イベントレポート

クリエイティブ・クラスター・ミーティング Vol.29

クリエイティブクラスターミーティングとは

大阪の各地で活動するクリエイター同士が知り合い、情報やノウハウを交換することを目的として開催されている「クリエイティブ・クラスター・ミーティング」。現在は「この街のクリエイター博覧会4」が開催中ということもあり、各クリエイターの事務所をお借りして毎週座談会を行っています。制作やディレクション、プロデュースにまつわる現場での悩みや思いを本音で語り合い、お互いのスキルアップに繋げていただきたいと考えます。

ミーティング風景

今回、ミーティングの会場となったのは、店舗デザイン、内装コーディネートなどの事業を展開する「(有)アートニクス」さん。1階はカフェバール、2階はギャラリーになっていて、つい居座ってしまいそうな、ゆるやかな時間が流れています。今回のメンバーは、グラフィックデザイナー、フォトグラファー、コピーライターなど9名のスピーカーと、オブザーバー2名。司会からの質問に対して自由に発言していただきました。

開催日時

2009年10月21日(水)18:30〜21:00

スピーカー
  • 池尻 元輝氏「(株)MOSH

    池尻氏

    前に勤めていた会社の上司である徳田敦彦氏とともに、'08年に企画制作会社・株式会社MOSHを創業。メッセージ性の強いコンセプトづくりをモットーに、企画からデザイン、制作までを幅広く手がけている。住友電工企業広告及びクボタ企業広告において、日経広告賞・部門賞を受賞。

  • 池田 敦氏「G_graphics

    池田氏

    フリーペーパー「hanauta(はなうた)」の制作・発行を軸に、各企業のデザインワークや音楽アーティストのプロデュースなどを行うアートディレクター。企業・個人を問わず、人との絆を大切にし、「人を惹きつけ、結びつけるデザイン」を提案している。

  • 梅田 唯史氏「beyer」「CUB GRAPHIC DESIGN」

    梅田氏

    創造社デザイン専門学校イラストレーション科卒業。広告制作会社でデザイン・制作のノウハウを身に付け、'01年に「CUB GRAPHIC DESIGN」を立ち上げる。ウェブデザインやDTP、CI設計、装丁などを中心に手がける傍ら、'08年には事務所を兼ねたブックストア「beyer」を開店。海外にも足を運び、多彩な書籍を収集・販売している。

  • 大塚 憲一氏「オオツカデザイン」

    大塚氏

    学校・会社案内といった編集ものから、新聞・雑誌広告、ロゴ・パッケージ制作まで、様々なSPツールを手がけるグラフィックデザイナー。クライアントの方々とのコミュニケーションを何よりも大切にしている。

  • 奥山 天堂氏「(有)アートニクス」代表

    奥山氏

    '96年に「コンテンツレーベルカフェ」をオープンし、様々なクリエイターとのコラボレーションによる作品展やライブなどを精力的に行う。'04年には有限会社アートニクスを設立。かねてから手がけていた店舗デザイン・プロデュース、イベント企画運営などの事業を本格的に始動させる。現在は、大阪立売堀「欧風食堂 ミリバール」「ミリバールギャラリー」のオーナーも務め、コーディネーターとして全国を飛び回っている。

  • 阪本 敦氏「ポリフォニック

    阪本氏

    独学でグラフィックデザインと写真を学び、フリーのフォトグラファーとして独立。その後、カフェの店長及び美容室のグラフィック制作を任されることに。'01年よりデザイン事務所を設立し、Webや印刷物の制作、写真撮影などを行う“ヴィジュアライザー”として幅広いフィールドで活動している。

  • 鈴木 信輔氏「真之助事務所

    鈴木氏

    大阪芸術大学芸術学部デザイン学科を卒業後、杉崎真之助氏が率いるデザインスタジオ「真之助事務所」に入社。'98年から現在まで数多くの展覧会に出展し、HUBLOT IMAGE POSTER展や東京タイポディレクターズクラブなどで入賞を果たしている。

  • 浪本 浩一氏「(株)ランデザイン」代表

    浪本氏

    大阪のデザイン会社で3年間働き、東京の広告制作会社へ。アートディレクター・デザイナーとして、大手企業の広告、広報ツール、Webサイトなどの制作を担当した。'05年に大阪に戻り、株式会社ランデザインを設立。デザイン制作のほか、もの作り企業との商品開発にも積極的に取り組んでいる。

