
大阪キタ、天満、扇町、中崎町、南森町界隈で活躍するクリエイターが集い、ノウハウを交換する場「クリエイティブ・クラスター・ミーティング」。コーディネーターとスピーカーにオブザーバーを交え、非公開形式で実施しています。今回のスピーカーは、コピーライターからカメラマン、デザイナー、イラストレーターまで、幅広いジャンルの仕事で活躍する9人のクリエイター。互いの経験値アップに繋げるべく、それぞれの考えを熱く語り合っていただきました。

下請けのイメージが強いクリエイターですが、制作部門に大きな期待と責任が課せられることも多く、ときには対クライアントの営業窓口となり、ときにはプロジェクトの中心で物事を仕切らなければいけません。予測していない事態に対面したとき、一体どんな手法でそのプロジェクトを仕切るのか——。現場での体験談を交えながら、各々の意見をミーティング形式で交換します。最初こそ緊張した面持ちで話を聞いていたスピーカーの方々も、コーディネーターによる絶妙なツッコミのおかげで肩の力が抜け、ホンネをさらけ出せる和やかなミーティングになっていきました。
2009年3月6日(金)18:30〜21:30

純日本系&外資系、両方の広告代理店営業マンとして各種企業のコミュニケーション活動をプロデュース。その後、05年に独立し、中小企業のブランド力向上を通じて、自社の想いをちゃんと伝えられる会社を一社でも多く作り出すためのコンサル&セミナー事業を大坂を拠点に展開中。

学校や会社案内などのパンフレット、チラシから、企業や商品のロゴ、パッケージ、新聞や雑誌の広告まで、幅広いデザインを経験。2008年11月に起業し、「明るく! 楽しく! 元気よく!」をコンセプトに、人と人をつなぐ作品を提案している。

関西大学文学部哲学科を卒業後、株式会社全国理美容新聞社(現サロン ニューズマガジン株式会社)へ入社し、専属カメラマンに。2005年に独立して以来、ビューティー、ファッション系の印刷物を中心に、メーカーや大学、専門学校の広告、雑誌や専門誌などの撮影を手がけている。

大阪デザイナー専門学校を卒業し、デザイン会社に就職。その後、フリーランスとしての活動を経て、2003年にデザイン事務所cursorを設立。雑誌、冊子、フライヤーのデザインはもちろん、広告物の企画やキャラクター制作などにも精力的に関わっている。

関西の情報誌を中心に、編集記事の取材・執筆を担当。人物インタビューから企業取材、グルメ紹介、ライブやイベントのレポートまで、マルチに活動している。国内外問わず、さまざまな現場へ足を延ばすフットワークの軽さが武器。最近はディレクションも手がけている。

大学を卒業後、印刷会社の企画デザイン室やデザイン事務所、企画事務所などに在籍。会社案内やパッケージの制作に携わり、プロモーションやキャンペーンに関するノウハウを学ぶ。2008年春に現在の会社を設立し、広告・販促・WEBデザインを企画プランニングから担当する“提案型”のデザイン事務所を目指している。

1980年、家電メーカーをメインクライアントとするデザイン事務所に入社。10年間の勤務ののち「現状を変えたい」と転職し、2003年からフリーのコピーライターとして活動を始める。現在は、企業の定期刊行物やWEB、SPツールといったコピーワークを主に担当。

神戸育ち、大阪在中14年、フリー歴約12年のイラストレーター。雑誌、広告、WEBの媒体にて、賑やかな1点イラストから4コママンガ、取材をかけてのルポマンガまで、独特なテイストのイラストレーションを制作している。

オプスデザインスクール卒業。複数のデザイン事務所に勤務後、アパレルを中心としたショッピングサイト事業に参加し、デザインだけでなく企画立案・編集業務にも携わる。2008年に起業してからは、デザインはもとより、自社で開発した商品を扱うショップやウェブサイト、デザインスクールの運営にも力を注ぐ。

