チャレンジャーズクリップ - リベラルアーツ(株) 八坂 卓史氏クリエイター・起業家支援施設「扇町インキュベーションプラザ」

メビック扇町の起業家紹介「チャレンジャーズクリップ

「チャレンジャーズクリップ」は、メビック扇町に入所している「起業家=チャレンジャーズ」をメビック扇町スタッフの視点で紹介するインタビュー記事です。

自らの道は、自らを切り開くしかない
リベラルアーツ(株) 八坂 卓史氏

会社名に込められた想いとは?

八坂氏

リベラルアーツとは、古代ギリシャ語で「人を自由にする学問」のこと。
八坂氏は2007年6月、設立する会社名をリベラルアーツ株式会社と名付けました。事業内容はWEBサイトの制作。一見、学問や教育とは関係ない事業ですが、社名にはある想いが込められています。

貧しくとも自由な子供時

八坂氏は奈良県の出身、男ばかり3人兄弟の次男だそうです。子供時代は複雑な家庭環境にあってほとんど母子家庭状態だったため、生活は厳しかったようですが、母親の懸命な働きのおかげで兄弟は自由闊達に育つことができたそうです。中学校ではバスケットボール部の選手として活躍、高校に入ってからも部活動を続けるはずでした。

高校に入って人間不信に

ところが高校に進学してからは、家庭環境が原因で周囲から差別的な扱いを受けていると感じられることが多くなり、人間不信になって次第に学校教育の現場に疑問を感じるようになります。「勉強ができないから皆より劣っているんじゃない。勉強したくてもできないということがあり、人間性は別なんだ。」高校生の八坂氏は、この頃から教育について独自の考え方を持つようになります。家庭教育の重要性、つまり幼少の時から親から受ける教育こそが、子供が自分自身の力で人生を生き抜くために非常に大切だと思うようになったのです。そして高校を卒業すると、大学へは行かずに自分の意志で、プログラマーになるためネットワーク・パソコン関係の専門学校に進みます。

社会人になって仕事漬けの毎日

八坂氏

専門学校を卒業、社会人としてのスタートは、システム技術者として大手企業のショールームの担当でした。そこでは、イベントやセミナーの運営のほか、パソコンの説明や女性説明員の取りまとめなど、ショールーム関係のあらゆる仕事をやったそうです。土日にイベントなどがあるため休日も少なく、多忙な7年をすごした後、宣伝部に転属と同時に東京へ移住。そこから3年間、新聞媒体などに掲載する広告制作グループでハードな仕事をこなしていたそうです。

農業の通信大学との出会い

大手メーカーでの広告の仕事は、量の多さはもちろん、過密なスケジュール、ちょっとした失敗も許されない雰囲気などが、大変なストレスだったという八坂氏。自分とはいったい何なのだろう。自らへの問いかけが始まります。そんなとき、インターネット農業大学の存在を知り、1年間の通信教育で農業の勉強を始めます。徐々に農業に関心を持ち始めた八坂氏は、仕事を辞める覚悟で1ヶ月間の休暇をとり、奥さんと子供2人を置いて高知県で開催されるスクーリングに参加することを決断します。

本当にやりたいこととは?

この農業大学のスクーリング参加が人生の転機になります。参加していたのは20歳から50歳くらいまでの幅広い年齢層。農業生活は早朝に起床し、日暮れとともにテレビも空調もない部屋に戻る。夜は勉強以外することがないほど時間もある。八坂氏は参加した農業を目指す仲間との出会いで、自らの道は、自らを切り開くしかないことを実感し、自分の本当にやりたいことについて思いを巡らせるようになります。「子供のための絵本や小説を書きたい」ようやく見つけた本当にやりたいことでした。

転職、本の出版、そして起業

八坂氏の作品が収録されている「学校のびっくり事件ファイル」

新たに就職した会社はWEBサイト制作会社でした。3D制作の部署の立ち上げに携わるなど相変わらずハードな仕事をこなしながらも、ついに三十歳の時、八坂氏の書いた短編の児童小説が本になります。本当にやりたいことの第一歩を実現したことは、自信になり、今でも心の支えになっているそうです。そして今度は、家庭教育の通信大学で勉強を始め、さらに自分の夢に実現するために、独立して事業をはじめようと決断します。株式会社リベラルアーツ誕生の瞬間です。

家庭教育事業で目指すものとは

パソコン教室の様子

現在はWEBサイト制作が事業の中心ですが、「早く事業を安定させて家庭教育サイト運営事業にとりかかり、提供する家庭教育コンテンツで親の手の届かないところをサポートしたい」という八坂氏自身、4人の子供の父親。現在も地元小学校でパソコン教室や家庭教育に関するボランティア活動を行っています。
いずれは絵本や小説を通じて、子供に夢を与えるメッセージを伝えていきたい。温厚な笑顔の中に、自分で見つけた目標に対する揺るぎない意志を感じました。

チャレンジャーズクリップ Vol.83 公開:2009年02月03日
取材 文:インキュベーションマネージャー 長川 勝勇

※2009年3月末に退所されました。

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