが注目されていますが、それはロゴマークだけじゃなくて、記憶に残させる合言葉とかそういうものだと思うんですね。そういう意味で『何をやっているか』を印象的な一言で語れるのは重要じゃないかと思います。

岡本

「何でもやります」という言葉は、よく言っちゃいます。ただ「CMでも画や色味が少し変わったモノを作るのを得意にしてます」と特徴を付け加えるようにしています。じゃあ、逆にノーマルはどうなのかと突っ込まれるとねぇ(笑)

本多

先日、岡本さんにお仕事をお願いしてCMを撮影してもらったんですが、すごくこだわった画を撮ってくれて、現場の雰囲気も良い感じで、クライアントさんがすごく喜んでくれたんです。撮影現場って体育会系のイメージがあったんですが、岡本さんがカメラアシスタントさんにも優しくて……。

神谷

昔は、カメラアシスタントが蹴られたりしてましたけど、最近はいないですね、そういうカメラマンは(笑)。

柳田

僕もカメラアシスタントやって時はしょっちゅう蹴られてました(笑)報道にいたせいかもしれないですが……。

僕もカメラアシスタントの時代は、そういうのがあってすごく嫌でした。「いつか復讐したる」と思ってました(笑)。結局CGなどをやるようになって、現場からは遠ざかりましたが……。実力とは関係ない、先輩後輩の関係を重視する会社が嫌でフリーランスを選んだというのはありますね。

藤木

うちの会社は非常にわかりにくいので、営業シーンに合わせて実績を用意します。学校に営業する時は、学校の実績を踏まえて、メーカーならメーカーの実績を頭に置いて話を進めるようにしています。最近はWebと映像を融合するというテーマで営業していますね。

第2のトークテーマ
プロとアマの違いとは?

ミーティング風景

藤木

最近、クライアントの言葉で驚いたのは、「プロの映像はいらない、学校の素顔を見せたい」という要望がありました。確かに、最近の学生も結構クオリティが高い映像を撮影してきます。実際に、学校の説明会で流すと好評だったりするそうです。プロとアマの境界が曖昧になっていくと思うんですが、どう差別化していこうとお考えですか?

岡山

プロとアマの境目は、やはりお金をもらっているかどうかですよね。僕は演出をやってますが、演出だって国家資格があるわけでもないし、「僕は映像作家です」と手を挙げれば誰でもなれてしまいます。要は、ラーメンが好きでラーメン屋を始めても、お金を払って食べてくれる人がいるかどうか、と同じではないでしょうか?

西村

100%の力が出せない時でも、常に70%以上は出せるという保証じゃないでしょうか。人間ですから、出来の良し悪しの波は必ずあります。でも、その波を最小限に抑える力を備えているのがプロ。誰が見ても、常に70%以上の作品を提供する安全保障の費用だと思います。

入潮

「プロは70点の作品を常に……」とうのはよく分かります。でも、映像については、最低限のレベルを維持するという見方がだんだん無くなっている気がします。特にインターネット上では、ニコニコ動画などに素人が動画を投稿していますよね。素人の動画を数多く目にする機会によって目が肥えるのではなく、それでいいやと思ってしまっているんじゃないかな、と。“ちょっとだけ上手、でもプロには及ばない”映像が氾濫しているせいかもしれませんね。

中井

観る側の基準が下がったというのはあると思います。プロのクオリティが求められなくなっています。
「ここまで欲しいでしょ」と言うと、そこまでは要らないという。そこまで要らないから費用面を下げて欲しいと言われることはあります(笑)。

岡本

学生を指導する機会があったのですが、クオリティは高かった。ドラマ性もありましたし。プロとアマの境をよく考えるんですが、僕はカメラマンなので、1カットごとに意味を持たせるのがプロだと思います。格好良く寄りたいけど、しがらみも含めてあえて引きで撮影する。でも、その引き映像にはちゃんと意味がある。格好良く撮影するだけがプロじゃないと思います。

西村

先日、新聞社のOBの方が映像をやりたいということでお手伝いしたのですが、カメラワークは、手ぶれや被写体が画面からはずれたり、ナレーションも素人。でも、新聞社の方だけに視点や内容、筋、ナレーション原稿がしっかりしていて好評なんです。映像は評価に影響しないのかと思いました。

岡山

昔から映画の世界でも『一スジ、二ヌケ、三演技』という言葉があります。スジ(物語)が良くなかったら、ヌキ(カメラワーク)や役者がどんなに良くても面白くならない。例えば『はじめてのおつかい』は、カメラブレブレで素人の子どもですが、ストーリーが面白いから観てしまうんですよ。

浅野

三位一体というのはあるでしょうね。どれか欠けると良いモノはできないということでしょうね。

岡山

今日はCGの方が来ているのであまり大きな声では言えないですが、好きとか嫌いはないんですが、CGがらみの撮影はつまらない(笑)。何もないところに向かって演技してもらうのは、演出する側もつまらないです。先日あるCM撮影で、台風接近の中で女の子を走らせました。でも、完成したのは超快晴の中を走る映像(笑)。僕としては助かりましたが、やはり味気ないですね。