  • わかはら 真理子氏「(株)アールコンシャス」

    わかはら氏

    株式会社リクルートで広告の企画制作に携わった後、株式会社コピー制作室にて田中睦子氏に師事。主に女性をターゲットとした販促ツール、通販カタログなどを手がける。‘02年にコピーライターとして独立、'08年には株式会社アールコンシャスを設立。現在は、大手新聞社の広告特集やタブロイド紙の企画制作を始め、企業パンフレットや商品カタログ、学校、医療関係の制作物など幅広く活動している。私生活では、4歳の双子の母。

第1のトークテーマ
「自分流の営業術」

ミーティング風景

不景気が叫ばれる今日、スピーカーの皆さんは新規のお客さんをどうやって見つけ、そしてどうやって繋ぎとめているのでしょうか。

ミーティング風景

池尻

独立した当初は直接のお客さんを見つけるのが難しく、代理店に売り込みをしていました。それでもあまり振るわず、前職の先輩や後輩、周りの友だちに新規顧客を紹介してもらうことが多かったです。繋ぎとめるのは、コミュニケーション。頻繁にお客さんと顔を合わせて話をして、その人の職歴や仕事に対するスタンスをできるだけ知るように心がけています。飲みニケーションの力も大きいですね。

阪本

営業はまったくしたことがありません。ですから、うちも新規のお客さんは100%が知人からの紹介なんです。以前カフェで店長をしていたので、その時のお客さんや近所のお店の方たちから仕事の依頼をいただくケースが多いですね。

梅田

僕も池尻さん、阪本さんと同じように、人から紹介してもらうことがほとんど。ブックストアを始めてからは、そこの常連さんがメーカーで働いていて「新商品のパッケージをお願いできないか」などと依頼が来ることも増えました。ストアのお客さんが、デザイン事業のお客さんになる。店舗をかまえると、そういう面白い繋がりも生まれるんだなぁと思いました。

池田

それで言うと、うちも少し変わっているかもしれません。1年前にフリーペーパーの制作をスタートさせ、全国約110店舗に手配りして回りました。その際に店舗やギャラリーの人と会話しコミュニケーションをとることで、ネットワークが広がり、その繋がりから仕事がどんどん入ってくるようになったんです。逆にそこからの仕事が増えすぎて、独立しないと回せなくなったくらい。自分達が楽しもうと思って始めたことが、人との繋がりを作り、新たな仕事を呼び込んだことに驚きました。

鈴木

うちは、新規顧客をとるより長く継続している仕事の方が圧倒的に多いです。ひとつの仕事を精一杯やることで、そこから更に大きな仕事へと派生していく可能性もありますから。僕は普段制作に専念していますが、営業にも興味があるのでみなさんがどうやって営業されているのか気になりますね。

浪本

うちは、もともとこちらから仕事を発注していた印刷会社などから、逆に案件をもらうケースが増えています。こちらから発注し、相手からも発注してもらうという、持ちつ持たれつの関係がいいですよね。お客さまという感覚ではなく、一緒に作っているという感じがします。

わかはら

私は大手新聞社の仕事がほとんどなので、私が担当した記事を見て別の担当者さんが声をかけてくださったり、別の媒体を任せてもらえたりということが多かったですね。でも、もっと近い距離で一緒に仕事ができる直クライアントがほしい。そう思ったので、多数の企業とのネットワークがあるメビックに入所することを決めたんです。

大塚

僕は人前に出るのが苦手で、喋りや人と会話するのも苦手。本当はこの瞬間も影に隠れたいくらいです(笑)。なので、積極的に新規顧客を探すことはできていません。でも、わかはらさんがおっしゃったように、今抱えている仕事を一つずつ丁寧にやることで、その仕事を見てくれた人から声をかけていただけることもあるので、いつ何時たりとも手を抜かないようにしています。メビックに入所してから自己発信の大切さを学んだので、これからはもっと自己発信をしていきたいです。

奥山

なるほど。みなさんの意見を聞いて、僕も同じところがあったので安心しました。実は、梅田さんが「beyer」を造る際に内装のコーディネートを担当させてもらったんですが、そのきっかけがうちの「コンテンツ・レーベル・カフェ」を梅田さんが気に入って足を運んでくれたことでした。一つのことを維持していくのは容易ではないし、範囲を狭めているようにも思えます。でも、一つ極めることでそれが大きな営業ツールに成り得るんですよね。さらに言えば、店舗は受け身の営業ツール。店舗を知っていただき、自分の目指す方向性や好きな環境をわかっていただいている状態で仕事を依頼されると、すごく安心感があります。

