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クリエイティブクラスターGRAPHSHOP(グラフショップ) 山本 啓二氏・金森 祐樹氏
グラフィックデザイナーの山本啓二さんと金森祐樹さんによる「GRAPHSHOP(グラフショップ)」。キャラクターを使った広告やプロダクトを展開するデザインユニットだ。学生時代からの仲間だというお二人に話を伺った。

グラフショップが本格的に動き出したのは2005年。ユニクロ・クリエイティブアワードで「トップセレクション」を受賞し、デザインしたTシャツが世に出回ったことがきっかけだった。「その時、膨大な応募数の中でどんなデザインが審査員の目に留まるかを考えたんです。かっこいいデザイン、シンプルなデザイン、いろいろあるけれど、必ず『キャラクター枠』というのもあるはずだと」。さらに「年齢層幅広く愛されるブランドなので子どもにも喜ばれるデザインで」と、山本さんが描き溜めていたキャラクターの中からサルのデザインで挑むことにした。
二人の思惑通り、その作品は見事入賞。2万通もの応募の中からたった60作品という狭き門だった。
「人間は、キャラクターというものを本能的に見てしまうんだと思います。無意識に印象に残るので訴求力も強い。ユニクロの受賞でキャラクターの強みを再認識しました」。

山本さんがキャラクターを作り、金森さんがデザインするというのが仕事のスタイル。
金森さんいわく、「僕はシンプルなデザインが好きなんですが、山本はときどき自分にはない引出しからキャラクターを出してくる。びっくりするような構図や色…それをどうデザインで仕上げようかと悩むことは多々あります。でも、出来上がったデザインを誰にダメ出しされたら悩むって、山本にダメ出しされるのが一番凹みますよ」。
対して山本さんは、「こんなん(キャラクター)渡したら、どう料理(デザイン)しよるかなとか、それが楽しみでもありますね」。どうやら確信犯のようだが、信頼しているからこそできること。山本さんのイタズラ(?)に頭を抱え込む金森さんの姿が目に浮かぶ。
今でこそお互いの実力を認め合う二人だが、「合作」というスタイルに至るまで、何年もの間別々の道を歩んでいた。
金森さんは、卒業後すぐに就職したデザイン会社を「理想と現実のギャップに折り合いを付けられず」辞めてしまう。「それからは、フリーでフライヤーなどのデザインをしながら、運送屋やフィギュアショップなど全く違う世界で働いていました。世の中を広く見ることができたこの間に、『時代の空気感をとらえる』感覚が身に付いたと思います」。
山本さんは、卒業後10年間の会社勤めを。経験2、3年で独立するデザイナーが多いこの世界では長い勤続年数だ。「『学ばないと何も生まれない』という思いで、最初から10年は会社で経験を積もうと決めていました。自分の力に納得した上で独立したかったんです」。
組織の中であらゆる分野のデザインを経験し、デザイナーとしてのキャリアを着実に積んできた山本さん。そして、時代のニーズを素早くキャッチし、事業の方向性を見極めることにも長けた金森さん。この10年間でそれぞれに培った二人の経験と能力が、現在のグラフショップの強みに繋がっている。

「ボートピアうめだ」のキャラクターは、「競艇」らしからぬ可愛いさが話題だが、実はこれもグラフショップが仕掛け人だ。最初はテイクフリーのポストカード用のデザインだったが、評判が良かったことでキャラクター展開が決まった。「キャラクター展開というアイデアが、『女性や家族連れにも楽しんでほしい』というクライアントのニーズにぴったりハマった。競艇の男性的なイメージを変えることが狙いでした」。
グラフショップのキャラクターは、「キャラクター単体ではなく、広告コンセプトに基づいたデザインの表現方法のひとつとして提供できる」のが強み、と語る。
「ボートピアうめだ」のキャラクターには、グラフショップの名前でCマークを入れることも実現した。

山本さん(左) 金森さん(右)
最近、学生たちから「会いたい」「話が聞きたい」という問い合わせが来るようになった。それらを受けるたび、デザイナー志望の学生たちに少しは夢を与えられているのかなとも思う。
「『自分が作ったものを名前入りで世に出したい!』と思って学んでいる学生は多いと思います。そういうのが学生時代に思い描くデザイナー像であったりしますから。それが今出来ているというのは自分たちの誇り。本来、デザイナーは受け身な仕事だと思いますが、僕たちはその存在自体がグラフショップのおもしろいコンテンツでありたいと思っています」。
今後は、キャラクターを使ったデザインワークを展開しつつも、「展示会の場を幼稚園に設けて園児たちと展示を完成させる」など、デザインを軸にしたイベントで人と繋がっていくことも考えたいと言う。
「GRAPHSHOP(グラフショップ)」とは、ギャラリーやショップのように、誰もが気軽にデザインに触れられる場所でありたいという想いで付けた名前。「大人も子どももみんなが集って、デザインを楽しめる存在、場所になれればいいですね」

2010年03月12日(金)
(株)ビルダーブーフ 久保 のり代氏
(株)アールコンシャス わかはら 真理子氏
〒538-0035
大阪市鶴見区浜
http://www.graphshop.net/
山本 啓二
キャラクターデザイン, VIデザイン, SPデザイン, イラスト, アート
「GRAPHSHOP」