「子どもを育てる」「子どもを守る」これが私の起業の原点です。
(株)アナログリレーション 北川 周子氏

母親として起業家として

北川氏

「わたしDVの経験者なんです」「離婚もしました」「でも人と話をすることが大好きなんです」と、話難いプライベートな話題も何のその。屈託もなく笑顔で話す彼女の表情には、子どもを持つ一人の母親として、そして子どもを守るために事業を志す一人の起業家として、様々な経験に裏打ちされた自信とたくましさを感じます。

母親の背中を見て育つ

北川さんは3人姉妹の2番目。多感な頃に両親が離婚したため、保育所を経営する母親と祖母の手で育てられました。母親はとても厳格な人で、子どもの頃はあまり好きではなかったとか。保育所経営に忙しかったこともあり、食事を一緒にした記憶はほとんどないといいます。そんな母親の背中を見て育ったので、仕事や起業に対する抵抗感は全くなかったとのこと。

持ち前の明るさと行動力

短大を卒業後、車のディーラーに就職。事務職を希望したにもかかわらず営業に配属されたが腐ることもなく、顧客に毎日手紙を書いて届けるなど、持ち前の明るさと行動力で、月間6台の販売実績を達成。新人賞を獲得したことも。

自分で生きていく覚悟を決める

輝く女性の生き方 100
北川さんの体験談が収録されている
輝く女性の生き方 100

その後、別の会社に転職し、結婚、出産と、順風満帆の人生のように見えたが、前夫の暴力が激しく、地獄の生活を経験することに……。不安はあったが、子どもを守るために離婚し、自分で生きていく覚悟を決めました。

泣きながら家路についたことも

しかし、就職活動をしても、子どもがいることが判った瞬間、採用が見送られることもしばしば。悔しさのあまり、泣きながら家路についたことも。でも子どもを守るために、何とかしなければという必死の思いだけは人一倍強く、就職ができないのなら、自分でやろうという気持ちが高まりました。

起業へのチャレンジ

この時から北川さんの起業に向けたチャレンジが始まります。まずはMOT(Microsoft(R) Official Trainer)の資格を取り、パソコンのスキルを修得。その後、プログラミングの技術を磨くため、物流コンサルタント企業にSA(システムアナリスト)として勤務。

コンピュータ環境の整備・管理を一手に引き受ける

北川氏

でも、この会社にはコンピュータに強い職員がいなかったこともあり、ハードディスクの交換や、ソフトのメンテナンスなど、取引先の業者の人に教わりながら社内のコンピュータ環境の整備・管理を一手に引き受けることに。 その経験が北川さんのコンピュータに関するスキルや知識の修得に大いに役立ったといいます。あまりにも激務なのに嫌気がさしてその会社は退社。その後、半年間ほどサイト制作会社で仕事をしていました。

仕事の血が騒ぐ

その頃、今のご主人と結婚。子宝に恵まれたこともあり、子どもが保育所に入るまでは子どもと一緒にゆっくりと過ごすことに専念しましたが、保育所に入るや否や、再び仕事の血が騒ぎ出し、SOHOとして活動を開始。パソコンの指導、ハードの接続、Accessのプログラミング等々、知り合いから仕事をもらっては、こなす日々が続きました。また、知り合いを増やすために、自らいろんなセミナーや会合などに出かけては、友達づくりに励みました。

2005年に法人化

アナログリレーション ロゴ
http://www.analogrelation.co.jp/

当初はスキルが未熟だったので、Web制作の仕事が舞い込んでも、受注金額が安かったり、得意としていたAccessの仕事も、現場での開発が主で持ち帰りが難しく、持ち帰って開発してもバグが出て補修に膨大な時間がかかり、結局は徒労に終わるといった経験を繰り返しました。しかし、その頃に培った友達づくりが功を奏し、次第に仕事も入るようになり、2005年には法人化を遂げました。

テーマは「子どもを育てる」「子どもを守る」

2006年1月には、自分のやりたいことを再整理するためにメビックに入所。現在は、従来の請負業務で経営の安定を図る傍ら、「子どもを育てる」「子どもを守る」をテーマにしたビジネスプランを模索中です。

入居企業のリーダー的存在

メビック扇町入居企業の皆さん
メビック扇町入所企業の皆さんと

メビックでは、周りの企業さんからの信頼も厚く、既に入居企業のリーダー的存在です。mixiを使い、自主的に「メビックあそ部」コミュニティを立ち上げ、入所企業、卒業企業、メビックスタッフとの、バーチャル、リアルの両面でのコミュニケーションを楽しんでいます。「みんなと食事にでも行けたら、楽しいのでは」との思いから、Lunch Tourを企画し、入居企業やスタッフと一緒に、扇町周辺のお店にLunchに出かけたりしています。

会って良かったと言われる存在でありたい

最近子どもが関係する事故や事件が多発する中で、子どもは自分たちの手で守らなければとの思いから、自分の経験を活かし、子どもがいる女性が安心して外で働けるように、ネットを活用した子育て支援のSNSを立ち上げたいと考えています。将来的には、「子どもを育てる」「子どもを守る」をキーワードに自社のブランディングをしたいと夢を語る北川さん。「会って良かったと言われる存在でありたい」と心に言い聞かせながら、仕事と子育ての両立に、努力と挑戦の日々が続きます。

チャレンジャーズクリップ Vol.52 公開:2006年07月18日
取材 文:インキュベーションマネージャー 堂野 智史

※2007年6月末に退所されました。

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