モノプラス(株)×(株)ライフサイズ×(株)ファイコム

クリエイターと職人をつなぎ、新しい市場を開拓したい。

大音氏

デザインモデルや試作品をはじめとした、少量生産品の製造サポートを行うモノプラス株式会社。代表は中小企業診断士の肩書きを持つ大音(おおと)和豊氏。自ら工場を持たずに、数多くのモノづくりの職人をネットワークすることで新しい市場を切り開こうとする大音氏に、建築設計や空間&プロダクトデザインも手がけるライフサイズの杉山氏、南氏と、企業広報、販促活動をサポートするファイコム代表・浅野氏がインタビューしました。

モックアップは、カタチから色へ。

製品

モノプラスさんは、どんなお仕事をされているんですか?

大音

プロダクトデザイナーなどが主な顧客になるのですが、ノートパソコンや携帯電話、家電の場合、イメージされた製品をいきなり金型に起こして製造するのではなくて、まずデザイン検証用の試作品を作ります。現在のメインビジネスはその試作品製造の部分ですね。この試作品をモックアップというんですが、この部分は大手メーカーでも外注しているんですよ。

試作品によっては、加工機械がなかったりしませんか?

大音

実は、弊社はモノづくりの会社ですが、自社工場は持っていなくて、製造はすべて協力工場が行います。その理由は、一つの試作品を作るのに、塗装や印刷、成形など、様々な加工が多岐に渡って伴うんです。試作品は基本的に少量生産なので、それらをすべて自社でやるよりも、ネットワークを使ってやる方が安くできるんです。そこで、私が試作品製造の仕事を受注し、私が持っている工場のネットワークを活用して試作品を製造します。いくつかの工場が持つ技術を結集して、一つのモックアップを作ります。

浅野

昔は、コンペの際に先鋭的なデザインのモックアップを作って、アテ馬にしていたと聞いたことがあります。最近は、モックアップを作らないケースもあると聞きますが本当ですか?

大音

アテ馬は減りましたね(笑)今はPCの3D画像で最終決定を行い、モックアップを作らないケースもあります。また、最近は塗装バリエーションの依頼が増えていますね。色は本当に大変なんですよ。青といっても人によってその色は違います。この仕事をはじめてから、色は無限にあるのだと実感しました。

浅野

色に対してはかなり気を使いますか?

大音

そうですね。基本的にこの世に存在しない色を言われるので大変です。「あの赤いコップの粒子感とツヤで青色のバージョン」という感じのオーダーですね。もちろん、サンプルやチップをもらいますが、最終製品のイメージをしっかり確認しておかないと、サンプル通りに仕上げても微妙な調整の段階で安っぽくなってしまいOKが出ません。クライアントのイメージを職人にうまく伝えるのが弊社の役割です。

ネットワークの拡大と質が生命線。

取材風景

浅野

モノプラスさんの仕事って、モノづくりの範囲を超えて、協力工場の技術を発掘して活用するという、協力工場にとっては相当うれしいサポートですよね。ビジネスのカギはモノプラスさんのネットワークだと思うのですが、ネットワークは何社ぐらいあるのですか?

大音

コアとなる取引先が10?20社、トータルでは100社を超えます。もちろん得意分野や納期、おおよその価格帯を全部把握できている工場の数です。ネットワークを広げるために、インターネットや産創館の交流会なども活用しますよ。いろいろな素材を扱えないと役に立てない。だからネットワークでたくさんの企業を繋いでおかないといけない。やはりこの仕事をやる上ではネットワークの質と数が重要ですから、常にアンテナは立てています。

浅野

その工場をネットワークに加えるかどうか判断する基準は、どういったものですか?

大音

まずは設備で判断しますね。職人であるほど、できるできないの判断をはっきりしてくれます。ただ、人柄や対応は、一緒に仕事してみないとわからないですね。デザイナーさんはどうしているんでしょうか?

杉山

周囲に評判を聞きますね。また、信頼できる人から紹介してもらった方は、比較的安心してお願いできますね。逆に仕事の進め方が危うい人から紹介された人は、危ういケースが多いかもしれません(笑)

取材風景

目指すは、消費者側を向いた少量生産メーカー。

杉山

店舗内の装飾などは、一つだけ作る場合もあるんです。サインやオブジェ、展示什器としてお願いしたら、そのまま商品になりそうですね。展示会ブースのデザインもやるんですが、“絵に描いた餅”の部分が多かったんですよ。予算もありますが、展示会の表現の幅が広がりそうでワクワクします。

大音

実は、たくさん作るよりも1個、2個だけ作る方が大変なんです。普通の業者に頼んでも、少量だと作ってもらえません。でも、間もなく大量生産、大量消費の時代は終わり、少量の物を欲しい人に的確に供給するというモノづくりのスタイルにシフトしていくのはないかと思っています。ですから、今の仕事だけではなく、市場は小さくても消費者にマッチングした製品を少量生産したいと思っています。メーカーになりたいんです。

杉山

店舗の装飾品や展示会の什器などは、大量生産するわけではないので、少量生産ができる工場をご紹介いただけるとうれしいです。

大音

ぜひ、中小企業のお手伝いする仲間として一緒にやりたいですね。

杉山

実は、ある会社から健康器具のプロダクトデザインを依頼されているんですが、途方に暮れていまして……。クライアントは機能的な面を完成させて、これ以上はできないと、相談に来られているんです。機能面しか考慮されていないプロトタイプを売れる状態までもっていってほしいと。まず小ロットで製造し、大手に売り込みたいんです。後日、ぜひ一緒に打ち合わせに行ってもらえませんか?

大音

ぜひ、ご一緒しますよ!

杉山

よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。

後日談

この取材後、ライフサイズ杉山氏とモノプラス大音氏は、杉山氏が相談を受けているクライアントの元に打ち合わせに訪問しました。大音氏の仕事を知ったクライアントには、大変喜んでいただけたそうで、杉山氏が商品開発の推進役を、大音氏がモックアップ制作の役割を担い、商品化に向けて大きく前進することになったそうです。
商品化、楽しみにしています!

モノプラス(株)

住所

大阪市北区梅田1-11-4-1100
大阪駅前第4ビル11F

URL

http://www.mono-plus.jp/

クロスポイント Vol.19

公開

2009年12月24日(木)

取材・文

株式会社ショートカプチーノ 中 直照氏

取材チーム

株式会社ライフサイズ 杉山 貴伸氏 南 啓史氏 / 株式会社ファイコム 浅野 由裕氏

« 前|和紙商小野商店×つくり図案屋

記事一覧

山田書籍(株)×(有)ガラモンド|次 »