多くのクリエイターが身を乗り出して聞きたい“新規顧客の掴まえ方”。意外にも、営業をしていないと応えたスピーカーが多かったのが印象的でした。血眼になって新しいお客さんを見つけるよりも、既存のお客さんをいかに満足させ続けられるか、ということに力を注いでいるようです。ということで、第2のトークテーマはこちら。

第2のトークテーマ
「既存のお客さんを繋ぎとめる方法」

巷にはクリエイターが溢れていて、別の会社に仕事をとられてしまった、という話は珍しくありません。そこで、スピーカーの皆さんはどんな方法で顧客を繋ぎとめているのでしょうか。

ミーティング風景

鈴木

某社の社内報を手がけてかれこれ7年くらいになりますが、毎号プレゼンのつもりでデザインを提案しています。競合がいなくても競合がいるくらいの危機感を持ち、お客さんの要求以上のものが上げられるようにする。いくら継続している仕事でも自分が納得するまでやり尽くすことで、「よそには回せないな」と思わせたいんです。

わかはら

そうですね。私も一つひとつの仕事を全力でやり、手を抜いたものは絶対に出しません。あと、信頼関係のためにも締め切りは守るようにしていますね。

奥山

ちょっとみなさんに聞きたいんですが、クライアントの人とコミュニケーションをとるために、一緒に飲みに行ったり、接待をしたりということはされていますか?

池尻

僕は、一つの仕事が終わったり、スパンの長い仕事で行き詰ったりすると、飲み会を開きますよ。ただ、お客さんを繋ぎとめるために飲み会をするのではなく、あくまで今後も互いに気持ちよく仕事ができるように、コミュニケーションの一環として行っているだけ。だから、飲み会では仕事の話をせず、くだらないことを一晩中語り合っていますね。

わかはら

そういえば、リクルートにいた頃はよくブレーンの方に飲みに連れってもらっていました。若かったので意味もわからずついて行っていましたが、今振り返ると接待だったのかなと思いますね。

浪本

僕は夜の付き合いが苦手なので、どうにかしてかわしてます(笑)。でも大手企業と付き合っていくのであれば、営業のための接待は必要だと思いますね。

大塚

僕もお酒が弱いので、積極的に自分からクライアントを誘って飲みに行くということはありません。その代わりに日頃から気をつけているのが、打ち合わせや納品の際に何か一つでも世間話をして帰ってくること。たくさんいるデザイナーの中から僕を選んでくれたのは、仕事のレベルはもちろんですが、人間性も気に入ってくれたのだと思うから。

みなさん、技術うんぬんよりも、互いの人間性を深く知り合うことで仕事に対する意欲やモチベーションを上げているようですね。ところで、特に仲のいいクライアントが相手だと、ついつい値段を下げてしまうことはありませんか?そこが、次のトークテーマです。

第3のトークテーマ
「制作物の値段は、どうやって決めているか」

ミーティング風景

相手やケースによって値段を変えることはある? 値切られた場合はどうする? みなさんに、制作物の値段を決める判断基準をずばり教えていただきましょう。

梅田

うーん。それはいつも悩むところですね。僕は個人で制作をしているので、一般的な制作会社よりも安く提案していると思います。たまにそういった会社のデザインの価格表を見るとビックリしますよ(笑)。企業から依頼があって値切られた場合は、どれくらいの手間やコストがかかるからこの値段になる、と理由をはっきりと提示します。個人や店舗の方から依頼された場合は、少し安くしてしまいますね。「一緒に頑張っていきましょう!」という応援の気持ちが強いので。

阪本

最初に予算を聞いておけばラクですよね。たとえばWebデザインであれば、「そこまでするんだったら、もう少し予算が必要」、「それだけあれば、こんな技術も加えられる」など、提案がしやすい。カメラマンであれば違う人にして予算を減らすなど、予算に合わせて選択肢を変えていきます。走り出してからの値切りは、絶対に受け入れません。

