
「チャレンジャーズクリップ」は、メビック扇町に入所している「起業家=チャレンジャーズ」をメビック扇町スタッフの視点で紹介するインタビュー記事です。

小学校3年生の時の作文に、将来は会社経営をやるか、家業を継ぐか、と夢を描いた田原さん。大学も経営学部に進み、卒業後は企業トップと直接話ができる仕事をしたいとの思いから経営コンサルタントに就職。中堅企業の将来ビジョンや戦略構築を提案していた。
実家は父親が経営する写真館。兄と弟の3人兄弟であったが、理由あって自分が家業を引き継ぐことに。もともと会社を経営をしたいという意志があったため、家業を引き継ぐことに抵抗はなかった。ただ、写真は素人だったので、働きながら専門学校に通い、写真の基礎理論を勉強した。
当時の家業は、学校の卒業アルバムが中心。それまで、写真は記録するもので、表現を重視するものではなかった。ある時、ブライダルマーケットに出会い、記録だけではなく、表現を大切にすれば面白い展開になることに気付いた。

最初のうちは、いかにおしゃれに見せるか、試行錯誤の連続であった。他社を見ても、良い写真は撮っているが、活かし切れていないと感じ、そこに商機があると考えた。顧客の感覚を取り入れるため、顧客となる新郎・新婦と同じ年代の若い女性のデザイナーを社内に雇い入れ、デザインを内製化した。

その後、取引先の台紙製造会社にデザインアルバムの企画を提案したところ、企画が通り、新事業をスタートすることになった。1年がかりで試作品を作り、2005年7月に最初の商品サンプルが完成、営業をスタートさせた。手応えはあるが、数字に繋がるのはまだこれから。営業は主に台紙製造会社が行い、D-Worksは制作に専念するというパートナー関係で事業を行っている。

写真市場は、デジタル化の流れの中で、低価格化が進むとともに、ビデオ等の動画との競争が激しくなっている。田原さんは、低価格化の流れには乗らず、静止画と動画の融合など新しい技術を取り入れながら、あくまでも高品質・高価格路線を堅持したいと考えている。また、これまで培ったノウハウを活かし、写真館や結婚式場に対するコンサルティングにも関心がある。

D-Worksの強みは、デザイナーが一冊一冊オリジナルなアルバムを丁寧に創ること。校正や修正作業を取り入れている点も他社と異なる。特に、一目見ただけで引き立つ印象的な作風を重視し、スタイリッシュに見せることや、良い商品には魅力のある良い梱包が必要といった考え方を大事にしている。
田原さんは、「お客さんから見て、D-worksは絶えず良いものを創ってくれる会社であり続けたい。今は手間暇をかけても良いものを創り、お客さんの信頼を得て、会社の価値を高める時期だ」と認識している。メビックに入所して早くも半年が過ぎた。今後の活躍に期待したい。
チャレンジャーズクリップ Vol.39 公開:2005年11月15日
聞き手 文:インキュベーションマネージャー 堂野 智史

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田原 茂晴
「D-Works」