
「チャレンジャーズクリップ」は、メビック扇町に入所している「起業家=チャレンジャーズ」をメビック扇町スタッフの視点で紹介するインタビュー記事です。

「ピノ=pino」とは、イタリア語で「松」の意味。松橋氏の名前に由来して付けられたという。日本で「松」というと、「松竹梅」の「松」。常に最高級のイメージを与える良い言葉である。松橋氏は、クライアントとコミュニケーションを図りながら、絶えず「松」のようにクオリティの高い仕事を心掛けている。
もともと監査法人で公認会計士の秘書をしていた松橋氏は、このまま秘書を続けることに不安を抱いていたという。ちょうどその頃、友人から勧められたスクールのチラシを見て、これだと直感。手に職をつけられるグラフィックデザイナーを志すことに。
絵を描いたりパソコンを使うのは得意だったので、躊躇することなく、すぐにスクールに入校。会社に対しては、半年後に退職することを宣言。退路を断って、自分の好きな道を選ぶことに…。

スクールに飛び込んだものの、松橋氏は、それまでMacを見たことも、触ったこともなく、素人そのもの。スクールでは、Macでのグラフィックソフトの使い方やデザインの基礎という初歩的なことから学んだ。半年間スクールに通った後、運良くデザイン会社に就職が決まり、そこで修行を積むことになった。
主に、月刊誌や広告物のレイアウトデザイン等に取り組んだ。その後、某企業の社内報の制作を一人で任されることになり、取材、ライティング、撮影、編集、デザインまですべての工程を自分でマネジメントすることに。また、経費に対する考え方も仕事を通じて習得。これらの経験がその後の独立の基礎を形成していると振り返る。
機が熟して一念発起し、2004年5月に独立。フリーで仕事をすることにした。独立前は不安だらけであったが、会社時代のクライアントや周りの友人・知人等に助けられて、思った以上に順調なスタートをきった。

直接クライアントに接して仕事をもらい、契約金額の全額を得る。これはサラリーマン時代とは大違い。その醍醐味を感じている。ただ、一人でやっているので、いざ手伝って欲しいと思う時も基本的に自分でやるしかなく、経理などの事務処理もこなさなければならないのは大変という。
「いいものを創りたい」というのが、今一番の思い。「いいもの」とは、クライアントが求めているものを理解し、形にすること。できることなら、クライアントが求めている以上のものを出していきたい。

クライアントと仕事をする中で心掛けているのは、誠実な対応とコミュニケーション。期日を守るなど、ビジネスの基本に忠実に取り組む。また、自分のよく知らないテーマの仕事を与えられた時に、その内容について理解する努力を惜しまない。業界の構造や課題を知り、提案していく姿勢を大切にしている。
将来的には、ジャンルの異なるクリエーター仲間と一緒に事業をしたい。そのために、今を大切に、自分の幅を広げる努力をしたいという。好きなことを仕事にしているので、ついつい没頭し、時間の経つのを忘れることも…。「好きこそものの上手なれ」、今後の成長に大いに期待したい。
チャレンジャーズクリップ Vol.35 公開:2005年09月20日
聞き手 文:インキュベーションマネージャー 堂野 智史

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松橋 洋子
「ピノ・デザイン」