本多

結局、“困ったときのCG頼み”的な使われ方が多いですよね。いろいろな動きや何度でもリテイクできるというのもありますし。そこそこでOKなら、CGで結構な部分をカバーできるかもしれません。

今井

そこにない架空の島を入れたりするのは、まぁしょうがないかなと思いますが、役者の表情をリアルに撮りたいなら、背景も含めてリアルな状況の中で演技してもらうのがベストかな、と思います。

西村

これは私見ですが、アニメーションの世界では、実写の世界で活動していた人は少ないかもしれません。私は人形アニメーションなので、アニメと実写の狭間の世界です。CGの使い方で比べると、実写の人にとってCGは実写を補完するものですが、アニメの人から見たら、CGは現実世界なんです。CGの中で完結している世界なので、実写とは関わりがない世界だと考えていると思います。あと、CGは技術の見せ所やから、プロとアマの違いを出しやすいですよね。

入潮

今のCGは、爆破シーンとか現実にできることをCGでやったりするから感情移入しにくいのかな、と。そう考えたらCGも使い方なんじゃないかな。

第3のトークテーマ
映像を見せる場について。

ミーティング風景

浅野

従来の映像を流すシチュエーションは、テレビがメインだったと思います。今後は、デジタルサイネージやiPadなど、新しい表現の場が増えてくるでしょう。映像クリエイターとして、次こういう所に出したら映像の価値が高まるんじゃないか、あるいはクロスメディアがもっとクロスする未来についてお考えがあれば教えてください。

本多

ブロードバンド普及初期に、Webで映像を使うと言われながら、まだあまり使われてないような気がします。あと、Webの動画は見てて眠くなるほど尺が長い。さっきの話じゃないですが、アマの動画っぽいのが多いかな。あと、YouTubeはパソコンでは見ないですが、iPhoneではよく見ますね。iPadなどの新しいデバイスが増えたらどうなるんでしょう。

浅野

私はWebで動画の活用を考えていますが、まだ成熟していないように感じます。ディレクションする人が、どう使っていくか、良い提案ができていないのかもしれません。

岡本

僕は、3Dもそうなんですけど、新しい分野に行く前に、テレビ業界が危機だと思います。今のテレビ番組は本当に人の記憶に残る面白い番組がないですよね。CGだWebだと、手を広げすぎたせいで底辺が薄くなり、この業界自体が危ないんじゃないかと危惧しています。3Dもまだ早い気がしますね。でも、仕事が来たらやりますよ(笑)。

中井

私はCMが多いんですが価格破壊が激しい。弊社のウリはキツイ条件、コストにも対応することです。昔から地方テレビ局の仕事をやっていましたが、昔は大阪から見たら非常に安かった。でも、今は大阪と地方局の価格が近づいてきました。Webは昔から考えていたんですが、ビデオで作った映像をそのまま再利用するのがほとんど。コストの問題もありますが、Web用に作ったり再編集したいのですが、簡単には受け入れてもらえないですね。

柳田

映像の技術的な選択肢は増えてきていますが、やはり中身が伴っていない。メディアの増加スピードに対して、作る側が各メディアについて考える余裕がない。また、新しい技術やデバイスじゃなくて、中身が残るソフトがないとダメなんだと思います。

第4のトークテーマ
映像の見積について。

ミーティング風景

浅野

映像の価格というか、映像はどういう単位設定で算出するのか、どう見せれば価値が高まるのかのヒントを見つけられたらとお思います。皆さん的には分かりやすい価格の示し方などありますか?

本多

基本的にはファイナルカットの1分がいくら、追加30秒でいくらという設定にしています。あと、編集費のほかにディレクション費なんかも含めて、きちんと単価表を作成しました。見積は毎回案件ごとに考えていたのですが、お客さんの要望があって作ったんですよ。話が進めやすいというか、説明しやすいので作って良かったと思っています。

中井

メインがCMですが、スポンサーや代理店に合わせますね。付き合いの長い会社だと、ずっと価格を変えずにやっているケースもあります。ビデオの場合は、企画、撮影、編集の積算見積になりますね。撮影は実際に撮影時間が見えますが、企画と編集はやはり見えにくいために理解してもらいにくいですね。

神谷

だいたい業界の相場でやらせてもらってます。テレビ業界も値段は下がってきていますね。映像系の人って、やはり作品と思ってやっていらっしゃる人が多いんですよね。「金額的にはここまでやけど、ここまではやりたい」という思いです。もちろんはみ出ても追加料利金は取れません。でも、それが紹介や口コミには繋がります。

単価の下落というよりも作業が単純化されています。医療関係の映像などで皮膚の加工は絶対必要だから従来通り作業しても、背景はディレクター自身が作業してしまったりして、受注金額の総額として下がる傾向はありますね。

