クリエイティブ・クラスター・ミーティング Vol.24
2009年1月21日開催

ミーティング風景

大阪キタ、天満、扇町、中崎町、南森町界隈で活躍するクリエイター同士が互いに知り合い、ノウハウを交換する場「クリエイティブ・クラスター・ミーティング」。2009年、最初のミーティングは、コーディネーターとスピーカー、オブザーバーを交えた非公開形式で開催。今回は30代のアーティストやデザイナーの方々中心に、8名のスピーカーに集まっていただきました。

クリエイター・デザイナーの経験地を高める
〜その時、あなたは、どう仕切るのか?〜

現場で仕事をする人間にとって、トラブルはつきもの。対顧客であったり、対部下であったり、予想もしないような問題が次々に起こります。「その時、あなたは、どう仕切るのか?」ピンチをチャンスに変えるためにも、どんな対応でこのトラブルを乗り切るのか。そこで、大阪で活躍するクリエイター、デザイナーの皆さんに集まっていただき、制作の現場におけるトラブルへの対処法のノウハウをミーティング形式で交換していただきました。

開催日時

2009年1月21日(水)18:30〜21:30

コーディネーター
  • エサキヨシノリ氏「情熱の学校」学長&情熱メイキングプロデューサー

    エサキ氏

    純日本系&外資系、両方の広告代理店営業マンとして各種企業のコミュニケーション活動をプロデュース。その後、05年に独立し、中小企業のブランド力向上を通じて、自社の想いをちゃんと伝えられる会社を一社でも多く作り出すためのコンサル&セミナー事業を大坂を拠点に展開中。

スピーカー
  • 鰺坂 兼充氏「(有)スカイ」代表

    鰺坂氏

    雑誌編集、店舗デザインに付随するサイン関連、販促物等のグラフィックデザインの仕事をこなす傍ら、03年に「iTohen(いとへん)」という名のギャラリーを開設。過去5年の講師経験をもって、作家のサポートに勤しんでいる。

    「(有)スカイ」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 奥山 天堂氏「(有)アートニクス」代表

    奥山氏

    大学中退後、作家アシスタントやギャラリー運営業務、イベント企画等を経験。のちに実兄の設立した事務所(現アートニクスの前身)に加わり、カフェ・雑貨運営会社での勤務経験を活かし1996年「食を通じ、安らぎと刺激のある小さな文化施設」というコンセプトの元、「コンテンツレーベルカフェ」をオープンさせる。2004年に(有)アートニクスを設立し、現在はコーディネーターとして幅広い活動を行っている。

  • 木村 泰子氏「(有)鮮デザイン」代表

    木村氏

    プロダクション勤務を経て、株式会社板倉デザイン研究所に入社、板倉忠則氏に師事。2004年にフリーランスとして独立。デザインを「生業」「個性の発信」「まわりに居てくれる人や暮らしている町のために何かをすること」の三つの軸をベースに活動開始。2006年、グラフィック×映像のコラボレーションスペース「画空スタジオ」を開設。

    「(有)鮮デザイン」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 國松 茂良氏「Free-Field.」代表

    國松氏

    空間の企画やデザイン、プロダクトデザインを手がける。博物館等の文化施設、企業PR施設など、少し特殊なジャンルに携わる。最近では大阪市立博物館、竹中大工道具館、万博ブースなど。その他、2006〜2007年のTkyo Desiners Weeekと2008デザイン雑貨エキスポにプロトタイプモックを出展し、日ごろの業務の中では具現化しにくい自分の思いを形にしている。

    「Free-Field.」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 日比野 尚子氏「オカダデザイン」代表

    日比野氏

    デザイン事務所に就職後、会社以外の世界に興味が起こり、引き止められながらも退社する。2002年、オカダデザインを設立。キャラクター制作や挿絵、イラストルポ、グラフィックデザインを手がける。洋菓子や飲料のパッケージ、文具のデザイン、女性と子どもをターゲットにしたものが得意。

    「オカダデザイン」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 北條 佑布子氏「デザイン・エイド」代表

