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クリエイティブクラスタークリエイティブハウスおくむら 奥村 恵美子氏
海外の映画祭で注目を浴びる日本人、奥村恵美子さんの活動拠点は大阪だ。奥村さんは天神橋筋商店街が好きで、天神祭りを楽しみにする筋金入りの天満人だ。大阪の街から世界を見つめてきた奥村さんは、今後どんなことを考えているのだろう。気さくに話してくださる奥村さんにお話をおうかがいしました。

「忘れもしません、1985年の秋のことです。社員研修の会社の社員だった頃、研修の仕事を終えて自転車に乗っての帰り道、道を横断するとき自動車に跳ね飛ばされたのです」。しばらく気を失って救急車で運ばれ、結局天六にある行岡病院に4カ月間入院した奥村さん。「大きな事故をするということは、何か生活を変えないといけないんちゃうかな、と単純に思ったんです。これからの自分の生活をどうするか、考えるきっかけになりましたね」。
そして独立の道を選び、1986年に天神橋筋1丁目のマンションの一室に事務所を構えた。「フリーになったら大阪市北区で、と決めていたんですよ。自分で映像の企画をして、時には台本を書いたりする毎日でした。ずっと企業のPRビデオをつくってきたんですが、2000年に運命的な作品が完成したんです」。それが、「六甲の山荘 在Be」という作品。「この映像作品がはじめて完成したときに、いろいろなところで上映したいな、みんなに見せたいな、と思ったんです」。
「2000年10月、15周年記念パーティーを開催した際、六甲の映像作品を流してみんなにお見せしたんです。来てくださった建築家の石丸信明さんが、『すばらしい、英語版をつくって世界にアピールしたらいいのでは?』とアドバイスしてくださって、それでワールドメディアフェスティバルとか、3つの海外の映画祭に映像を出品したんです」。

ワールドメディアフェスティバル授賞式
「びっくりしたことに3つの映画祭に応募したら、3つとも受賞したんですね」。ドイツ・ハンブルクでは奥村さんの作品が1番目に上映された。「日本ではあまり実感がなかったんですが、他の海外の作品と比べてみて、何か私たちは違うことをはじめているかもしれないと思ったんです。静かだし、語りも少ない、ひょっとしたらこれが日本らしさなのかな、日本の美学ってどんなんやろ、ということを考えはじめたんです。私たちのつくるものは無意識に日本的なものをつくっていると思うんですよ。無意識の中にあるものを意識することで自分の自信につながったりするじゃないですか。そのあたりのスタートは、海外で評価されてからだったんですよね」。
「毎朝1時間、運動のために大阪天満宮まで歩いているんですよ。天神橋筋商店街は12年間過ごした思い出の街です。いま知り合いが1丁目で立ち飲みバーをやっています。マスターは私が主催する好きにせん会という交流会のメンバーなんです。通称すきせんって呼んでいるんですよ、いいでしょう、ごくせんちゃいますよ(笑)。最初は、カメラマンと建築家の3人で飲み会を始めて時々集まっていたら、だんだん人が集まってきて今60人ぐらいMLに登録しているんですけど、とにかく仕事の話はせずに、ただ飲む(笑)。自然にそうなったんです。みんなが楽しく話ししているのを見るのが好きなんです。この天神橋筋界隈が好きで、祭りのときは以前住んでいたマンションの下にカステラ焼きの店が出て、あー、今年も祭りがきたーと思ってました(笑)。便利やし、いろんな要素があって、魅力ありますよね、この街」

好きにせん会にて、もちつきや、蕎麦刈りをされている様子。
「特に私が印象に残っている映画はリュック=ベッソンの「グラン・ブルー」です。私はカット版の「グレートブルー」の方が好きなんですけどね、、、。自分がまるで海の中に入っているかのような錯覚に陥るような映像だったんですよ。私自身が作りたい作品は、文化として残るもの。文化として残るものということは消耗品ではないということですね。何回も見られる、後世の人にも見てもらえるものをつくっていきたい。そして余白のある映像も意識しています。見ている人が映像の中から何かを感じ取れる、見ている人が何かを発見して完成できる映像を目指したい。それが日本的な映像表現のひとつのように思えます。

左からフランスの街であるアヌシー、ストラスブール、パリでの上映会の様子
これまでドイツだけではなく、フィンランド、フランス、ベルギー、アメリカで上映会をしてきました。映像は世界共通言語だと思っていますので、映像を通した文化の発信や交流をこれからも行っていきたいですね」。

〒530-0042
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奥村 恵美子
映像, 建築, 日本, 交流, 技術
「クリエイティブハウスおくむら」