
「クリエイターズファイル」は、メビック扇町の周辺・大阪市北区を中心に、市内各地で活動している「この街のクリエイター」を、クリエイターの視点で紹介するインタビュー記事です。
池田樂水さん…風流な名前を聞き、どんな人物だろうと楽しみにしていた。JR大阪天満宮駅にほど近い株式会社レグのオフィスを訪れ、奥から現れた池田さんは、クリエイターらしい風貌の若い男性。「樂水という名前は雅号なんです。僕、書道もやっているので…」確かにオフィスの奥には、美しく流れるような文字が書かれた大きな半紙が貼ってある。席をすすめられて話を聞いていくうちに、「ただものではない」池田さんの素顔が見えてきた。

池田さん(左手前)と、レグでライター
を務める三島さん(右奥)
二人は以前勤めていた
デザイン会社からの長いつきあいだそう
「レグは、僕と元々ラピトにいた営業の者と二人で作った会社なんですよ。」と語る池田さん。株式会社レグができたのは約10ヶ月前。総合企画から印刷までを行う株式会社ラピトのデザイン部が前身だ。「印刷が価格競争に入る中、デザインはおまけのようなものでした。これではいけない。デザインもクオリティーを上げて、売り上げに結びつけないと、とラピトの高岡社長を説得したんです。」そういう池田さんは、その当時ラピトのデザイン部にいたのかと思いきや、「そのときはフリーとしてラピトとつきあっていたんですけどね。」フリーという立場であるにもかかわらず、新しく会社を立ち上げるという大仕事を社長に任されたという。その人望と信頼はただごとではない。いまや池田さんは、株式会社レグのディレクターとして、営業を含めた8人の社員を引っ張っているリーダーであり責任者だ。

手前はオリジナルブランドで制作した
ぬいぐるみ
池田さんはデザインの専門学校を卒業後、3年間デザイン会社に勤務。その後7年間フリーとして活動していた。その期間に多くの人と出会い、それが今の池田さんを作り上げてくれたという。「僕自身は無力なんですよ。でも周りのすばらしい人たちが僕を引っ張ってくれた。だから今の僕があると思っています。」人との出会いを大切にし、新しい出会いがあるたびに自分のチャンネルを増やしてきた池田さん。その多才ぶりはデザインにとどまらず、書道、絵画、オブジェ制作と幅広い。フリー時代にはアーティストと一緒にオブジェブランドを作り、有名アパレルショップで販売。あっという間に完売したという。人と出逢い、そこからスポンジのように多くを吸収する。それを自分の中で熟成させ、新しいチャンネルで外に向けて発信する。「僕が何をしている人間かと聞かれると、人によって言うことが違うんですよ。」と笑う池田さん。まるでプリズムのように、いろいろな角度から人を魅了する天性の持ち主なのだ。

レグ社内風景
(左の書道作品は池田さんの作品)
制作した作品
「レグは始まったばかり。スタッフ一人一人はスキルがあるけれど、それが集まってシナジー効果を生み出すという段階にまではいたっていません。レグが一つのユニットとして融合し、動き始めるともっと面白いことができそうだと思っています。」現在31歳の池田さん。心には常にこの先への野望と期待が入り交じっている。「もっともっといろいろな年代の人と関わって、意見を出し合って、分け隔てなく可能性をひろげていきたい。そして出逢った人その人だけでなく、その人の持っているものや周りに潜んでいるリソースにも敏感でいたいんです。」そう語る目には、確かに年代を感じさせない落ち着きと、子どものような無邪気さが混在しているように思える。これから先に起こる様々なできごとも、持ち前のひたむきさと柔軟さで乗り越えていくのだろう。「僕には興味のあるジャンルっていうのはあるのですが、嫌いなジャンルってないんです。どんなことでもチャンスがあればやってみたいと思う。」と語る池田さん。若き期待のリーダーの挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。
クリエイターズファイル Vol.48 公開:2008年08月19日
聞き手:(株)ファイコム 浅野 由裕氏
文:langDesign 岩村 彩氏

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高岡 明彦
グラフィックデザイン, ブランディング, プロデュース, コピーライティング, イラスト
「(株)レグ」