    北條氏

    大学卒業後、広告制作プロダクションで、美容メーカー、ハウスメーカー、学校案内などさまざまな分野の制作を経験。その後結婚し専業主婦になるもデザインが諦めきれず2007年「デザイン・エイド」として独立。現在はCI企画開発、パッケージ、販売促進ツール、会社案内などキーとなるブランドイメージをさまざまな分野に展開。「デザインでaidして、より素晴らしい日々をめざす」をモットーに活動を続けている。

    「デザイン・エイド」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 南 啓史氏「(株)ライフサイズ」所属

    南氏

    大学で建築を学んだ後、建築設計事務所に入社し、小学校や消防庁舎などの公共建築を多数手がける。5年間の勤務後、現在の会社ライフサイズに入社。活動の傍ら、大学の非常勤講師を務める。座右の銘「人生にタラ・レバなし」。

    「(株)ライフサイズ」扇町クリエイティブクラスター登録ページ

  • 柳原 照弘氏「(株)アイソレーションユニット」代表

    柳原氏

    大阪芸術大学卒業後、2002年に「TERUHIRO YANAGIHARA/ISOLATION UNIT」を設立。2008年に「ISOLATION UNIT CO.LTD」に名称変更。完成したオブジェクトの形体や結果だけでなく、到達するまでの過程を含めた「デザインする状況をデザインする」ことが重要であると考え、プロダクトから、ランドスケープまでデザインの領域を設定せずに活動する。

ミーティングのルール

現場で起こる問題1

近頃、マスコミにも取り上げられるほどの有名ブランディング・エージェンシーを経営するあなた。
創業以来仕事を共にしてきたデザイナー10名と、更なる躍進を誓い合っていたはずだった……。

ところが、超大手企業からのCI作業を大手広告代理店との競合コンペで勝ち取った数日後。出社したあなたが見たのは、誰もいないオフィスのデスク上に置いてある10人分の退職届。それから一週間後、友人から「この間D社(コンペで戦った大手広告代理店)で、おたくのデザイナーたちを見たんだけど」という電話があった。さらにその後、クライアントからも「社員がみんな辞めたって聞いたんですが、作業はどうやって進めるんですか!? 無理なようなら他の代理店にやってもらうしかないですね」という電話が。

10通の退職届を残し、御社のすべてのノウハウと共に消えた社員、広告代理店D社で社員たちを見たという話、そしてそんな状況を知ってしまったクライアント。窮地に追い込まれたあなたが取る、次の行動は?


現場で起こる問題1

まずは状況確認と外部クリエイターの確保

國松

とりあえず、クライアントさんに3〜5日時間を下さいとお願いします。その間に、知り合いのクリエイターさんに片っ端から声をかけてみます。なんとか5人集まれば仕事ができると思うのでお受けしますが、それができなければギブアップですね。

木村

社員10名分のカバーができる体制を整えられるかどうか検討したうえで、現状を正確にクライアントに報告します。そのうえで、任せてもらえるように再度お願いします。

鰺坂

まずぼくはこんな体制で仕事をしないので、想像が出来ないんですが……。こっちサイドの問題なので、あらゆる手で社員に連絡を試みます。10年やってたらそれなりにコミュニケーションが取れてるはずなので、うちで処理をしてから、クライアントに連絡します。それから会社を存続させるためにも、自分がプレゼン内容を把握してるので外注先を探して回します。仕事を納めたあと、D社に「なぜ引き抜いたのか?」という話をしに行きます。

北條

まず状況確認が一番最初ですよね。で、自分がある程度の流れがわかっているので、データがあるのかとか、出て行った理由などを把握します。外部クリエイターを確保してから、辞めた10人の家に押しかけてでも、理由を聞きますね。10人が10人出て行ったってことは絶対こっちに非があるので、改善するべきところは改善します。

まずはクライアントに安心してもらうために、外部からデザイナーさんたちを集めて、体制を整えます。その一方で、なんで辞めたのかっていう理由は知りたいですよね。プロジェクトを諦めるのは考えられないので、そちらを優先してから、スタッフに連絡して問いただしたい。