入潮

内製化が進んでいます。弊社も以前は外部スタジオに外注していた部分を内製しています。内製できるから単価が下がったのか、単価が下がったから内製せざるを得ないのかは定かではありませんが……。内製化が自分たちの首を絞めているかもしれません。バブルの時はお金を削るよりもいいモノを作ろうという風潮がありましたが、今はコストが最優先ですね。クライアントの担当者も、いいモノを作るよりも、安くできた方が評価される。

今井

企業PVについては、やはりクライアントと話し合って金額を決めることが多いです。費用的に外注しづらい金額になると、僕がディレクター兼カメラマン……という風になりがちですね。でも、やはり僕はディレクター。プロカメラマンよりも技術は劣ります。やはりプロのカメラマンにお願いしたいんですが、クライアントがこのクオリティでいいと言うんですよね……。

本多

クライアントから予算はこれだけ、という話の時は、「その予算ならこういう事ができますよ」と提案していきたいと思っています。「お金ないからこの金額でなんとかやって」と言われたらやってしまう、大阪的な体質が良くないのかもしれません。

西村

オブジェ制作は仕事の量も単価も減少傾向です。自分自身が価格破壊に加担しながら仕事を取りにいってしまいますね。

第5のトークテーマ
これからの夢。

ミーティング風景

浅野

世の中に自分の会社の存在を知らしめないと受注できません。『会社を一言で言うと』とか、『どんな価格で攻めるか』という話は、自社ブランディングには必要な考えだと思います。そして『こういう仕事をやりたい』と夢を語り続けることで、クオリティや作品がひとり歩きして仕事に繋がる……良い循環が出てくるのではないかなと思います。最後に夢をおうかがいしましょうか。

藤木

10年後には映画監督をしています。今とは全く違うステージまで行きたいです。

映画が好きでこの仕事を始めたので、どんな関わり方でもいいから、映画の最後にクレジットが出るようになっていたいですね。

柳田

理想かもしれないですが、自分が好きなスタッフと良い映像を時間を掛けて作って、それが認められたら最高です。作り手側もクライアントも喜ぶ映像を作りたいですね。

本多

サッカーが好きで、サッカーに関わる仕事がしたかったんです。つい先日、そんな仕事ができて、夢がひとつ叶いました。これからはCGや映像にこだわらず、人や企業に貢献できるようなことに取り組んでみたいです。

西村

ようやく修行期間が終わったかなと思っています。やっと自分が思う人形アニメーションを作れるようになってきた状況なので、まだ先を考える余裕がないのが現状です。このままドンドン作っていきたいのですが、どこで発表するかに興味があります。子どもたちに観てもらえる場所に、自分の映像を流してもらえるようにしたい。YouTubeや携帯で簡単に見られる時代ですから、これからは最新のデバイスで、古い技術の人形アニメーションを結びつけていきたい。将来は立体の人形アニメーションを撮りたいですね。

中井

映像だけにこだわらず、異なる分野の人と仕事をして、映像のクオリティを上げていきたいですね。個人的にはフィルムのCMの撮影現場の緊張感が忘れられないので、またフィルムでCMを撮ってみたいですね。

神谷

会社をやっている身なので、大儲けはできなくても毎月の資金繰りに頭を悩ませないようにしたいです(笑)。カメラマンとしては、イイ映像が取れたことをネタに旨いビールを飲みたいですね。

岡山

基本的に演出することが好きなので、舞台演出をしたいです。ひとつのジャンルを極めるのも素晴らしいんですが、この業界で成功する人は好奇心を持って何事にも取り組んでいるんですね。例えば、お笑い芸人が役者やったり。いずれはそんな感じで活動したいんですが、今は演出にこだわって仕事をしていきたいですね。

岡本

本物の映画を撮りたいです。あと会社を経営しているので、「また活気のある時代になってきたね」という言葉が出るような環境にしたい。“忙しすぎて何やってるか分からんけど面白い”という時代をスタッフに味わせたいですね。

入潮

スタッフが楽しく様々な仕事に取り組める会社にしたいです。あとは大阪が元気になる力になりたいという大きな夢を持っています。

今井

僕も映画が好きなんです。映画が作れればいいなと思います。やりたい企画があるんですね。まだ実現できていないので、実現したいです。

浅野

今回の出会いを通じて、お互いが助け合えるような関係になる機会になればいいなぁ、と思います。皆さん、お疲れさまでした。どうもありがとうございました。

まとめ

映像系のクリエイターばかりが集まって開かれた今回のミーティングでしたが、ひとつのテーマについて深く、そして様々な部分に話が派生し、いつもとは少し違う雰囲気になったようです。ただ、皆さん大いに刺激を受けられたようで、ミーティング終了後の交流会でも笑いあり、真顔ありの楽しい時間が過ぎていきました。

公開:2010年03月19日
取材:Short Cappuccino 中 直照氏

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