(株)ナビバード×(株)スマイルビジョン

『人の縁』が会社を救い、ネットショップを左右する。

取材風景

ファッションアイテムをはじめとした日本製品の海外販売ネットショップ『JSHOPPERS.com』を運営する株式会社ナビバードは、自社ECサイトの開店準備期間中、メビック扇町の入所企業だった。現在は『JSHOPPERS.com』のほかにも2つの自社ECサイトを運営している。そこで、代表取締役の山中和也氏に、同じく元メビック扇町の元入所企業でECサイトの構築や運営を行う(株)スマイルビジョンの杉若太郎氏がインタビューした。

会社存続の危機を救った『人の縁』

山中

杉若さんはメビックに入所していた期間が、私と被ってますよね?

杉若

そうですね。まだメビック扇町が開所して間もない頃ですよね。メビックに入所している期間は楽しかったですよね。インキュベーションな感じと自由な感じに満ちてました。

山中

夢や希望が1/4で、遊びが1/4ぐらいで、交流が1/4で、あとの残りの1/4が、キャンパス的な雰囲気という感じでした。

杉若

そうそう。そんな感じでした(笑)。ところで、ナビバードが運営されている『JSHOPPERS.com』には、オープン当初から競合が存在していたのですか?

山中

いや、オープン当初は皆無でしたが、今でも少ないと思いますよ。気持ち的にはもっと増えてほしいですね。

杉若

世界中に会員50万人、月間3,000万ページビューというのは、なかなか想像できないですね。

山中

でもメビックを出たあと、1年以上鳴かず飛ばずでしたよ。本当に通帳の残高が数百円というところまでいきましたから……。そんなギリギリのタイミングで、人と人の縁から大手通販会社の方と知り合ったんです。するとトントン拍子で出資を受けることになり、その通販会社の商品の海外販売を当社のECサイト『JSHOPPERS.com』が請け負うことになりました。数年間はいい感じで成長し続けていたのですが、見て通販会社の方から海外販売を自社サイトで行いたいという話が出てきたんです。結果的には通販会社が自社の海外販売サイトを立ち上げて、当社との資本関係は解消することとなりました。

杉若

それは売上に大きな影響があったでしょう?

山中

販売アイテム数の減少により売上も大きく減少し、赤字決算になりました。ただ、経費削減やスタッフの努力もあって赤字決算後、半期で黒字を出すことができたんです。

杉若

すごい! V字回復ですね。

山中

おかげさまで新しいアイテムも加わって、新しい取り組みにもチャレンジしていく体制が再び整いつつありますね。

ソーシャルメディアがECサイトの売上を左右する時代に


(株)ナビバード山中氏

杉若

今後の課題を教えてもらえますか?

山中

日本ではECサイトを始めようと思うと、サイト構築だけで結構な費用が必要になりますが、アメリカではドラッグ&ドロップするだけで、簡単に美しいECサイトを構築できるシステムがすでにあります。しかも、利用料は月間数ドル程度。間もなく、Webの知識がない個人でもECサイトを持てる時代が来るでしょうね。

杉若

その辺りはスマイルビジョンでECサイトの構築業務を行っていますから注視しています。まだまだECの業界は変化していくでしょうね。例えば、ソーシャルメディアとの距離感も変わっていくでしょうね。

山中

アメリカのECサイトはソーシャルメディアとの密接な連携が構築されています。現在『JSHOPPERS.com』は販売する機能しか持っていません。しかし、ソーシャルの伝播力を活用して商品情報を広く発信でき、欲しい人をサイトに導くような仕掛けを構築することで、世界中のソーシャルサイトのユーザーが『JSHOPPERS.com』を気軽に使えるようにしていきます。例えば、各ソーシャルメディアのIDで『JSHOPPERS.com』のショッピングサイトを利用できるようにしようと考えています。

杉若

ソーシャルアカウントで利用できるようにすることで、IDの取得という第一のハードルを低くするわけですね。

山中

そうです。一方で、新しい傾向としてPintarestのような、ECとは関係ないサイトがECサイトへの導線を担いはじめています。このあたりもフォローしていかないと。

杉若

Googleやfacebookもそこに取り組んでくるでしょうね。こうやって見ると、まだEC業界もドッグイヤー状態ですね。3年後のEC業界の状況って全然見えないですもん。

『日本』を世界に発信していきたい!

JCRAFTS.com

杉若

日本の伝統産業の情報発信もされているんですよね。

山中

『JSHOPPERS.com』の立ち上げ当初から伝統工芸品が好きで、日帰りで取材に行ってたんですよ。関西には伝統工芸品がたくさんありますから。最初はファッションサイトの中の1コーナーとして工芸品のコーナーを作っていたんですが、5年ほど経つと点が面になって立派なカテゴリーになりました。これが、地方の活性化をサポートしたいというシステム会社の目に止まり、高く評価していただいたんです。そして地方を活性化させるためにタッグを組むことになりました。それが『JCRAFTS.com』です。

杉若

いいですね。日本の伝統工芸品が世界に広まって地域が活性化されるといいなぁ。『JCRAFTS.com』は日本と海外の両方で閲覧や購入ができるんですね。将来的な取り組みとしては、考えておられることがあるんですか? 可能な範囲で教えてください。

山中

今後はシステム会社の人脈から、『JCRAFTS.com』の趣旨に賛同してくださった有名人の方が、世界各国で宣伝をしてくださるというお話もあります。また、前述した各ECサイトとソーシャルメディアの連携を推進していきます。

杉若

新規事業は予定されていないんですか?

山中

実は日本の食品を扱うECサイトを予定しているんですよ。もちろん海外向けの販売サイトです。調味料やレトルトカレー、フリーズドライなど、日持ちする商品が中心になります。ファッション系の商品は、海外在住日本人よりも現地の富裕層の購入比率が高いのですが、食品は海外在住日本人の購入比率が高まるんじゃないかと考えています。海外で頑張っておられる日本人を食の面からサポートできればと思っているんですよ。

杉若

それは楽しみですね。今日はありがとうございました。

(株)ナビバード

住所

大阪市中央区久太郎町2-5-12
八木春久太郎ビル7F

URL

http://www.navibird.co.jp/

クロスポイント Vol.34

公開

2012年07月06日(金)

取材・文

株式会社ショートカプチーノ 中 直照氏

取材チーム

株式会社スマイルヴィジョン 杉 若太郎氏

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