柳原

僕もこの状況が想像できないですね。こんな状況なら、コミュニケーションが全く取れていなかったということなので、もう会社自体やめるしかないかな、とも思います。クライアントからの問い合わせには、「大丈夫です」と答えてD社に依頼します。プロデューサーは自分で、業務はD社に発注した方が、利益は少ないけど企画は一番うまくいきますよね。

奥山

まず、一日中落ち込みます(笑)。柳原さんと同じで、僕もD社に振るという選択肢はアリですが、自分が窓口でやっていたのでどうにでもなる自信はあるんですよ。後は、クライアントを安心させるためにもすぐに同業者、なるべくそこの会社の責任者に話をして、人を集めます。利益が減ろうが、プロデューサーとしてつなぎ役はやっても実務は全面振ります。辞めたスタッフに関しては、この状況が起こる時点で回復不可能かな、と。やめた理由は知りたいですけど。

日比野

クライアントに正直に話します。そこでスタッフを探す努力をしますと伝えたうえで、任せてもらえるかどうかですね。安請け合いをして、いざダメってなると迷惑がかかってしまうので。

エサキ

ま、皆さん実際の体験じゃないので冷静でいられると思うんですけど、こんな図式、何かあるんじゃないかと思いますよね。何とかこの場をしのぐ、外部のクリエイターに頼む、という方にお聞きしたいんですが。これだけ大きな仕事、しかも10年一緒にやってきた社員と獲った仕事を、今まで全然関係なかった友達のクリエイターで進められますか?

柳原

コンペで勝ったんですし、プロデューサーとして自分が全部把握してますよね。その時点でもうほとんどできてると思いますし、あとは細かいツメだけなので何とかできると思います。

エサキ

こういう状況にならないために、社長として一番大切なのは?

國松

そうですね、大きな意味で社員への接し方がなんかちょっと違ったんだと思うので、改善しますね。あとは、プロジェクトの目的がブレないように、常に気をつける。

日比野

私は対話ですね。話をしないと、相手がどんなことを思っているのか分からないので。やりとりがあれば、実際に不満を解消することが難しくても、安定すると思います。

奥山

まず状況把握と、優先順位を決める能力が大事ですね。この状況で考えると、社員とのコミュニケーションも大事ですね。

エサキ

非常にピンチな状況で、次に進めるために自分自身はどうするのか、ということで話を聞かせてもらったんですが。とにかく今の位置を確認して、何をしなくちゃいけないのか、ということを冷静に判断されようとされていたのかな、と思いました。

ここで第一問が終了。
一旦冷静になって、状況確認をすることが大事。急に辞めた社員も気になるが、まずは仕事を優先させるという意見が大半でした。ここから約5分の休憩をはさみ、第2の問題へ進みます。

現場で起こる問題2

世界で活躍するアーティストになるという夢を抱いていたあなたは、今回ニューヨークでの初個展に新作と共に挑んだ。その個展は、日本のマスコミのみならずニューヨーク地元紙でも前評判は高かった。

しかし、個展終了直後、帰国したあなたの元にニューヨークの友人から「君の個展が、ある世界的なアーティストの『パクリ』であると批判されている」とのメールが入った。そして日本のマスコミが面白がるかのように今回の騒ぎに群がり、あなたをこけ落としたのだった。

さぁ、こんな恐ろしい状況に突然置かれたあなたがとる行動とは?


現場で起こる問題2

アーティストなら話題になった時点で大成功

柳原

まず、アーティストでよかったなと思いますよね。僕デザイナーとして近い経験があるんですけど、デザイナーだったら立ち直れない。アーティストなら、戦略的に「真似をする」という行為をアートに取り組んだと言える。パクってないと仮定して、パロディとして現物のものに対して批判をすることで自分にアート性を獲得するという行為が、アメリカでは成功する一番のやり方じゃないかな、と考えますね。で、「これがアートです」とその状況を説明できるようにしておきます。

僕は、アーティストは自分の世界に没頭して周りの世界が見えていないから、パクってないと仮定しました。ただ、心配をかけてしまったことは事実なので、まず心配をかけた人には謝りますね。叩かれてるけど、メディアにのったのは大きいことなんで、これを追い風に作風を変えてもまたパロディでもとにかく発表できればいいですよね。ただ、アーティストってほかの作品のことを気にする必要があるのかな、とは思いますね。この場合も、似てるけど自分の想いがちゃんと伝えられればそれはそれで得るものがあるかな、と。