奥山

グラフィックデザインも内装デザインも、減額する方が手間や時間がかかるんですよね。値段は下がってもやることが減るわけではないし、クライアントから求められるクオリティも同じ。ですから、予算のある仕事の方がモチベーションが上がるのは致し方ないことですよね。複雑なんですけど。
それと、僕の場合は個人か企業かで値段がはっきりと違います。個人の仕事は、お金よりも今後の付き合いや関係を作っていくことを優先させます。1回数万円の仕事かもしれないけど、お金でないものが得られるかもしれませんからね。企業の場合は、実績を作り、社員に給料を払うためにもある程度のお金をいただきます。 ただ、自分の努力ではどうしても成し遂げられない部分もありますよね。例えば、期限が迫っていてブレーンの作業スピードも上げなくては間に合わない時。そんな時は、いくら値段が上がっても無理なものは無理だと言います。

池尻

僕も、値切られることでカメラマンなどのブレーンさんが痛い思いをするのであれば、断りますね。自分が痛い思いをしても、外部にはさせられません。
クリエイティブに値段はありませんよね。本来、作ったものに対して値段を決めるのは、受け取り側。安い、高いの基準も人によって違うので、一概にこのデザインはいくら、と決めづらい部分があります。ただ、その仕事に多少なりとも労力がかかるので、その労力を推測して予算より高いか安いかを見定めています。また、予算を聞いて、それに合わせて1つの案しか作っていかないのはもったいない。予算で作れるもの、もう少し予算があれば作れるもの、さらにもう少し上のもの。その2、3案を提案し、どれだけ予算を引きだせるかが腕の見せ所ですよね。

池田

僕も今、一番悩んでいるんですよ。というのも、やはり他社と競合にかけられて値段の差で仕事をとられることもあるんです。それでも、ただ値段を下げてデザインを安売りすることはしたくはないんですよね。その値段をいただくだけのことをやっている自信があるから。

浪本

コンペの際に「企画がすぐれてたけど、他社と値段が違う」と言われると、仕方なく下げてしまうことがあります。金額だけで仕事を持っていかれないように企画をとことん練るんですが、最終的には価格交渉が発生してしまうんですよね(苦笑)。長くやっているプロダクションや広告代理店は長年のネタのストックがあって、それに少し手を加えて差し替えれば企画になる場合もあると思います。それに対して、その会社でないと成り立たない企画を提案するのが自分の役目だと思っています。

クリエイティブ業界の低価格化は、必ずしも良い方向とは言えない。そんな葛藤と悩みが、みなさんの言葉から読み取れました。では、そういった葛藤を乗り越えて自身のクリエイティブ力を表現するために、どんな努力をされているのでしょう。

トークテーマ4
「自分自身の磨き方」

感覚やセンス、スキル。または肉体や精神を鍛えるために、心がけていることはありますか?

ミーティング風景

鈴木

いつどこにいても、自分はデザイナーだという意識を持っています。技術的なスキルは仕事の経験を重ねることで磨かれていくけど、アイデアは常に広範囲にアンテナを張っていないと浮かびません。尊敬しているアーティストや先輩に話を聞いたり、美術館に足を運んだりして、視点や表現方法を養っています。特に現代美術は、新しい視点が発見できておもしろいですよ。

池尻

そうそう、アイデアは鍛えないと出てこないですよね。毎日意識して、世の中で流行っているもの、面白いもの、変わった切り口に目を向けることが、いわゆるクリエイティブ力の磨き方なのかなぁと思います。アイデアが浮かべば、制作物の6、7割は終わったも同然ですから。

わかはら

私は、許容範囲を広げることかな。そのために、色んな人の話を素直に聞き、色んな価値観を自分の中に取り入れるようにしています。特にコピーライターは、どんな価値観も偏りなく吸収すべき職業だと私は思うので。国境も人種も宗教も、すべて受け入れていたいんです。
表面的な技術を磨くことも大切だけど、それよりも大切なのが、どれだけクライアントのことを知って、どれだけクライアントのことを好きになれるかですよね。そこから会社の魅力を引き出してコンセプトを立てて、一番いい方法で表現できたらベスト。よく、本を読んで文章の勉強をするのかと聞かれるんですが、そういうのって私はあまりピンと来ないんです。今回上手くできたから次も上手くできる、というものじゃないから。それよりも、毎回クライアントのことをしっかりと考えることが、力を磨くことに繋がるんじゃないかと思うんですよね。

奥山

デザインも、技術的に長けているものがデザインとしても素晴らしい、とは一概に言えないですよね。僕も昔は、自分の磨き方をすごく意識していたけど、吸収しようと思えば思うほど身になっていなかった。肩書きやブランド、先入観に惑わされて、本質が見えていなかったのかもしれません。30代半ばになった今、よく山に登っているんですが、自然に触れたり身体が疲れたりすることで、余分なものが抜けていくというか、本質がわかってくる。すると視野が広がって、無名のデザインに興味が沸いたり、自然にあるものに目がいくようになりました。昔と比べると、周りの意見に左右されない見方ができるようになりましたね。