大学を卒業後、地元・岐阜の印刷会社企画デザイン室で勤務。2005年秋、大阪に居を写し、グラフィック講座のアシスタントをしながら再びデザインを学ぶ。2006年に現在の会社を設立し、グラフィックデザインを中心に事業を展開。「明日のカタチ」を描ける明るく楽しいデザインを心がけている。
あなたは今月から某デザイン系専門学校の講師として教壇に立つ事となりました。そして、担当する授業は「クリエイターが提案すべき企業ブランド創り」。ある日の授業で、ブランドコンセプトの重要性を話していたあなたは、ひとりの生徒からの質問に思わず絶句してしまいました。
その質問とは…、「先生自身のブランドコンセプトを、ぜひ、教えてください」。さぁ、あなたの「見本となる答え」をズバリ、この生徒に返してあげてください。

現場で起こる問題1
「楽しい打ち合わせをして、楽しい作品(イラスト)を、苦しみぬいて作ります」
「もうちょっと打ち合わせやりましょうよ!」と言えるくらいの楽しい打ち合わせをして、楽し〜い作品を、僕自身がものすごく苦しみ抜いて作りあげる。「誰に頼んでもいい」、「とりあえず上げてくれたらいい」という姿勢のクライアントとの打ち合わせは楽しくないですね。「じゃあ、左手で描きますね」と言ってしまいます(笑)。
実は、フリーになって10年間は、すごく楽しく仕事をしていたんです。ところが、10年を越えるとイラストを描くのが嫌になり、仕事が辛くなった。そんなときに、師匠から「今までは何も考えずに才能だけで描いてたんや。今からやで」と言われ、今からは色々と考えながら、苦しみ抜いて描かないとあかんのや、と痛感しましたね。だから、苦しみ抜くことが重要。その結果、期待は裏切らないけど、ちょっぴり予想を裏切るものを作りたい、というのが僕のコンセプトです。
「点と線」
“点”とは個人のことで、それらが“線”で繋がって化学反応が起こる。一人ひとりの気持ちによって、形は変わっていきます。あまり仕事をしたくない相手も“点”の一つであり、そうした点も加わって新しい形ができていくものだと思います。
「やわらかキレイ デザイナー」
起業したての頃、周りからよく「あなたのブランドは?」と突っ込まれたんですが、考えれば考えるほどわからなくなった。お客さまと密に話して、お客さまのお客さまを喜ばせるデザイナーになりたいとは思っていたけど、それはスタンスなんですよね。すると、メビックの人に「やわらかくてキレイなのが得意なんじゃないの?」と言われて、それがいい! と思ったんです。自分がどう考えるかじゃなくて、人からどう見えるかをコンセプトにしようと。実際にコンセプトを掲げると仕事が舞い込んできました。どんなものがかたいのか、やわらかいのかは、受け手側のイメージにお任せします。
「毎日が旅行」
今の話を聞いて気づいたんですが、この答えは自分の仕事に対するスタンスですね(笑)。毎日旅行をしているような気持ちで仕事をしているということと、旅行も仕事も誰かパートナーがいてこそ楽しく充実したものになるということの、2つの意味があります。
確かに岸良さんの答えはスタンスではありますが、「旅行って、スタートからゴールまで楽しく終わらせたいですよね。ブランディングは旅行です。それを提供している私は添乗員なんです」という言い方をすれば、十分ブランドコンセプトになりますよね。
一同感嘆
「ほんわか安心 楽しい、うれしい。」
喧嘩をしながら仕事をしたくない。ある程度のディスカッションはいいけれど、ホンワカと和やかにまとめたいというのが私の理想です。楽しく仕事ができて、かつクライアントには安心感を与えたい。それで上がった作品によって、みんながうれしい気持ちになればいいですね。
「世の中を豊かに」
僕はデザインをしていますが、デザインは人や企業を変える力を持っていると思うんです。昔はうまくレイアウトできればいい、キレイなロゴが作れたらいい、という考えでしたが、「自分がその仕事をすることによって、どんな影響を与えられるんだろう」と考えると、人を喜ばせることができると気づきました。洋服のパンフレットでも、それをお客さんが手にして買って着ることによって喜んでもらえる。すなわち気持ちを豊かにできるということです。
「いつも元気」
こんなことを書いておきながら、すごく細い字で元気がないですけど(笑)。僕はもともと引っ込み思案で、人前に出て話をすることが苦手。ずっと人の影に隠れて生きてきましたが、独立を機にこれではいけないと奮起しました。自分が明るく元気だったら、お客さんも元気になり、期待感も高まるはず。自分のブランドカラーを黄色にしたのも、そんな理由からなんです。
「一歩引いた、まっすぐ周りを観る目線や視線を忘れない」
