「学生と教員がともに参加する授業空間の創造をサポートするようなシステムを実現したい」(株)A-LIVE 福重八恵氏クリエイター・起業家支援施設「扇町インキュベーションプラザ」

メビック扇町の起業家紹介「チャレンジャーズクリップ

「チャレンジャーズクリップ」は、メビック扇町に入所している「起業家=チャレンジャーズ」をメビック扇町スタッフの視点で紹介するインタビュー記事です。

学生と教員がともに参加する授業空間の創造をサポートするようなシステムを実現したい
(株)A-LIVE 福重八恵氏

創業したきっかけは…

福重氏

携帯を使ったアンケートシステムやテストシステムなど、携帯電話を活用した総合教育支援システム『A-mobi』を提供する(株)A-LIVEの福重氏が、このビジネスの立ち上げに関わるきっかけとなったのは、大学院での研究テーマからだった。大阪大学大学院経済学研究科の管理会計研究室に属している福重氏は、大学関係の業績評価について研究していた。

担当教授に相談

「教員や学生、企業や卒業生も参加でき、教育の質の向上につながるような仕組みは作れないものだろうか」、そう考えた福重氏は担当教授に相談した。話し合いの結果、出た課題は2点であった。
1)仕組みづくりには何かツールが必要である。
2)研究室内だけでなく、外の目を入れるためにも産学連携で研究に取り組む必要がある

研究から産学連携ビジネスへ

A-mobi

さらに、それまで阪大では、文科系研究室から立ち上がったベンチャーはなかったため、社会科学分野からの新たな挑戦という意味でも、研究成果を基に大学発ベンチャーを立ち上げようという話になった。
そこで、学生が親しんでいる携帯電話をツールとした教育支援システムを、ともに研究・開発することのできるパートナー企業を教授と探し、産学連携で会社を設立することになったのである。

『A-mobi』の仕組み

A-mobi イメージ

『A-mobi』は携帯メールを活用して、「授業の出欠登録」、「テストの実施・採点・結果分析」「アンケートの実施・結果解析」などを行うとともに、これらすべての情報を一元管理することで、学生に対し、きめ細やかなサービスをリアルタイムに提供することが可能となる。また、個人カルテ作成システムや、個別メール送信システムなどとの連動を図ることで、双方向型のone-to-one教育が実現できる。

さまざまな困難を乗り越えて

パートナー企業もみつかり、組織作りにも目処が立った矢先、知的財産の問題がメンバーから提起された。また、資金調達やガバナンス、ビジネスモデル等、さまざまな細かい部分に関しても、研究室メンバー間での認識のずれが露呈してきた。折り合いをつけようにも、平行線を辿り、結果として一からやり直すことになった。その収束に追われた結果、マーケティングは、当初予定していたより1年近く遅れてのスタートとなった。

株式公開を目指したい

A-mobi イメージ

現在は、オリジナルシステムの開発・販売だけでなく、受注開発などにも力を入れている。また、教育機関に対するコンサルティングやリサーチなども積極的に請負っている。これら関連事業を平行して行なうことで、経営基盤を強化し、将来的には株式公開も視野に入れているという。

異色の経歴

高校3年の時に刑務官試験を受験し、卒業後、中国地方の某刑務所で刑務官をしていたという異色の経歴を持つ福重氏。研修生の時には、監獄法や刑法などの法律的な勉強から、護身術や実弾射撃訓練まで経験したそうだ。この仕事は本当に好きだったのだが、一方で大学へ進学したいという気持ちが強くなり、退職後大学へ進学した。

人にかかわる仕事をして。。。

福重氏

大学卒業後は少年院の教官になりたいと考え、教員免許を取ったり、学費と生活費のためにアルバイトで塾の講師をするなど、昔から何かと人にかかわることをしてきたなぁと振り返る。「人とかかわる仕事は、毎日なにか違う発見や出来事があるから好きなんだと思います。」と福重氏。

皆がいきいきと過ごせるキャンパスライフのために

しかし、一方で、自身もキャンパスライフを送る中で、高等教育の疲弊を痛感したという。「この事業を通して高等教育に一石を投じ、皆がいきいきとキャンパスライフを送ることができるようになったら。。。」福重氏の挑戦は続く。

チャレンジャーズクリップ Vol.41 公開:2005年12月13日
聞き手 文:インキュベーションマネージャー 増田 たくみ

※2006年5月末に退所されました。

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