チャレンジャーズクリップ - つくり図案屋 藤井 保氏クリエイター・起業家支援施設「扇町インキュベーションプラザ」

メビック扇町の起業家紹介「チャレンジャーズクリップ

「チャレンジャーズクリップ」は、メビック扇町に入所している「起業家=チャレンジャーズ」をメビック扇町スタッフの視点で紹介するインタビュー記事です。

デザイナーからブランディング・コーディネーターへ
つくり図案屋 藤井 保氏

このクリギャラリー・第5クールをプロデュース

A! Face展チラシ

メビック扇町で開催中の「この街のクリエイター博覧会」、11月27日から展示が始まる「このクリギャラリー」第5テーマ『A! Face』のコーディネイトを務めるのがつくり図案屋の代表、藤井保氏です。

「A! Face」私達が今、提供できること

藤井さん

デザインやIT、映像といったクリエイティブ企業がメビックには多く入所していますが、それぞれの企業が何を得意としているのか、どんな仕事ができるのかが内外いずれから見てもなかなか分かりません。「自分達が何をやっているのかを絞り込んで表現し、今確実に提供できることを発信する。というのが今回の展示『A! Face』のテーマで、全6クールのリレー展の中で何を次につなげるのかな? そこらがポイント」と藤井氏は語ります。

つくり図案屋に込めた思い

つくり図案屋ロゴ

つくり図案屋という屋号で2007年3月メビックに入所した藤井氏。大阪の下町で生まれましたが、大手新聞社に勤務する父親は盆正月も無い夜勤中心で、実家で家具の錠前工場を経営する祖父を見ながら育ち、祖父の工作道具と父親の持ち帰るグラビア出版物の中で遊んでいたそうです。藤井氏が家の中にいて何かを作ったり描いたりという少年時代が、つくり図案屋の原点かも知れません。

スポーツ少年からデザイナーへの転機

中学、高校にかけてスポーツ少年に変貌したという藤井氏。中学時代のワンダーフォーゲル部から、野球や格闘技、ラグビーまで多種多様なスポーツにチャレンジする日々。現在の丈夫な体はこの頃に培われたようです。
大学に入学してから漠然と将来のことも考えるようになっていたある日、父親が急死。エリート社員として、華々しい業界で昼夜を問わず働いていた父親が亡くなったことで、藤井氏は祖父のように地味ではあるが、素材や品質にこだわり、コツコツと仕事をやっていく「個」の強さを感じてデザイナーを職業に選ぶことを決意。20歳で大学を中退し、昼間はシルクスクリーン工房や広告代理店で働きながら夜間のデザイン学校に通うようになりました。

デザイン会社は修行の場所?

打合せ風景

デザイン学校を卒業後、グラフィックデザインのプロダクション数社で勤務。当時のデザインプロダクションは、先生と呼ばれる経営者を中心に徒弟制度が敷かれ、まず行儀見習いから入り「教えているから給料これだけ、まだまだだから、勝手に覚えろ」という世界。デパートの仕事をしていた頃には「給料の代わりにチョコレートや新巻鮭」、「高級仏具一式」ということもあったそうです。
その後藤井氏は26歳の時に独立を決意。そのころは独立しなければ収入は少なく、非常に厳しい時代だったのです。

最初の独立と挫折

独立した当時、商品デザインやパッケージデザインを得意としていた藤井さんを慕って数名の人達が集まり、2年ぐらいは事務所で仲間と寝食を共にするなどして、資金難を克服していたそうです。このころの面白い話をしだしたら止まらないそうです。
その後法人化してからは、人脈と営業に強い年長者に代表をしてもらい、藤井氏は制作分野を統括していましたが、バブル崩壊後の影響で大きく揺らぐ会社の経営方針に対して意見が合わなくなり、藤井氏は放逐。その後、印刷会社で新たな企画部門の立ち上げと、デジタル化導入の担当として再出発します。

メビックを再スタート地点に選び、再び独立

スタッフと打合せ中

その印刷会社には10年以上在籍。その間に一般的なデジタルコンテンツの普及の波と共に、グラフィックデザインの他にもWEB制作、映像制作、展示会企画など数々の仕事をこなしてきた藤井氏。ただ近年、自分の思うように仕事や人に対峙できなくなってきていることで、もう一度独立したいという思いを強めていきます。自分の原点や、数人の経営者から頂いた言葉「思い出をありがとう」…。企業のブランディングや商品デザインにはそれがある。藤井氏はついに2度目の独立を決意し、メビック扇町をそのスタート地点に選びました。

ゼロからの独立宣言

事務所風景

メビックに入所した時にはゼロからのスタートでしたが、つくり図案屋としてメビックに入所したと「独立宣言」をしたことで、少しずつ紹介などでデザインの話が来たり、大手企業から声がかかって直接受注したりと、徐々に売上が立つようになったそうです。入所当初は3階創業促進オフィスの一番狭い部屋でしたが、半年後には5階のインキュベーションオフィスに移転。藤井氏は入所した頃をプロ野球の自主トレ、オープン戦に例えて、本格的な事業をする前の準備期間のようだったと話します。5階に移ってからは、より戦略的に事業を進めていく必要性を強く感じているそうです。

デザインを通したコーディネーター!

付加価値から価値へ…。メビックに入所している企業の売りと言っても様々。事業プランや考え方が売りの企業、事業の仕組みそのものが売りの企業、物やサービスが売りの企業。その企業同士をつなぎ、人、デザイン性やその成果物を通して外部の企業につなぐ。そこにメリットを感じる人々がどんどん集まり、また次につないでいく。その過程では双方に色々な業種があるので通訳が必要になる。デザイナーと言う職業を通して、トータルなコーディネートでもっと仕事を生み出せれば。それが藤井氏のメビック入所期間中における課題だそうです。

この街のクリエイターの役割とは?

メビックで出会った人を通じて意思の疎通が図れたなら、情報をお互いに交換だけでなく、発展・活用させていくことが大切と語る藤井氏。共有した情報や経験を元にプロジェクトを立ち上げ、クリエイティブを切り口に周辺企業を元気にしていく。また、対外的な知名度や理解度が向上していくことで、新たなクライアントとの出会いにつながっていく。最後にクリエイターが自分自身の新たな価値に気づき創作に反映する。そんなプラスの循環作用が働けばいい。そうした藤井氏の熱い思いが、今からどんどんメビックの内外に広がって行っていくように感じます。

チャレンジャーズクリップ Vol.69 公開:2007年11月20日
取材 文:インキュベーションマネージャー 長川 勝勇

つくり図案屋

つくり図案屋ロゴ

住所

〒530-0052
大阪市北区南扇町6-28
水道局扇町庁舎 メビック扇町5F 509

TEL

06-6364-5588

FAX

06-6364-5588

代表者

藤井 保

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