今はデジタル化して便利になりましたが、フィルムの時は一発勝負なので、ファインダーを覗いて完成形を把握しているのは僕しかいないわけです。その時に、気持ちが盛り上がって一気に完成させることもあるし、そんな仕事のやり方もあります。しかし、対象物からのレスポンスを吸収しながらゆっくりと仕上がりを深めていくこともある。実際に、一気にやりきった仕事を時間が経ってから見ると「なんで、もっと違う目線で見れなかったのか」と思うことがあるんですよね。それなら、撮影しながらでも、周りと会話をして対象物から一歩離れてみて、何が一番大切なのかを考えてみることも必要だと。
なるほど。ファインダーを覗いているのは自分だけ、というのは、他の業種にも言えることです。デザイナーもコピーライターも、仕上がりは自分しか把握できないですよね。その時点で自分が舵取りをしているわけですから、お客さんの向こうにいる人に対して責任を持って仕事をしなければいけません。その考え方はとても勉強になります。
「ありのままの姿を出す。実力以上にかまさない」
会社に所属しているときは会社自体のブランドでやっていけるけど、フリーになると自分自身を評価してもらうことになる。実力以上の仕事を引き受けてしまうと、後々しんどくなってしまうんですよね。自分の器からはみ出さないエリアで、最大限のパフォーマンスをしたい。
自分の仕事のやり方、考え方でブランドコンセプトを作った方。一方で、お客さんや世の中など、向こう側から見えるもの、生み出されるものからブランドコンセプトを作った方。その2パターンに分かれたのがおもしろいですね。最後に皆さんに聞きたいのですが、次田さんがおっしゃったように、「自分らしい仕事」ができるために、特に気をつけていることってありますか?
個人事業でツテが少ないぶん細い繋がりに頼ってしまい、グッと引っ張りすぎて切れてしまうことがある。自分の世界を出しすぎるのではなく、相手の求めているものをカタチにすることが重要なんだな、と思います。
比較するものによっては、“硬い”の程度がそこまで大したものではないこともあるんです。お客さんの言う硬いものと自分の考える硬いものは違うから、話し合ううちに“やわらかキレイ”に導いていけると思う。
僕はイラストだから、名刺や作品を見てテイストが分かった状態で依頼してくることがほとんど。あまりに正反対の要望や違う方向のイラストを依頼されることはありません。
確かにヒジオカさんの名刺はイラスト入りで個性的。名刺を渡した段階で、合う人、合わない人をリトマス紙のように選別しているのかもしれません。
私は、逆に質問したいんですが……。よく仕事をするデザイナーの方から、「もっと自分のブランド作りをしなさい」と言われるんです。例えば、髪をキレイにまとめる、オシャレな服を着る、ミニスカートを履く、など。皆さんは、自分のブランドコンセプトをどんな形でクライアントに発信しているんでしょうか?
おもしろい質問ですね。ではまず、ブランドコンセプトは、内に秘めたるべきなのか。それとも、積極的に発信すべきなのか。皆さんはどちらの考えをお持ちでしょう。
エサキさんの呼びかけで挙手し、内に秘めたるべき→4人、発信すべき→5人という答え。
発信すべきだと思います。仕事をするうえで、相手を知ることは大切。でも、まずは自分を出さないと相手も出してくれないと思うから。デザイナーって斜に構えているイメージを受けられることが多いので、僕自身は、相手の思っていることを話してもらいやすいように、身なりに気をつけています。
僕がピンクの服を着ているのにも、理由があります。まずは情熱のカラーということ。“ピン(一人)”でやっているということ。そして、弾丸トークとのバランスを取るための色ということです。
例えば、これからリニアモーターカーがどこかに敷かれるとします。その時に、本当はリニアモーターカーに興味はないのに、リニアモーターカーに関する嘘のブログを書きますか? そういう戦略も必要なのでしょうか。
それも、お客さんを知るための一つの手法。経営者としては必要なことだと思います。クリエイターは日々変わっていかなければいけない。もしかしたら、ミニスカートを履くことで新しい自分が見えるかもしれませんよ。
人って、頑張らないといけないときはどこか演じている部分があると思う。その人が苦しくなければ、キャラクターは自由に作って持ってもいいんじゃないでしょうか。
僕は本名から今の「ハピネス☆ヒジオカ」に替えてから、すごく気がラクになりました。もしかしたら、無意識にキャラクターを作っているのかも。
一人でやる時に、本名だと自分自身ですべてを背負わなければいけない感じがする。別の名前をつけることで、そのプレッシャーを横道に逃がすことができますよね。
皆さん、ちゃんと本心を書いてくださっていますね。「ブランドコンセプト」というと難しく聞こえるけど、自分らしく、無理のないように、世の中のためにも、キャラを作ることも良し、ということでこの議題は締めたいと思います。