北條

私はマスコミを逆手にとって、開き直って堂々と活動を続けますね。何もやましいことはないし、これが私なんで、っていう感じで上に出るわけでも下に出るわけでもなく、自分のやることをちゃんとやっていけば、そのうち良さも伝わってファンもできるかな。

奥山

パクリだ、という騒ぎになるのは日常茶飯事ですからね。真似する前提だったら話題になった時点で大成功ですよ。シナリオ通りというか。

鯵坂

僕の場合だとまず状況と、真似をした理由を説明します。要は芸術ってなにかしらのアンチが元になってると思ってるので。そうやって強く演出します。真似をしてない場合だと、話題性を作るためにシンクロニシティの説明をします。彼がやったことは僕とどこかシンクロしてるんだと。例えばピカソとブラックの話を引用すると分かりやすいですね。

奥山

マスコミに叩かれても、作品を理解する人としない人の半々だと思うんですよ。これがたとえ失敗でも、別の切り口で見ると成功だと評価してくれる人もいたり。

木村

私は、この状況の時点で非日常になってると思うので、すごく作品が生まれやすいんじゃないかと思います。1人でやってるのでまわりを巻き込んでもないし、次の作品が絶対面白いはず。

柳原

僕らはアートとデザインの違いを認識しながらやっていかなきゃいけない。だから、最近アートとデザインが近づいてきたって言われるのはあんまり理解できないですね。僕らがアーティストでよかったな、って思うのはアートだから、という言葉で何でも片付けられる部分ですよね。アートだ、と言えばちょっと汚いものがキレイに見えたりする。

デザイナーは人のために、アートは自己表現のみですよね。デザインは得意先のための、解決方法というか。

柳原

デザイナーがアーティストになる状況って、徹底的にデザインをすることで周りから言われて、アート性を獲得すると思うんですよ。このシナリオを書けるのが、アーティストですよね。

エサキ

なるほどね〜。日比野さんは、こういう状況になったときどうします?

日比野

私は、何もしません。何を言われても、製作したプロセスが残ってるので何も言う必要がない。

國松

皆さんの言うとおり、アーティストとデザイナーの違いが大きいと思うんです。どっちかって言うとアーティストは個で、デザイナーは社会に帰属しているというか。だからこういうときの対応策はアーティストは持ってると思うんですよ。だからしばらくしたらまた作品を出してギャラリーやったりするんじゃないですかね。

エサキ

何が違うっていうのは、得意先のものを作るか自分のものを作るか、っていうことだと思うんですけど。アーティスト側から見たときには演出するのもかなり重要で、自分をどういう風に持っていったら世論をも巻き込んでステージアップにつながるのか、ということを考えながらやっている人たちなのかな、と思いました。

パクり、という行為が実際にあってもなくても、アーティストであればマスコミを逆手にとって自分の作品を広められる、とスピーカーの皆さんは口を揃えました。また、アーティストとデザイナーの違いについても話は弾みました。

第3の問題

フォトグラファーとしてようやく一人前になったあなた。ある日、駆け出しの頃からプロしてのすべてを教えてもらった師匠が写真展を開催するということで、あなたは応援に駆けつけた。

会場では今回の写真展で最も賞賛を得た作品を手に、マスコミの取材を受ける師匠の姿が。
しかし、その師匠の手にあった写真は紛れもなく「あなたが次に発表する予定の渾身の自信作」だったのだ。写真展の後、楽屋を訪ねたあなたが師匠に問いただすと、「誰のお陰でここまでこれたと思う! もし訴えるなんてことをしたらどうなるか分かってるだろうな」と信じられない言葉が。

さぁ、こんな状況に置かれたあなたがとる行動とは?


