
みなさん、お久しぶりです。
あっという間に夏本番。暑い日が始まりました。
私は最近、現代アートに少し関心を持っています。
これまであまり関心がなかった分野だけに、知識はゼロに近いのですが…。
でも全く知らないジャンルを覗き込むことは
何かしら新しいヒントを見つけたり、自分自身の視野を拡げたりでき、
わくわくドキドキ。好奇心をそそられます。
そんな中、最近2冊の本に出会いました。
ギャラリストで、奈良美智さん、村上隆さんを発掘した小山登美夫さんと、
元金沢21世紀美術館館長である蓑豊さんの著作です。
いずれも、インキュベーション(BI)施設を運営する私にとって、
参考になる重要な示唆を数多く含んでいるような気がしました。
小山さん曰く。
ギャラリストは、アーティストの作品を単に売買する画商とは異なり、
ギャラリーという「場」を通して、企画展示等を行うことにより、
アーティストを育て、世に出していくことが使命であると。
そこでは、ギャラリーという「施設」に魂を入れるために、
ギャラリストがアーティストを売り出す努力をしていることがうかがわれます。
まさに、インキュベーションマネージャー(IM)が
創業まもない起業家の自立・成長に向けて、
BI施設で様々な支援を行うように、
単なるレンタルオフィスではない
BI施設の姿と重ね合わすことができそうです。
一方、蓑さんは、美術館にも経営哲学がなければならず、
集客に対して徹底的に知恵を絞って可能性を追求することが大事だと。
そのため、地元の小学生4万人の招待、
無料スペースの充実、来館者サービス教育の実施、
現場感覚のある学芸員の確保、東京・香川・金沢の3美術館連携などなど、
金沢21世紀美術館では、施設を生きたものにするために、
館長を筆頭に、そこで働くスタッフにより様々な工夫がなされています。
蓑さんが書いているとおり、金沢21世紀美術館のように有名になると、
他の美術館から多くの見学者が来るが、
見学後、「うちでは無理です」と諦めて帰る人が多いとのこと。
先日、我々の施設に来られた某自治体の関係者も、
メビックの話を見聞きして「あまりにも違いすぎる」と
半ば諦め顔で帰って行かれたのを思い出しました。
しかし、現場ではいつも試行錯誤の連続。挑戦と失敗の繰り返しです。
良いことばかりではありません。
日々悩みながら活動しているのが現状です。
「何のために誰のためにやるのか」
を明確にし、できるところから始め、
その結果を積み重ねていくしか活路は見出せないと思います。
「違い」や「差」に落胆するのではなく、
どうやればオリジナリティを出して面白おかしくできるのか
創意工夫をすべきではないかなと思います。
施設に魂を入れるのは、ギャラリーも美術館もBI施設も同じ。
そこで思いを持って働く「運転手」=「人」にかかっていることを
忘れずにいたいと思います。