スピーカー側からの質問も乱れ飛び、第1問にして早くも一人ひとりの個性が爆発した議論に。次のお題に進むまでの休憩時間は、スピーカー同士で名刺交換をしたり、近状を話したりと、和やかなムードが漂っていました。
あなたは、ある大手企業へのクリエイティブ提案を30分後に控え、プレゼンマテリアル(PC、プロジェクター、プレゼンデータ、企業用ドキュメント出力、その他関連資料)の持参を託した後輩との待ち合わせのため、同企業本社ビルのロビーにいました。これから挑む重要なプレゼンの前、少々緊張気味のあなたに、後輩から信じたくない電話が入ります。「先輩、すみません!! 前の電車が脱線して、身動きできない状態です。車内放送によると、復旧は今から1時間後。おそらく、そちらに到着できるのは、1時間15分後です!! どうしましょうか?」
そんな事言われても、先方(企業)からは時間厳守(プレゼン日変更も不可)と念押しされているし…、どんなにプレゼンを引っ張っても頂ける時間は1時間。どうすることもできなかった。さぁ〜、こんな恐ろしい状況に置かれたあなたは、今回のプレゼンをどのように乗り切りますか?!

現場で起こる問題2
プレゼンは9時からの開始で、その30分前に後輩から連絡を受けました。電車の復旧までに1時間かかり、到着するのが1時間15分後。プレゼン終了時刻は10時です。この時間軸もヒントにしてください。
もう一つの軸として、例えばスケッチブックなど、「実はこのマテリアルだけは持っていました」と、1アイテムだけ四次元ポケットから取り出すことを許します。
ありがちな話なので、疑似体験をしながら経験値に繋げていただければと思います。
まず、自分が下痢だという嘘をついて、スタートを10分から15分ほど遅らせます(笑)。その後、自分の頭で把握していることを口頭で説明します。四次元ポケットからはPC。その中に入っていたデータを画面で見せながらプレゼンを引き伸ばします。9時45分まで盛り上げて、後輩の到着を「登場しました〜!」と壮大な演出に。そのために、電車の脱線で遅れたという事実は言いません。
僕も演劇型のプレゼンをします。9時に先方の担当者と会った時点で事実を話し、「辛い目に合ってるんです」と伝えたうえで、プレゼンの場ではそれをひた隠しにしている悲劇の主人公を演じる(笑)。会議が始まる30分前にコンセプト(結論)のみをスケッチブックに書いておいて、プレゼンではそれを打ち出しながら、そのコンセプトにいたるまでの苦労話や経緯をアピールします。
僕は正直に話しますね。それでアカンと言われたら、こっちからいいですと言う。その場しのぎ的な思いつきの対応をしても、いいプレゼンができないと思うから。
これは誰のミスでもないので、正直に言います。できることはやって、残り15分でも後輩がちゃんと来てくれれば汚点は消せると思います。下手に小細工しても内容が薄くなっては意味がないし、いいプレゼンであれば時間が短かろうと取れるものは取れる。それでダメだったら、運がなかったんだと思って後輩を慰めます。
後輩から連絡があった時点でクライアントの担当者に正直に話し、9時までの30分間にできることを一緒に話し合う。または、スケッチブックがあればキーワードなりコンセプトを書きつつ説明して、後輩が来るまでの時間を繋ぎます。プレゼン内容はすべて頭に入っているはずなので。
担当者に正直に話して、時間を遅らせてもらいます。なんとか許してもらえる方向へ持っていきたい。
