
長岡京市で育った荒川さん。小学校の頃は、パソコン好きの親戚のお兄さんの影響もあり当時はまだ8ビットのパソコンを使って、ゲームやプログラムを組んで遊んでいました。
プログラムの投稿雑誌にも掲載されたことあり、コンピュータについては幼い頃からおもちゃとして親しんでいました。
中学・高校で陸上部に所属し、高校では軽音にも熱中した荒川さん、コンピュータとは縁遠い生活を送ります。大学も経済学部に入学、起業についても意識したことはなく、アルバイトに精を出す日々でした。そしてたまたま始めたパソコンの家庭教師のアルバイトをしている時、転機が訪れます。

学生起業した頃
ある定食屋を展開している社長から、給与計算等のソフトを作ってくれないかという話を持ちかけられ、表計算ソフトを使って早速作って収めてみるとその内容とコストの安さも評価されて、他にも色々と仕事を依頼されるようになり、いつの間にか個人事業として起業することに。
その報酬は学生には大きなもので、一時は高級車に乗り、毎晩飲み歩いたこともあったそうですが、キャッシュフローを考えていなかった為、その後少しずつ借り入れも発生し、2年ほどたって事業をたたもうと決心した時には多額の借金が出来ていました。
事業をたたむ挨拶をする中で「パソコン教室を手伝ってくれないか」という話があり、「早く借金を返す為にも」と、その手伝いをし始めます。その後、色々な所から声がかかり、ある時は個人事業主として仕事を請け、ある時は役員として迎えられと、就職活動は一度もすることなく、複数の組織で20代としては異例のキャリアを重ねていきます。また、この時期にシステムについての知識を深めていきました。
そしてある会社に社長として迎えられます。
当初は順調であった事業ですが、やがてオーナーとの経営方針の違いから数年後に会社を清算することになります。その挨拶で訪れた会社でも引き続き荒川さんに仕事を依頼したいという話を聞き、改めて個人で起業することを決意します。
起業を決意した荒川さんは大阪産業創造館のあきないえーどに相談に訪れます。
そこでメビック扇町の存在を知り、入所募集に即応募しました。
入所審査は無事合格しますが、直後に以前の事業の清算などで思わぬトラブルに巻き込まれることになり、一時は入所を辞退します。
半年間はストレスが溜まるトラブル対応でかなり参ったということですが、そこはモットーの「めげない! 懲りない! へこたれない!」を毎日唱え続け、半年後に再度メビックに応募、晴れて入所となりました。その半年間には同時にプライベートでも色々なことがあり、非常に濃い半年であったということです。
現在では、楽天やYahoo!などのASPやオープンソースを使ったECサイトの構築やオリジナルの洋菓子店向けポータルサイトのASP構築、モバイルサイトやWeb系システムの構築、顧客管理・販売管理システムの受託開発などを手がけ、今後は、商用・業務用途に特化した、利用者毎にカスタマイズが可能なポータルページを自動的に生成する『パーソナライズドホームページ』を開発していきたいとのことです。
ECサイトの構築などで心がけていることは、サイト製作の目的についてクライアントとよく刷り合わせること。何の為に製作するのか、企業価値を高めることが出来るか、サイトがツールとして役割を果たすかということを徹底的に刷り合わせる為に、時には自社の営業範囲外の手段を薦めることもあります。「商売になれへん提案をするなあ」とクライアントから言われることもありますが、そういった姿勢を貫くことにより、リピートの発注も増えてきました。
荒川さんが考えるのは、コンピュータやウェブサイトといったものは絶対に必要なものではないが、如何にそれに付加価値を感じていただけるかということを考えながら商品を開発していきたいといいます。
また常に心がけていることは、「相手に対する尊敬の念を忘れず、対等な関係を大切にしていきたい」とも言います。「お客様は神様ではない、外注先に対しても上から見たくはない、スタッフにもいつでも対等な関係で話せるようにしておきたい、そういった環境を作りたいと考えています。

荒川さん曰く、「今まで色々な人に困ったときに助けてもらってここまで来ました。だから恩返ししないといけない人がたくさん居るんです」とのこと。
多くの人に支援される人には理由があります。話を聞いていると荒川さんのその実直な仕事振りと誠実なスタンスが周りの人たちを動かしてきたような気がしてなりません。
チャレンジャーズクリップ Vol.64 公開:2007年07月05日
取材 文:インキュベーションマネージャー 増見 浩一朗

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荒川 昌巳
「テクノウィーヴ」