(有)コータコート×(株)明成孝橋美術

モノづくりのアイディアも、人のつながりづくりから。

上山氏

結婚式招待状や席次表といったウェディングペーパーアイテムの卸・販売を行う(有)コータコート。大量生産では作れない繊細でこだわり満載なデザインのペーパーアイテムを武器に、ホテルやブライダル関連商品を扱う企業に提供している。今回は、コータコート代表取締役の上山朋果氏に、特殊な加工や紙を用いることが多い化粧品パッケージのデザインや印刷に携わる明成孝橋印刷の孝橋悦達氏が話をうかがった。

最先端の尖った感性の商品が一番売れるワケじゃない

取材風景

孝橋

ペーパーアイテムの企画をご自身でされているそうですが、デザイナーの経験は?

上山

もともと通販会社で商品企画をやっていたので、ずっとディレクションをやっていました。デザインといっても絵やイラストを描いたりするのではなく、ペーパーアイテムのカタチや図柄、色などを考える仕事をですから、デザイナーというほどじゃないんですよ。

孝橋

いやいや、十分デザインですよ。デザイナーに外注することは考えておられないんですか?

上山

他にやるべきことはたくさんあるので、外注したい想いもありますが、コスト面やディレクションの手間を考えると、つい自分でやってしまうんですよね。私自身がデザインを考えるのが好きだからというのもあるかもしれません。あと、デザイナーさんはどうしてもカッコいいものや感性の尖った商品を考えがち。しかし、通販会社で商品企画をしていた当時から、本当に売れるのは最先端の尖った感性のアイテムではなくて、ちょっとだけ受け入れやすいエッセンスが含まれた商品の方が良く売れるんです。そのあたりでデザイナーさんと我々の間でズレが生じることが多くて、今は私が考えています。

孝橋

当然のことですが、クリエイティブは売れる、買っていただけるように考えるものですからね。

上山

値段競争に参入したくはないので、オリジナリティあふれるデザインのアイテムを作りたい。だからといって最先端のデザインが欲しいわけでもない……。そのバランスをプロのデザイナーさんに伝えるのが難しくて、結局自分でやってしまっている状況です。私的には任せられるモノなら任せたいという想いと、自分でやりたいという想いの狭間で揺れているのかもしれません。自分の仕事を経営だけに特化してしまうと面白味に欠けてしまうという想いもありますね。

「使いたい」じゃない。「売れる」が重要。

商品

上山

ウェディングぺーパーアイテムは、大手にはできないことをいかにやっていくかが勝負。あとは自分たちの感性でかわいいと思うモノを作っています。それが原点であり、昔から変わらないですね。

孝橋

感性でのチョイス、大切ですよね。印刷会社は、どうしても新商品のあの紙を使いたい、最新の印刷技術をおすすめしたいという、新商品や新技術の押し売りのような営業スタイルになりがちなんです。でも、本当に必要なのはエンドユーザーさんに売れる提案。私もそこは常に注意してお客様とお話するようにしています。あとは、マメに情報収集をするようにしていますね。

上山

先ほどお話ししたように、私たちもお客様のことを常に考えてモノづくりをするようにしています。孝橋さんは紙や印刷の情報をどうやって集めるんですか? 私も、新しい紙や面白い印刷技術などの刺激が欲しいです。

孝橋

展示会やイベントに足を運ぶようにしています。やはり、印刷やパッケージの提案では、その瞬間のトレンドを反映させることが必要なので。展示会やイベントなどを数多く見て、それを来週や再来週の提案に反映させる感じですね。上山さんがウエディングペーパーを企画する上で大切にしているキーワードは何ですか?

上山

目指しているのは、キーワードにすると『大人の上品なかわいさ』といった感じでしょうか。たくさんの人に気に入っていただくために幅広いラインアップを揃えているつもりですが、取引先さんからは「コータコートさんらしいね」と言われるので、自分で感じている以上に偏っているのかも(笑)。ただ、お客様が望む価値を表現できているかは、全アイテムで重視しています。そのあたりに共通点を感じていただけたら嬉しいですね。

孝橋

もしかしたら新しい技術よりも、既存の技術をうまく組み合わせて新しいモノを生み出す方が、受け入れやすい新しい価値を生み出せるかもしれませんね。

上山

既存の技術を組み合わせて、新しい価値生み出すと、手を出しやすいオシャレな目新しさが生み出せるのかもしれませんね。

孝橋

パッケージは、オリジナル性や細かい対応をやっていく中で、複雑なデザインや形状を小ロットで生産する傾向が顕著になってきているんですが、ウェディングペーパーアイテムはいかがですか?

上山

差別化するために、立体感のあるモノや変わった形状のモノが増えてきて、以前作ったアイディアや素材の流用は難しくなってきていますね。現在、当社のアイテム数は約60種類以上。まだまだ増えそうです。

人のつながりがアイディアにつながる

商品

孝橋

上山さん自身はウェディングペーパーアイテムの情報をどのように集めるんですか?

上山

もちろん文房具屋さんなどで市販のカードを見ることもありますが、そこではデザインよりも紙の抜きや印刷など加工技法を見ます。デザイン面では雑誌や現物も含め陶器や着物、あらゆるものから、エッセンスを見つけることが多いですね。孝橋さんはどのように情報収集をしておられるんですか?

孝橋

パッケージデザイン協会に入っているので、仲間からの情報も多いですね。そういう人とのつながりがあると、展示会を見ることに加えてその人に会いに行くことにもなるので、ただ見るだけとは違う新しい情報が入ってきます。それ以外では、facebookなどで連絡を取り合っていると、興味あるイベントや情報が自動的に入って来るようになりました。人と人とのつながりが情報収集に生かされていますね。

孝橋

これからの目標は?

上山

今はウェディングペーパーアイテムに特化していますが、もう少し可能性を広げてみたいという想いもあります。

孝橋

ネット通販を本格的に始められたのは?

上山

コータコートを知らない方々に知っていただきたいという想いがあって始めました。意外なのは、卸やホテルに販売しているアイテムとはまったく違うモノがネットでは売れ筋になっているんです。ウェディングペーパーはさらに販路を広げ、同時に将来に向けて新しい取り組みも始めたいと思っています。そのアイディアは、まだ全然思いつかないんですが(笑)

(有)コータコート

住所

大阪市天王寺区上本町7-1-6

URL

http://www.cote.co.jp/

クロスポイント Vol.29

公開

2011年12月12日(月)

取材・文

株式会社ショートカプチーノ 中 直照氏

取材チーム

株式会社明成孝橋美術 孝橋 悦達氏

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