ちょっとイジワルな質問をします。20人ものクライアントを相手に、スケッチブック1冊で冷静に対応できるでしょうか。担当者だけは、後輩が遅れてくることを知っています。でも、担当者はほかの人に理由を話せず、放り投げられました。さぁ、どうしますか?
担当者が怖くて言えなかったことも、僕が言います。ちゃんと謝っておかないと、なぜこんな方法でプレゼンをするのかが伝わらないから。
やっぱり、事実は事実として伝えることが大切ですね。もしかしたら、クライアントも1人や2人欠けているかもしれないし。
僕は会議室に入って開口一番、「脱線ですよ! ケータイつけたほうがいいです。知り合いが乗っているかもしれないので確認してください」と言います。「うちの社員は幸いにもこの次の電車に乗っています。今、必死で向かっています」と力説し、後輩には来るまでの間に提出物を人数分コピーしておいてもらう。後輩が到着したら提出物を配り、「おぉ〜!」と感動のラストに持っていきます。電車の脱線は結構大きな話なので、プレゼンどころではないと思う。
空気のもっていき方で随分変わりますよね。事実の伝え方次第では、「トラブルがあったにも関わらず、頑張って駆けつけた」という心意気を買われて、プレゼンが通るということもあるかもしれません。では、女性陣の意見は?
私も、クライアントに正直に話して1時間でも延ばしてもらう。紙の資料だけは持っていたと仮定して、担当者に資料だけでもコピーさせてくださいと言いに行きます。それを配ってプレゼンを進め、残り15分で他の資料の重要なところだけを見せます。
後輩に、タクシーで来いって言うのも一つの手かな。実は、似たような経験があるんです。20人くらいを相手にしたプレゼンを控え、社長と一緒に準備を進めていたんですが、その作業が当日の朝までかかり、いざ出力という時にプリンタが壊れてしまった。急遽メビックに頼み込んで出力して、電車で30〜40分ほどかかるところをほとんどタクシーで行きました。私も社長もボロボロになって現地に着いたら、クライアントに「そんな事情なら遅れてもよかったのに」とサラリと言われたんです。だから、ちゃんと事情を話せばわかってくれると思います。
こういう状況に陥った原因として、凡ミスが隠されています。こんな事態にならないために、どうするべきだったんでしょうか?
僕は、タレントや芸能人を使うときは時間にシビアなので、普段から最低でも1時間前に会って担当者と打ち合わせをするようにしています。
資料関係のものは後輩に持たせるのではなく、自分でも持っておきます。
データであれば、サーバーにアップしてどこからでも取り出せるようにしておきますね。
やはり、プロジェクトのリーダーが後輩にすべてのマテリアルを渡したところに原因がありますね。大切なプロジェクトであれば同じセットを持っておくか、最低限の資料は持っておくべきだと思います。
まるで現場にいるかのように、細かく計算されたリアルな答えがバンバン出揃った第2問。ほかの人の意見を聞きながら大きく頷いたり、腕を組んでじっくりと考え込むスピーカーの姿が見られました。

明日の朝9:00までに、メールでの納品を約束している某食品会社の新商品名(最低5案)。しかし…、残念な事に、午前5時をまわった時点になっても、まったくアイディアが出ず、キーボードとモニターを前に、腕組みするしかない時間を過ごしていました。
例えば、あなたがこんな状況に陥ってしまったとしたら、どうやってアイディアを掘り起こしますか? あなた独自の発想方法を教えてください。