現場で起こる問題3

訴訟か諦めるか

國松

僕はすぐ弟子を辞めて弁護士に相談します。写真の場合はデータか、ネガを盗むしかないのでそれは泥棒ですよね。渾身の、っていうからには思い入れがすごくあると思うので、訴訟も考えます。そうじゃなかったら、諦めますけど。

北條

私はとりあえず泣きますね。訴訟とかも考えたんですけど、師匠だけが悪いんじゃなくてそれを見抜けなかった自分も悪い、と思って。または師匠の手に渡ったからこれだけ話題になったのかも、とか言い訳をつけて諦めます。

自立してプロになっているんだったら、自分に仕事をくれた人のためにも訴訟でも何でもしないと、と思います。アーティストだったらもう捨てて次に行きますけど。

エサキ

例えば訴訟をしたら、勝てますか?勝ったとしても失うものもありますよね。そのへんはどうでしょう。

國松

あんまりその辺は考えてなかったですね〜自分の大切な想いっていうのしかなくて。

自分の大切なもののために、となるとやっぱりそれはアーティストなのかな。自分の写真だよって人にいえるかどうか、その作品に自分がどれだけ価値を持ってるか、そこまでの想いがなかったらやるべきじゃない。

柳原

ある意味で作品も師匠に似た部分があるのかな、って思います。教えてもらってきたわけだから、自分ひとりの力じゃないというか……。それで納得させてもっといい作品を撮ろう、と頑張るか。もしくは、同じ写真を個展で出します。やった過程を示せば、マスコミが騒いでもおのずとどっちがパクったのか、っていうのは訴訟をしなくても分かるので。

鯵坂

まず一日寝かして、落ち着いて客観的に判断したいので。なぜ師匠は盗んでまで発表したのか、ここまでしなければ評価されないような職業であれば、もう仕事自体をやめますね。いつか自分もこうなるのかもしれないのなら、魅力がないですし。この状況だと、悲しくなってしまいますね。

奥山

僕はむちゃくちゃ落ち込む……と思いきや、そうとう笑いますよね(笑)。すべてを教えてもらったつもりだったけど、こんな技もあったのか、それはまだ教えてもらってなかったぞと。要はどうでもいいんですよね。訴訟は前向きな選択ではないですし。

木村

奥山さんと似てるんですけど、そこまで有名になりたい根性がすごい。やっぱりそこまでやらないとダメなのかな……と思うんですが、自分の中に作品のソースはあるので、自信持ってやっていけばいいかなと。特にこの師匠に対しては何もしないですね。

エサキ

笑っちゃう、というのは真髄のような気がしますよね。師匠はこれを一生背負っていくんですから。でも弟子がこれにとらわれる必要は全くない。

奥山

どのタイミングでそうなったのか、と言うのは気になりますよね。その人の問題なのか、状況がそうさせたのか。それによって自分も勉強になったりしますから。

柳原

良かったな、って思うのは20年後、僕らがこうなる可能性もあるわけじゃないですか。どんな人も落ち目はあるし、この人の年齢で活躍するためには、自分じゃなくてどれだけいい人材を育てられるかってことなんですよ。どっかでクリエイターと経営者を考えなきゃいけないので、今考えられたのはいいことですよね。

奥山

僕もそれは思います。自分が今後この位置になるときには、教えた人間が次に行くための何らかのサポートができてないとダメなんでしょうね。

エサキ

この師匠はモノで成果を出す、勝負するということに固執してこんなことになってしまったんですよね。これから自分たちが年をとってこういう立場になった時に、モノを売ることではなく、経験だったり今まで積み上げてきたものだったりと、何か違うもので勝負することに関しては老化は関係ないんじゃないか、と思いました。

師匠に対して訴訟をおこす、師匠の人柄を見抜けなかった自分を責める、仕事そのものを辞める、なにもしない……など、さまざまな意見が出ました。将来自分が師匠と同じ立場に立ったとき、どうするのか、という視点からの話でもかなり盛り上がっていました。

おわりに

いつもとは違う視点の問題に頭を悩ませながらも、真剣に意見を交わし、今回もかなり盛り上がっていたミーティング。自分の経験に基づく発言や、色々な視点からの意見を聞くことができました。終了後は、恒例の懇親会へ。深夜までさまざまな内容の熱い議論が交わされました。

ミーティング風景

公開:2009年03月03日
取材:プレス・サリサリコーポレーション 山下 朋子氏

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