ライフサイズ総合計画事務所 杉山 貴伸氏
10月2日から12月21日までメビック扇町で開催される「この街のクリエイター博覧会」。このイベント期間中に設置されるギャラリー空間のプロデュースを手掛けるのがライフサイズ総合計画事務所だ。
代表の杉山氏とスタッフの手によって、ごく普通の会議室が、モノトーンの展示空間に生まれ変わる。そして2週間ずつ、合計6回にわたり、多種多様の「この街のクリエイター」達が、そのギャラリー空間で自らのクリエイティブを表現する。

「自分達が作った空間で、いかにクリエイター達がイメージを引き出せて、形にできるか」と同時に「僕らが作ったもので、どう驚かせてくれるか楽しみにしている」という彼らの今回のギャラリーに対する思いは、ある意味、クリエイター達への挑戦状なんだそうだ。
建築・空間デザインの道に進むことになった理由を聞いてみた。杉山氏が中学2年生だったある日、難波の地下街にある狭いはずのエスカレーター周辺を、なぜか広く感じた。壁や天井一面に鏡が貼り付けられていたため、奥行が広く感じられたのだ。その時一緒にいた兄が「建築家が空間を作っている」と言った。「そうか、建築家は空間を作れるんや」杉山氏が建築家を目指すきっかけになったエピソードだそうだ。
小さい頃の夢は考古学者になることだったという杉山氏。大昔の化石などを発掘したかったとのこと。一方、ロボットや機械の絵を描くことも好きだったという少年時代。時空を越えた太古の昔へのロマンと、そのイメージをヴィジュアル化する才能が建築・空間デザインへの道に進むことになった背景にあるのかもしれない。

大学から建築を学び、大学院へ。そこで出会った仲間は、現在の杉山氏にとって大きな存在となった。血液型が全員違う4名の仲間。一緒に年間10件以上のコンペに参加し、徐々に結束を強めていく。自分の想像以上のアイデアや物が次々と出てくる。チームで仕事をすることの喜びを見つけた学生時代だった。

杉山氏の著書
卒業後は、有名建築家の元ではなく、仕事としての建築を身につけたいと考え、組織設計事務所で働くことにした。他の仲間も同様にそれぞれが別々の事務所に就職したが、将来はもう一度その仲間でチームを組んで仕事をしたいとの思いから、月に一度は4人で定例会議をして経営などの勉強をしていたそうだ。そして独立までの期限を決め、杉山氏がまず先頭を切った。ライフサイズ総合計画事務所の誕生だ。

ライフサイズとは、等身大、という意味。その人に合った居心地のよい上質な空間を提供することが仕事だと語る杉山氏。若い人材の技術と熱意をくみ上げたいとデザイン学校の講師としても活躍している。そこで杉山氏の講義を聞いた学生が彼の思いに共感し、現在スタッフとして参加している。そしてメビック扇町に入所した今年の春からは、ついに大学時代にチームを組んでいた仲間が合流した。人との縁、つながりを大切にしていきたいと言う杉山氏の元には、これからも共にライフサイズ空間を創造したいという仲間が集まり続けるだろう。
聞き手:インキュベーションマネージャー 長川 勝勇(2007年09月25日公開)

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杉山 貴伸
「(株)ライフサイズ」