現場で起こる問題3
この問題は、食品会社だとか商品名だとかは特に気にしなくてもいいです。要は、アイディアが浮かばないときに、どんな方法でアイディアをひねり出すか、ということを発表していただきましょう。
私は人と話す。こういう状況ってすごく焦っているはずなので、落ち着かせてくれて程よくテンションを上げてくれるような相手を電話で無理やり起こして、喋ります。または、仕事のイメージに合った音楽を聴きます。
眠ると脳が再構築される気がするので、8時まで3時間寝ます。寝る前に商品を見てインプットしておけば、起きた頃には何かアイディアが浮かんでいるかも。
とりあえず、7時で時間を区切る。PCの前にいてもアイディアが浮かばないので、一旦PCから離れて、思い浮かぶ言葉をメモ用紙にひたすら書き続けます。手を動かすことで、頭も活性化できると思う。
僕の場合はコピーをひらめきで書くことはありません。ネーミング辞典や雑誌、過去の作品などを見て、パズル形式で当てはめてアイディアを作りあげていく。9時になっても納得いくものができていなければ、締め切り延長を打診しつつも、時間厳守ということで、その時点までに考えたものを提出します。
考えることに煮詰まるとまったく出てこないので、リフレッシュするために7時まで寝る。家にいればお風呂に入ります。対象となる商品が手元にあれば、食べてみるのも一案ですね。
僕も溝口さんと一緒で、とりあえず時間割を決め、部屋をぐるぐると動きまわったり、殴り書きで言葉を書いていきます。身体を動かさないと脳も動かないので。PCの前はダメですね。
一旦そのことを忘れるために、決めた時間まで睡眠や読書、食事など仕事と別のことをします。でも、完全には仕事のことを切り離せないですね。寝たら切れるけど、気になって1時間ほどで起きてしまうと思う。
こんなシチュエーションはしょっちゅう経験してます。1時間半は布団に入ってガッツリ寝て、起きてからシャワーを浴びて風呂にはいって、気分を完全に一新する。朝、日が昇るくらいの時間はテンションが上がるので、外に出て早朝の気持ちいい雰囲気を身体で感じ、仕事に戻ります。テンションの上がる曲を爆音で聴くこともありますね。
僕は岸良さんと同じで、人と話します。落ち着かせてもらうほかに、相手の脳を借りることができるから。僕一人の知っていることはたかが知れているので、他の人の脳を借りてアイディアをひねり出します。インターネットでYahoo!ニュースを見ることもある。様々なところにボキャブラリーのヒントが潜んでるんです。
皆さんの回答を聞いていると、(1)課題の中で自分を別のシチュエーションにおく、(2)手や身体を使って脳を活性化させる、(3)完全にリセットしてしまう。この3つに分かれましたね。ちなみに、これをすれば無限にアイディアが出てくる、という魔法を持っている方はいますか?
僕は追い詰められないとアイディアが浮かばないタイプなので、ギリギリになってから捻り出しています(笑)。
僕もギリギリじゃないと出てこない。時間が少しでもあると遊んでしまうんです。
私はないです。デザインを具体的に起こしたりするのには時間がかかるし……。
僕はトイレにこもって、「俺はできる」と自分に言い聞かせますね。
聞いた話ですが、イチロー選手はベンチなどに入るときに必ず左足から入るそうで、そういった自己暗示が各々あるんじゃないかなぁと思います。その辺の話は、この後の飲み会でゆっくりやりましょう。ということで、今回のミーティングはこれにて終了です、お疲れさまでした!

「そうそう」と頷くものから、「なるほど」と感心する意見まで、多彩な発想方法が飛び出した第3問。クリエイターの性なのか、追い詰められてこそアイディアが浮かぶ、という意見が多かったのも印象的でした。最後にはオブザーバーまで巻き込み、終始白熱したミーティングとなりました。
自分自身のブランドづくり、予測できないトラブルへの対処方法、追い詰められた状況でのアイディア発想方法から、スピーカーの性格や仕事への姿勢が垣間見ることができました。3時間のミーティングはあっという間に終わり、一同は恒例の懇親会へ。仕事の話からプライベートな話まで会話は尽きず、二次会に移動して翌朝まで語り明かしたメンバーもいたとか。ここで生まれた深い繋がりから、また新しいクリエイティブが生み出されていくことを期待しましょう。
公開:2009年03月31日
取材:プレス・サリサリコーポレーション 大久保 由紀氏