丸楽紙業(株)×(株)ファイコム

東京だけを見ずに、地方や全国を相手にした仕事を考える。

地下鉄長田駅から徒歩数分の地域に紙業を営む企業が集結している。そこに倉庫を持ち、紙という枠組みにとらわれず、ユニークな企業活動を展開しているのが丸楽紙業です。同社の杉山社長は早い段階で自社倉庫間をコンピュータで連動させ、スピーディーな応対を武器に、「紙から始まるいろいろ」をテーマに紙関連の商品や情報分野、流通産業へと幅広く活躍の場を広げてきました。

今回は、企業の広報、販促活動をサポートする分野で躍進し続けるファイコム代表・浅野氏が杉山社長にお話をお聞きしました。

月に2万トンの紙が動く。

浅野

工場内って天井が高くて、たくさん紙が並んでいるんですね。よく見たら何種類もありますね。


丸楽紙業営業本部


ぎっしりと分類された紙がスタンバイする倉庫

杉山

クライアントの製紙会社によっては発注のある紙質が違うんですよ。針葉樹、広葉樹、銘柄の指定があって、それをすぐに取り出せるような仕組みになっています。ここで800トンぐらい。全在庫でゆうたら3000トンぐらいあるかな。

浅野

すごい量ですね! 紙って結構場所をとるからたいへんでしょう?

杉山

月2万トンぐらいの紙が動きます。うちところは印刷屋さんに倉庫がわりに使ってもらっています。彼らが印刷機を動かすタイミングにあわせて紙を用意するようにしています。だから毎日10トン車が入ってきますよ。

昔の古いインフラを活かしていきたい

浅野

創業してもう長いですね。

杉山

私は2代目で、創業者の父親といっしょにやってきているんで長いですね。でも会社のことより大阪のことが一番心配ですわ。昭和30年代から45年ごろまでは、けっこう大阪も活気があって新幹線が通じてから情報の発信が変わってきたのかな、と思いますね。

新幹線が通じたことによって東京が全国の中心になってきたけれども、ここ数年で流れがかわってきた気がするんですよ。世界企業となった大阪の企業は東京に行かざるをえなくなったんちゃうかな。日本の国内を相手にしている企業は別に交通も便利になったし、インターネットの普及で地方にいても充分仕事できるわけだから。私の会社も30パーセントぐらいは東京発信の仕事を大阪でしているようになってきたから、そういう意味では、逆の流れが今、起こってきてるんやないかな。関西のほうが昔の古いインフラが残っているだけでそれが活用できてないのが残念ですね。

浅野

昔の古いインフラって具体的にどんなものですか?

杉山

例えば水道局の建物とか。メビックさんが活性化させましたよね。空堀の商店街もリニューアルして活気がある。地下鉄の料金でも行政が工夫して安くすれば活気があふれると思うし、私どもが大阪で物流をやっていけるのは道が込んでないからですよ。大阪は思ってるよりも道がすいてるんですよ、そういう発想する人がいてはらへんから古いインフラが活かされていない。メビックさんがやっておられるお互いひっつけあう作業を大阪府もすれば、むしろ再活用できる可能性があるんちゃうかな。


倉庫内を案内してくださった杉山社長

浅野

紙のビジネスを通してクリエイティブなデザイナーとかといっしょに何かすることに期待したいところがあるんですけど、あるときは紙屋さんに紙のことを先生として教えてもらって、もっとひっついていきたいなと思います。

東京は見ないでええと思う。地方を見ればええと思う。

杉山

ここ10年間ぐらいはなーんか大阪人の卑屈なところが出てるんちゃうかな。関西のクリエイターを塊としては全国から見えへんのちゃうかな。東京は見ないで、地方を見たらええと思います。東京を見すぎるから、自分たちの基本的なベースがなくなってるし、自信もないと思うんですよ。やっぱ東京というツボの中にはまってしまうとダメやと思う。京都が強いのは東京を相手にしてへんし、日本を相手にしているから強いんですよ。ビジネスチャンスが東京のほうが多いのは事実。クリエイターの人が大阪にベースを置いておいて考え方を変えずに東京の仕事をしたらと思う。そう思ってる人がいてたらかわるよ。

浅野

うちも東京に進出したことがあったんですが、なんか歯車が合わへんな、と思って引っ込めたんです。

杉山

東京というところに同化しようとしたから、うまくいけへんかったんやと思うんですよ。東京へ展示会を見に行ったときのことですが、地方のクリエイターさんはその土地の文化を持ちつつ東京で出品しているけど、関西の人はぜんぜん出品していないんですよね。もったいない。ギャラリースペースを持っている製紙会社のコネクションがあるから、私が紹介しますよ。

取材風景

浅野

面白いですね。そういう場をうまく使えたらいいですね。今インターネットでも全国に向けてやってはるんですよね。ああいうのはどうなんですか?

杉山

ネットショッピングは業績がアップしています。紙だけでなく、みかんを売ったりもしています(笑)。たまたま取引先のところに実家がみかん農家の人がおってね。5年ぐらい前、最初はホンマにちょろちょろやったんですよ。普通の人はA4の紙が100枚あれば十分ですよね。だから区分けして売っているんですよ。

他にも、紙の切りカスを捨てんと売れるんちゃうかと思って、日本ハムファイターズが優勝したときに送ったんですよ。そしたら使ってもらえたんです。あの優勝したときの紙吹雪の8割?9割は丸楽ですよ。どんな飛び方をするのか会社の2Fからテストしましたもん。掃除たいへんでしたよ(笑)。まさかトン単位で注文がくるとは思わなかったですよ。

普通の営業をしていたらそういう仕事はこないんですよ。ネットサイトを持ったら大衆を相手にできるから面白いなと思います。紙だけでやっていたら、きっとメビックさんにも会ってなかったですよ。うちの得意分野ですからね、そういうところがひっついていければと思いますね。

浅野

そうするとクリエイターがアイデアを出せば、企業の方が持っておられる技術をもっと活かせるかもしれませんね。今日はありがとうございました。

丸楽紙業(株)

住所

大阪市中央区上町1-26-14

URL

http://www.papernavi.com/

クロスポイント Vol.8

公開

2008年11月19日(水)

取材チーム

(株)ファイコム  浅野 由裕氏

ライター

狩野哲也事務所 狩野 哲也氏

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