Sleipnir』や『Grani』という名前を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。フェンリル株式会社は、インターネットを見るためのブラウザソフトをはじめとした様々なソフトウェア開発を行っている。今回は社長の柏木氏にフェンリルが追求するこだわりやiPhoneアプリ開発のきっかけや狙い、これから目指す方向をおうかがいした。

"> Sleipnir』や『Grani』という名前を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。フェンリル株式会社は、インターネットを見るためのブラウザソフトをはじめとした様々なソフトウェア開発を行っている。今回は社長の柏木氏にフェンリルが追求するこだわりやiPhoneアプリ開発のきっかけや狙い、これから目指す方向をおうかがいした。

"> Sleipnir』や『Grani』という名前を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。フェンリル株式会社は、インターネットを見るためのブラウザソフトをはじめとした様々なソフトウェア開発を行っている。今回は社長の柏木氏にフェンリルが追求するこだわりやiPhoneアプリ開発のきっかけや狙い、これから目指す方向をおうかがいした。

"> 開発者も経営者も、根底に流れる「世の中にハピネスを」は変わらない。 - 柏木 泰幸氏:フェンリル(株)|メビック

開発者も経営者も、根底に流れる「世の中にハピネスを」は変わらない。
柏木 泰幸氏:フェンリル(株)

Windowsユーザーならば『Sleipnir』や『Grani』という名前を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。フェンリル株式会社は、インターネットを見るためのブラウザソフトをはじめとした様々なソフトウェア開発を行っている。今回は社長の柏木氏にフェンリルが追求するこだわりやiPhoneアプリ開発のきっかけや狙い、これから目指す方向をおうかがいした。

『技術にも、デザインにも』こだわること。

フェンリルロゴマーク

柏木氏は、個人で『Sleipnir』を開発していた時代に、ソフトウェア開発機材を泥棒に盗まれるという事件に遭遇した。しかし、ユーザーの声に後押しされ、開発を継続して起業したという経験を持つ。
「ソフトウェアは、技術とデザインにこだわって作ったアウトプットのひとつというだけです。速さや正確さや使いやすさ、デザインの美しさなど、自分たちが細部までこだわって作ったものが、利用者に評価されるのならば何でもよかったんです。“多くの人がこだわれない部分にこだわったものを作る”という思いを表現する手段が、私たちにはソフトウェア開発だっただけです。将来的にはハードウェアを開発するかもしれません。」
“フェンリルのビジュアルは、すべてソフトウェアに凝縮されている”という思いから、柏木社長の姿がメディアに登場することはもちろん、会社の所在地すら公表していない。まさに、開発したソフトウェアがフェンリルそのものだ。

『Sleipnir』をはじめとしたフェンリルのソフトウェアは、特にデザインの美しさや使いやすさが多くのユーザーに評価されている。
「個人で開発していた時、ユーザーに喜んでもらうにはどうすべきかを考えたら『他の人にできないことをやろう』という結論に至りました。大手のソフトウェアベンダーであれ、エンジニアが一人で作っているソフトウェアであれ、デザインの優先順位は下がりがち。私自身もそうでした。でも、そこに重きを置くことで独自色が出せると考えました。今後も、さらにデザイナーを関わらせてデザインやユーザーインターフェイス(以下UI)にこだわっていきます。」

iPhoneアプリ開発はデザイン資産を底上げした


フェンリルウェブサイト

フェンリルでは、Appleの製品であるiPhoneアプリの開発も行っている。それまでは、Windowsソフトウェアの開発のみだったという。参入した狙いをたずねてみた。
「Windowsソフトウェアは、どちらかといえば技術志向。いかにロジカルにプログラムが設計できているかを重視します。Appleの製品は、高度なデザインによって直感的に操作できます。ユーザーやエンジニアは、ソフトウェアがプログラムのスピードだけじゃないことを理解しているのだと思います。このように、技術以外の部分に評価軸を持つAppleユーザーに、私たちのデザインを楽しんでいただきたかったんです。」

また、社内のデザイン意識の向上にも良い影響を与えることを期待していたという。
「UIやデザインに対する意識が高いAppleユーザーを満足させられるUIを社内で制作することで、社内にデザインに対する意識や自信の向上をもたらし、さらには技術的な資産も蓄積できると考えました。その目論見は成功しています。」

制度ではなく、経営者の心意気が会社の成否を左右する。


黒と白のコントラストが
美しいエントランス

とかく過酷な労働環境といわれがちなエンジニアの職場。自らもエンジニアの柏木氏に、働く環境についての考えをたずねた。
「私の中には“幸せに生きるためには会社に多く拘束されるべきではない”という思いと、“時間を掛けた人が偉いわけではない”という思いがあります。また、小さな組織で大きなエネルギーを生み出すには、性善説的な制度を備えた環境が必要だと思います。ただ、性善説的な制度を維持するには、深い理解が必要。そのため、会社全体に対して影響を持つ部長・取締役のような上層部は、常に高い道徳心や愛、厳しさといった“心意気”を持ち続けなければなりません。」

さらに、フェンリルが世の中の厳しい流れに立ち向かうために、同じ志を持つ人が集まる場でありたいとも願っている。
「フェンリルの各クリエイターは、ソフトウェア開発の世界では、小さい魚かもしれない。でも、私たちが同じ志を持ってフェンリルから発信することで大きな魚となり、世の中という大海に立ち向かえればと思います。今もフェンリルでは、幅広いフィールドで活動できるデザイナーを求めています。我こそはという方はぜひご連絡を。一緒に働きましょう!」

フェンリルに関わる人すべてに、より大きな「ハピネス」を。

事務所風景

柏木氏が頭の中に描く“未来のフェンリル像”は、どんどん広がっている。
「言われた通りに動くのではなく、“考えて行動する力”と全力で一生懸命に取り組む心を持った人が集まる会社にしたい。その中で技術とデザインに特化して、ユーザーに“ハピネス”が提供できる製品を作っていきたいです。ユーザーの“笑顔=ハピネス”は、エンジニアのエネルギーです。会社が大きくなれば提供できる“ハピネス”も大きくなりますから、これからも会社を成長させていきたいです。一番素晴らしいのは、起業によって自分にないスキルを備えた人が集まってきてくれて、今まで作れなかったソフトウェアが作れるようになったこと。今が本当に楽しいです。」

公開日:2009年12月03日(木)
取材・文:株式会社ショートカプチーノ 中 直照氏