梅田

僕はイラストレーション科を卒業してトントン拍子でデザイナーになったので、グラフィックデザインについての基礎知識がなく、それがとてもコンプレックスでした。そこを埋めるため、自分が素敵だと思ったデザインをとにかく真似てみたり、なぞってみたりして、デザインを研究していましたね。ここ最近は、当たり前の動作や周りに転がっているモノ、流行などを、自分なりに分析するのが楽しい。そうすると、物事を見る目が変わります。

日頃から色んなものに目を向けて吸収するという意見に、多くのスピーカーが頭をそろえて頷いていました。デザインや写真、文章など表現方法が違うだけで、モノを作り出す力の磨き方は通じているようです。

トークテーマ5
「将来の方向性」

ミーティング風景

最後のテーマは、クリエイターとしての今後のプラン。スピーカーのみなさんが抱いている、将来に対しての不安もぶっちゃけていただきましょう。

奥山

このテーマは、僕がみなさんに聞いてみたくて出題しました。細かく目標を設定するタイプの人もいますが、僕はあまりそういうタイプじゃないんです。仕事を続けているうちに、自分の表現は一体どこへ向いていくんだろう、と悩むことがあるので、皆さんの展望を聞かせてください。

鈴木

現在、経営のことを気にせずデザインに没頭できる環境なので、できるだけこの恵まれた環境で仕事を続けていきたいと思っています。将来的に今のスタイルでデザインの仕事をしていて満足できなくなったら、新しい表現方法を探すかもしれません。

阪本

あまり何も考えていないんですよね(笑)。楽しいか、楽しくないか、それだけ。経済状況がキツくても、少ない中でいかに楽しく生きられるかを考えるので、あまり悩むことはありません。

大塚

将来に対して不安はありますが、明日のことを考えていてもキリがない。だから、目の前の仕事をクライアントと一緒に楽しく進められる雰囲気づくりをしたいですね。「オオツカデザインに仕事を頼むと、楽しくやれるよね」と言われる会社にしていきたい。

浪本

僕は、プレゼンして通って制作するというスタイルに限界を感じています。先ほど話ししましたように、「企画はいいけど値段が……」と言われるケースが悩ましい訳です。そこで、昨年から仕事の合間に商品企画やプロダクトを作成して蓄積しているんです。「こういったデザインは何円です。買いますか、買いませんか?」という、はっきりと値段を提示したビジネスですね。来年グラフィックとあわせて、商品企画をどんどん売り込んで行くつもりです。

梅田

先ほども言ったように、僕はグラフィックデザインの基礎技術について勉強すべきことが山積み。ただ、一人で会社を続けていくことにこだわりは持っていないので、必要であれば大きな組織に入って勉強することもアリだと思っています。店舗の方は、作家さんや芸術などをどんどん集めて、多くの人のアートに対する意識を高められる場にしていきたいです。

池田

現状にすごく満足しているんです。というのも、前は代理店で務めていたんですが、その時はお客さんの顔が見えない状態で仕事をしていて、それがストレスになっていました。でも今は、クライアントの担当者と直接話しをしてお互いに信頼しあえる関係の上で仕事ができているので、本当にストレスを感じないんです。だから、この状態を続けていきたいですね。様々な人と関わって自分の価値観をしっかりと作りあげてから、将来の方向性を決めたいと思います。

わかはら

私も、直クライアントとデザイナー、カメラマンでチームになって一つのものを作り上げていく一体感がすごく好きなんです。そのスタイルが続くかぎりは、大変なことがあっても満足して仕事を続けられると思いますね。

池尻

世の中、嫌な人も面白い人もいて、印象に残る人もいれば残らない人もいる。そんな様々な人たちにどんどん会って、何通りもの考え方を盗みたいですね。そうすると、色んな視点が見えてくると思うから。

ミーティング風景

おわりに

緊張した面持ちで始まった今回のミーティングでしたが、テーマが進むごとにスピーカーの表情が緩み、次第に笑い声が起きたりツッコミが入ったりとすっかり打ち解けた様子。この後に「欧風食堂 ミリバール」で行われた交流会でも、次々に出される美味しい料理に舌鼓を打ちながらさらに白熱したトークを繰り広げていました。

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