中川鉄工(株)×langDesign

ローテク部分が育ちにくい現状だからこそ、着実に伸ばしていこう。

大阪市城東区に、大正6年から90年間、機械加工一筋の会社、中川鉄工がある。昔ながらの汎用機を駆使して加工できるエンジニアを日々養成し、創業100年を目指すと意気込む社長の中川裕之さんは、4代目にあたる若き経営者だ。現在の取り組みについてお話をおうかがいしました。


4代目社長、中川裕之さん。

異業種交流会が視野を広げてくれた。

浪本

中川さんは異業種交流会などいろいろな交流会に参加されていますが、どういう期待があって参加されていますか?

中川

工作機械のメーカーに入社して、そこでしばらく修行してから弊社に戻ってきて10年ぐらいたちますが、専務になったときに、会社をつぶしてはいけないという気持ちがずっと頭にあったんです。景気が悪くなってジリ貧になって考えがちで殻にこもっていたと思います。そんなときに先輩経営者に引っ張ってもらったのが発端だったんです。

駆け出しの頃は自分の会社のPRすらできませんでした。これじゃいかんと思って、共同受注グループ(OPM会)に誘っていただきました。そこはうわべだけのつきあいだけじゃなくて、いわゆる飲みにケーションがありました。

入ってよかったのはOPM会の構成が、60代、50代、…と各年代層の方が何名かずつ参加されていたんです。

当時、関空ができるということで大阪府が中心となって、共同受注グループということで、立ち上がった研究会なんですが、年代層のよって悩みがあるわけです。若いわれわれは先走りがちなんですが、先走ったら上から横やりが入る。そういうふうにして会が活性化していったわけです。悩みの相談ができました。

父とも相談して、やっぱりこれから第二創業していかんと先が見えてこないと思って、2000年ごろから、いろんな方面の異業種交流会に参加しました。OPM、OWO、KNSなど、お世話になっています。これからの絵を描く上で、勉強させてもらっている部分があります。

浪本

情報交換の場というのが大きいですか。

中川

そうですね。世の中が求めるレベルがわかったのが大きいですね。OWOでは航空部品の品質の要求がよくわかりました。コスト要求、納期要求に関して、世の中はこれだけ求めているのよ、というのがわかって視野が広がりました。私どもは本気にまごころで接する経営理念ですからどうしても、ぐっと入っていってしまうわけです。

浪本

それが意識している付き合い方というか、長く続く方法ですか?

中川

そうですね、どこか困っている人がいると聞くと、そこに信頼のおける方がいますよ、と橋渡しができるし、やったことは自分に返ってくる世の中ですからね。持ちつ持たれつですものね!!

クリエイターと接点を持つことで、
自社の強み弱みを分析できる。

取材風景

浪本

参加者もモノ作り系が多いのですか? いわゆるデザイナーとの協業は考えておられますか?

中川

会社のパンフレットを堺市のほうのクリエイターさんに頼んだのですが、やっぱり自社の強みや弱みを、いろいろとヒアリングいただくわけで、分析をやってもらっているのと同じですね。もう一度見つめなおして、良い部分を引き出していただけたと思います。

浪本

いろんなところが見えてくるかもしれませんね。

中川

そうですね。元々こういう広報物にお金をかけない業界だったんです。だいたいルート営業の業界ですから。日常の業務の中で考える時間がないのが現状ですね。最近いろいろな賞とかに応募させてもらうのですが、そういうものに応募することで会社を見直す機会もありますね。

浪本

クリエイター選びは、交流会などで情報を仕入れたりするんですか?

中川

そうですね。最近認識が変わりましたけど、正直なところお金をかけるのが嫌でした。今までは自分の会社でつくって、カラーコピーして何枚か持って行くだけで事足りたんです。有効活用できてない企業さんが正直多いと思いますね。

浪本

カラーコピーしていた頃と反応は違いますか?

中川

まずデザインが違いますね。私らがつくると胡散臭いものしかできませんからね(笑)。ぱっと見て雰囲気が伝わってくるから、やっぱりプロやなあと思います。当社の売りは前社長の笑顔です。誰かが言っておられたのですが、笑てると営業がやりやすいですよね。


職人的加工技術と最新のNC加工技術の融合が、モットー。

ローテク技術の底上げが課題。

浪本

バイト

一番のこだわりはどんなところですか?

中川

小さいながらも、きちっとした会社として継続して行こうということです。家訓がありまして、会社を拡大していく路線が世の中の風潮だったでしょう。でもうちは、鉄工所を大きくしたらあかんというのがあるんです。

時代はNC化というか自動化してきている。自動機だけではできない品物が結構あるんです。陸上の砲丸なんか手でつくっておられるわけですよ。自分でつくりあげていくような仕事をこれからも伸ばしていこうと思うんです。ローテク部分での設備投資もやっているわけです。

今の現状はローテク部分が育ちにくい。うちはここを着実に伸ばしていこう。そのへんがこだわりですね。だから仕事はニッチな部門なんですよね。時間短縮、納期短縮、コスト短縮。三つあるわけですが世の中はそういう仕事があふれてくるはずです。そういう作業をする方がいなくなっちゃうから、今教育している状況です。

浪本

具体的に若い人への育成はどうやっているんですか?

中川

技術者が3人いまして、そういう人間がいわゆるOJTを行っています。

浪本

若い人のモチベーションをあげる試みのひとつにメーカーになる、というか直販という手があるかもしれませんね。今日はありがとうございました。

中川鉄工(株)

住所

大阪市城東区関目2-5-17

URL

http://www.nakagawa-iw.com/

クロスポイント Vol.11

公開

2009年01月27日(火)

取材・文

狩野哲也事務所 狩野 哲也氏

取材チーム

株式会社ランデザイン  浪本 浩一氏

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